第6回いなかパイプのビジネスモデル

 今年の3月に突然行われた『「いなかパイプが求める「いなか求人」~ない人って何!~トークライブ」。いなかパイプとも関わりの深いおふたり(青木将幸さん、岡田拓也さん)とササクラレオで話をしました。テーマは「ない人」について。

 

▼YouTube動画はこちらからどうぞ。

 

 テキスト連載第6回。いきなり移住するのはリスクもハードルも高い。そこでいなかパイプでは3泊4日の「いなかドア」や29泊30日のインターンシッププログラムを用意しています。そこから実際に移住定住した人もたくさんいます。そして話は「いなかパイプってどうやってお金を稼いでるの?」という話に・・・。

 

第6回 いなかパイプのビジネスモデル

 

レオ:いきなり田舎に移住して働けとは言いません。最近出来た3泊4日の「いなかドア」という気軽に四万十体験できる企画や、これまで8年くらいしている29泊30日のインターンシッププログラムがあります。

 1ヶ月間、住んで働いてみて、自分が合う合わないを見極めた上で、いなかパイプで一緒に働きましょうというプロセスを経るようにしています。

 いきなりだと受け入れ側も働く側もわからず、ミスマッチが起こりやすい。わたし田舎が良いですって来ても、やっぱり田舎ダメでした、つながりが濃すぎる…と言う人もやっぱりいます。自分自身のバロメーターというか、マッチするかどうかを試した上で新しい世界に入っていくというのがいいと思って。

 

レオ

 

岡田さん:実際に29泊30日のインターンを経て移住した人はいますか?

 

レオ:今まで300人を超える人たちがインターンシップに参加していて30人くらいの人たちが定住してます。約1割が働いたり定住したりしてますね。

 

マーキー:めちゃめちゃ地域に貢献してるじゃん。

 

レオ:でしょう!

 

マーキー:30人定住させるってなかなか出来ないことだよ!しかもこのインターンシップって参加費必要でしょ?

 

レオ:そう。ただ働きさせるのに参加費がかかります。でもインターン後も働くという前提なら割り引きます。完全民間運営なので!

 

マーキー:民間運営だよね。よくこれで成立させてるよね。意味わかんないよ、どうやってお金がまわっているのかさっぱりわからない。

 

レオ:続けてると仕事を恵んでくれたりするんですよ。

 

マーキー:人材派遣会社はいただいた給料を親会社が何割かピンはねしてるじゃん。なんかいっぱいピンはねしてるの?(笑)

 

レオ:普通にですよ、普通に。普通に2割くらい。

 

マーキー:いなかパイプは田舎の人事部みたいなものだと思っていて、田舎の小さい会社が独自で研修したり、人を雇ったりということを出来ないので雇用や研修をしたり、何かトラブルが起きたりした時に調整する機能を果たす2割だよね。

 

レオ:そうです。商品を売ってる人も2割くらいピンハネしてるでしょ!なんか人間だと悪いことをしてるみたいに聞こえるけど。人間が多いところでやっていたら稼げる仕組みだけど、田舎では稼げないんですよ。もっと上げたいくらいです!でもこれ以上上げても出してくれないですよね。だからこれでやってます!

 

マーキー:公的なお金は入らず民間だけでやってるんだよね。偉い人だねーあなたは(笑)

 

マーキー

 

レオ:YES!

 

マーキー:10年もね。

 

レオ:でももう死ぬかも。皆さん恵んでください!!(笑)

 派遣の許可を取る上で出資を集りファンドを立ち上げてお金を集めました。そもそも田舎でやるビジネスモデルとしては難しいわけですよ。そこでビジネス頑張ります!というのを辞めようと思いはじめていて。頑張るんですよ!普通に頑張るんですけど、頑張りすぎないようにして。田舎のことを思いながら都会に出ている人がお金を出してくれ、外から来た人が田舎で楽しく幸せに働けるのであれば、お金の使い道としてお互いハッピーなんじゃないかと考え、そういう寄付や出資を受け入れながら成り立つビジネスモデルがあっていいのでは。

 田舎出身でお金を出してくれている方の中に、都会に出て家も建て、田舎に戻るつもりはありません。だけどやっぱり自分の生まれたところが気になっていて、プレゼンを聞いて、「あなたのやっていることはいい。俺がやりたかったことやってくれている」と、お金出すよって言ってくれたりしました。

 

岡田:そういう循環は良いですよね。ちゃんと外貨を稼いでいって応援したいところはまわっていって上手くいけば定住もするし。そうでなくても300人くらいインターンシップにきて、ここで30日間働きながら暮らして、確実になにか縁をつくっているわけじゃないですか。

 

レオ:そうなんですよ。田舎は一次産業の生産基地じゃないですか。働いて栗を作ってくれる人がいないとモンブランは食べられないんですよ。栗を育てる人やお茶を育てる人がいないと都会では食べられない。輸入に頼らないといけなくて、国産のものを食べられなくなるから、そこの仕事を担っていると思っている。

 だから農業ガッツリやる人に来て欲しいという募集もしてるけど、それも結構ハードルが高いと思うので、週2回でいいよって。多様な人が来て、地域の産業に担ってくれます、となればお互いにとってハッピーなんじゃないかな。

 

(⑦へつづく)

 

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ゲストプロフィール

青木将幸さん( 青木将幸ファシリテーター事務所 ) http://www.aokiworks.net/

 1976年生まれ。熊野出身。環境NGO・A SEED JAPANに関わる傍ら「それぞれの持ち味が発揮される組織づくり」に関心をよせる。95年よりNPO向けの組織運営トレーニングの開発とファシリテーションに関わる。企画会社ワークショップ・ミューで修行期を過ごした後、2003年に青木将幸ファシリテーター事務所を設立。以来、毎年100回ほどのペースで会議・ワークショップ・参加体験型研修の進行役をつとめている。2012年より拠点を東京から淡路島に移し、国生み伝説のある島から日本中に出かける日々を送っている。著書に「ファシリテーションを学校に!〜深い学びを促進する〜」 https://amzn.to/2Oj2vdQ などがある。

岡田拓也さん(株式会社ande代表)

 1988年、兵庫県豊岡市生まれ。いなかと都会を行ったり来たりしながら、ビジョン起点での仕掛けづくりを行う。2015年より、全国各地のまちづくり事業に携わり、まちづくりと地方移住とに関するメディアを立ち上げ、運営。全国100人以上のキーパーソンにインタビューを行う。2017年に起業し、複数拠点(宮崎・東京・高知・大阪・山梨)で暮らし、働く。人文知の社会実装がテーマ。

 

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