第5回 都会と田舎を対立させない

 今年の3月に突然行われた『「いなかパイプが求める「いなか求人」~ない人って何!~トークライブ」。いなかパイプとも関わりの深いおふたり(青木将幸さん、岡田拓也さん)とササクラレオで話をしました。テーマは「ない人」について。

 テキスト連載第5回。「都会は疲れるよね、田舎の方が良いよね。」という伝え方はしたくないね、という話に。その人にとっての幸せな働き方や場所や暮らし方を見つけてほしい。その選択肢として都会だけでなくて田舎もあるよ、と伝えたいわけで。田舎からどんなメッセージを発信するのか、改めて考えさせられます。

 

▼YouTube動画はこちらからどうぞ。

 

 

第5回 都会と田舎を対立させない

 

岡田:あえてここで言っておきたいことは、都会と田舎を二項対立させて、都会って疲れるよね、田舎の方が良いよねという話にはしたくないんですよ。それは違うなって思っていて。都会しかない、と思い込んでいるところに田舎という選択肢を見えるようにすることが大事だと思っています。

 伝え方や語り方はすごい難しいですよね。例えば都会はつらいですよね、という言い方は、東京が合っている人や活躍している人を逆に傷つけることがある。みんなけっこう無邪気に言うなと思っていて。「田舎のほうが人間関係が良いよ」とか。東京でも素晴らしい生活を送っている人はいるじゃないですか。言い方を大事にしないと間違った伝わり方をしてしまうとずっと個人的に思ってます。

岡田さん

 

レオ:そういう指摘を受けたこともありました。だから気をつけているんだけど難しいですよね。

 

岡田:せっかくだから今日はそういう話まで踏み込めたら面白いなと思って。いま、ラッキーなことにいろんなものの限界費用が下がってきて、トータルで見て生きやすくなってる。だからレオさんが言ったように、給料じゃないところで働く、ということを考える人が増えてきた中で、東京の働き方と田舎の働き方をどのように語るのか。

 ある人にとっては東京の働き方や暮らしがつらい、逆に田舎のほうがつらいって言う人もいる。都会がダメだ、と田舎に来たのに田舎もダメだとなる人もいますよね。そういうときに袋小路に入っちゃった、というのも違うと思ってる。

 単純な都会と田舎というより、具体的な規模感の話で、四万十町でいうと1万7000人くらいの町です、という話から3万人くらいの町です、10万人の都市圏です、というようなそういう暮らし方のグラデーションみたいなものがあり、田舎は良いよって言いたいならなおさら、伝え方を大事にしなきゃいけないと思ってます。

 

マーキー:なるほど。同じ四万十町でも隣の沢に行ったら住みやすい場合もあるよね。結局、合う合わないってことかなと思うけど。都会のこの会社が合わないけどこっちの会社というものあるし。合う合わないってすごくある。

 合う合わないの部分を多少、クッションを作ってやりとりできる状況をつくったというのはいなかパイプの面白いところだと思いますね。

 

ない人

 

レオ:田舎と都会と言うとわかりやすいから使ってますけど。フィールドではないと思ってる。行政区域・市町村でやっている現状もありますけど、そうじゃない。

 その人にとっての幸せな働き方とか、場所とか、暮らし方を見つけられたらいいなと思っています。その選択肢として都会だけじゃなくて田舎もあるよ、世の中広いよということを伝えるようにしている。

 苦しめられる会社は都会にもあるように、田舎にもあります。何故そうなっているのかを働く側も雇う側も考える必要がある。働いている人が辞めると、辞めたやつが悪いという話になったりするじゃないか。でも受け入れ側にも問題があって、そこを変えていかないと人を雇ってもまたどんどん辞めていく。働く側も何が自分に合わなかったのか、何があって何がないのかを捉えられないとまた同じ繰返しをするんですよ。研修会などの機会で、そういうところを捉えられるようにしましょうと伝えています。

 

(⑥へつづく)

 

ない人オンライン

ゲストプロフィール

青木将幸さん( 青木将幸ファシリテーター事務所 ) http://www.aokiworks.net/

 1976年生まれ。熊野出身。環境NGO・A SEED JAPANに関わる傍ら「それぞれの持ち味が発揮される組織づくり」に関心をよせる。95年よりNPO向けの組織運営トレーニングの開発とファシリテーションに関わる。企画会社ワークショップ・ミューで修行期を過ごした後、2003年に青木将幸ファシリテーター事務所を設立。以来、毎年100回ほどのペースで会議・ワークショップ・参加体験型研修の進行役をつとめている。2012年より拠点を東京から淡路島に移し、国生み伝説のある島から日本中に出かける日々を送っている。著書に「ファシリテーションを学校に!〜深い学びを促進する〜」 https://amzn.to/2Oj2vdQ などがある。

岡田拓也さん(株式会社ande代表)

 1988年、兵庫県豊岡市生まれ。いなかと都会を行ったり来たりしながら、ビジョン起点での仕掛けづくりを行う。2015年より、全国各地のまちづくり事業に携わり、まちづくりと地方移住とに関するメディアを立ち上げ、運営。全国100人以上のキーパーソンにインタビューを行う。2017年に起業し、複数拠点(宮崎・東京・高知・大阪・山梨)で暮らし、働く。人文知の社会実装がテーマ。

 

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