土佐茶の新茶で一服、くつろぎタイムに感謝!
- 執筆者 和田玲子
- 所 属シェアハウス土佐指南家
2020/07/10
高知市で女性専用のシェアハウス&民泊「土佐指南家」を営むおかみのレイです。 昨年に引き続き、仁淀川流域の茶畑で新茶を収穫してきました。
4 月中旬以降、積雪など予想外の寒暖差もあり、茶葉の生育を心配して下見に行くなど、ヒヤヒヤしたものです。茶畑の所有者さんに一番茶収穫の報告ができて、ホッと一安心しました。知人に声をかけて、初めての茶摘みを一緒に楽しく行った昨年とは状況が変わり、少し残念でしたが、仕方ないことです。忘れられない思い出となりました。
家族 4 人で協力した晴天下での収穫作業は 6 時間。男性陣3人が収穫袋付きの手鋏を使い、 その後を私が手摘みしていくという流れでした。お茶摘みの早乙女姿とまでは、いきません が、早乙女の気分で日差し避けもして、頑張りました。今回は、息子達のマンパワーに随分 と助けられました。そして、お楽しみの昼食時間、茶畑を眺めながらのお弁当は、格段とお いしかったです。
家族で一緒に過ごす時間も次第に少なくなってきて、久々に全員で一緒に過ごす幸せをし みじみと感じました。通りで出会った方から、
「お茶を摘みゆうかね〜今日は暑いき、無理 せんようにね」
と声をかけていただき、その言葉に励まされ、元気をチャージしました。 何気ない会話のやりとりが嬉しくて、自然と笑顔になります。そして
「さぁ〜もう一息、が んばるぞ〜」
と気合い十分で最後まで頑張ることができました。我ながら単純な人間だと思 ったものですが、体力・気力を維持するうえで、大きなパワーとなりました。
収穫を終えて近くの加工場で荒茶加工を依頼しました。収穫の結果、一番茶の重量は約 98Kg でした。そして、翌日には約 20Kg の荒茶が、できあがりました。
茶畑では一番茶収穫後、2 週間くらいで、また新しい芽が伸長しはじめます。一番茶収穫後、 45〜50 日くらいで二番茶が収穫できるようになります。若干、体力の心配もありますが、 二番茶収穫も家族で頑張るつもりです。
手摘みをしていると、茶葉のいい香りが、手に染みつき、ふわ〜っと香るようになりました。 作業終わりには、指先や爪までが緑色〜褐色になっていました。 かつて手摘みだけの時代の苦労を考えると、凄いことだと頭が下がります。実体験してみて、 お茶を飲むまでの、さまざまな行程、いろいろな方々の手を介してできた製品の一つだと思 うと感慨深くなります。
待ちに待ったお茶の時間、新茶を飲みました。家族全員で、お茶を頂くことに感謝して、初 めての一杯を楽しみました。清々しい香りと気持ちが落ち着く味わいです。自分が摘んだお 茶をいただくなんて、数年前には想像できなかったこと、究極の贅沢な時間ではないでしょ うか。
緑茶はビタミンC・E、食物繊維、カテキンなどが含まれています。カテキンは、お茶の渋み の主成分ですが、抗菌作用、コレステロールや中性脂肪を減らす働きがあるともいわれてい ます。最近はペットボトルのお茶も増えて便利になりました。のんびりゆっくり、くつろぎ タイムに自分でお茶を淹れて楽しむこと、おすすめです。おうち時間の過ごし方で、緑茶を 淹れて、ホッと一息を楽しんでみませんか?
ここでお茶のおいしい淹れ方をご紹介しますね。
1)沸騰したお湯を人数分の湯飲みに注ぎ冷ます。1〜2 分程で、70 度くらいが目安。
2)急須に茶葉を入れる。1 人分の目安は茶さじ 1 杯くらい。
3)湯冷まししたお湯を急須に入れる。
4)人数分の湯飲みに均等に注ぎ入れ、最後の一滴まで注ぎきる。
今後の暑い季節には、ティーバックに茶葉を入れて、水出し緑茶としても楽しめます。前日の夜、作って冷蔵庫に入れておくと翌朝には、できあがります。
宿泊のお客様のウエルカムドリンク、手土産用に今後、活用していきます。先行きが見えない厳しい状況ですが、今できることを行っています。昨年のお客様とお茶でくつろいだ時の こと、お客様との会話や笑顔は最高の思い出です。拙い英語でしたが、自分達がお茶摘みし た茶葉であることを海外のお客様に伝える緊張感、何とか通じて喜ばれた時のことが、つい 先日のことのように蘇ってきます。
そんな、楽しいやりとりが、自分達の活動力の糧となっていき、明日への一歩に繋がる、そう信じています。仁淀川流域で生育して、4 月の寒さにも耐えたこと、収穫時の手作業の様 子なども追加して話すつもりです。お茶の時間が、より一層楽しくなりそうな予感。
リビングのテーブルには、大きな日本地図が見られるように置いています。さて、その理由 わかりますか?地図を見ながらお客様とリビングでの会話を楽しみ、コミュニケーション をはかるためです。大きな日本地図が会話のアイテムとして大活躍します。日本のどこから 来たのか、これからどこに向かうのかといったように話が展開していきます。お客様との距 離を縮めてくれ、お客様同士の会話にも役だっています。世界地図も一緒に置いています。
昨年ご縁を頂いて始まった、お茶摘み。人生何があるかわからないから面白い、まさにその 言葉通りのような気がします。
お茶を介して知り合った方々、に淀川流域のきれいな景色、 全ての点と点が繋がり、線となった今、いろいろなことを教えていただき、親しくおつき合 いできる喜びを実感しています。そんなことも含めて、お客様に伝えることができるのも、 おかみとして大変嬉しいことです。
自分自身がワクワクして楽しむこと、さらにそれを多く の方々と共有したいと思っています。 苦境の今だから、
「小さな事からコトコト、できることから、やらなぁいかんやんか・・」
と自身に言い聞かせ、先の見えない不安と闘う日々です。 茶畑所有者の高齢化に伴い、茶摘みの代行など今後の維持管理への不安などがあがってき ています。これまで、大事にしてきた茶畑が、存続できるようにと願っています。
今回は土佐茶の新茶の準備でしたが、お客様のお出迎えができるように、これからもできる ことを進めていきます。そして、みなさまとの出会いを大切にしていきます。