高知にクロスバイクが多い理由

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執筆者 安澤真希
所 属かつおゲストハウス

2020/09/30

 ある日の昼下がり、宿の清掃をしていたら、10人くらいの高校生とおぼしき人たちが信号待ちをしていました。部活帰りかな~とか、若いな~はじけてるな~とか、それとなく眺めていましたら、あることに気がつきました。全員、クロスバイクもしくはロードバイクだったのです!! 

 

ロードバイク

 

 そういえば以前、「かつおゲストハウス」に来るサイクリストたちが

「高知のクロスバイク率の高さが尋常ではない!」

と口々に言っていたのを思い出しました。

 それにしてもなぜ? と疑問に思った私は、本当に多いのかどうか、ちょっとばかり意識して宿の前を通り過ぎていく自転車たちを観察してみました。そして気づいたんですよ。その数の圧倒的な多さに! 半数というより、大多数といっても過言ではありません。街行く中高生は、男子も女子もほとんどクロスバイクです。なんなら2040代の大人のクロスバイク乗りも増えてきている気配です。

 

駐車場

高知市内にある「GU」の駐輪場。全ての自転車がロードバイク!!

 

 私の時代はママチャリが主流だったのに、いつの間に高知の若者はこれほどオシャレかつ本物志向になっていたのか、と感動さえおぼえました。

 念のため、以前スタッフとしてお手伝いしてくれていた現役の高知女子大生にも聞いてみたのですが、彼女をふくめ、周りもほぼクロスバイクやロードバイクが主流で、ママチャリはほとんどいないそうです。しかしなぜだかは分からない… これがハヤリってもんなのでしょう。

 とはいえ、クロスバイクブームからみる高知ならではの理由が気になる!! というわけで、少し考えてみることにしました。

 

駐輪場 

高知駅構内の自転車置き場もクロスバイクの多いこと!

 

 1つに、高知県は中学・高校の数が全国と比較すると少ないほうなので、進学先が校区よりかなり遠い場所にあることも珍しくありません。公共交通機関に頼るといっても、電車やバスが分刻みに迎えにきてくれる都会とは訳が違います。

 とりわけ高知は、その公共交通機関の少なさこそが最大の弱点でもあるのです。路面電車とスクールバスを利用するという手もありますが、アクセスの利便性に乏しい学校に通う人たちと、交通費が捻出できない家庭は、どうしても自転車を選ばざるを得ません。なので、必然的に、自転車に乗る時間と距離とが長くなります。そうなると、普通の自転車ではスピードがでない、疲れる。ならばママチャリよりクロスバイクやロードバイクの方が効率がよいということになります。

 

 とはいえそれは今に始まったことではないでしょう。

 ならば、カップル率の低迷、若者の恋愛離れが考えられるのではないでしょうか。ママチャリの後ろに彼女を乗せられる確率が明らかに減っています。

 減っているから逆に乗せると目立って恥ずかしい。自転車も2人より1人が気楽な時代なのかもしれません。さらに高知はオシャレさんが多いこともブームの追い風になっているのではないかと考えられます。

 高知のオシャレさん率の高さは、ゲストハウスのお客さんからもたくさん耳にしますが、私が思うに、衣料品店が少ないので自分達で工夫してオシャレする若者が多いのではないかと考えています。なので、自転車ひとつにしろ流行に敏感! 

 付け加えてプラス、高知のスポーツサイクル専門店で老舗「サイクルショップ・ヤマネ」さんの地道な頑張りもあったはずです。

 

ヤマネ新聞記事

ヤマネさんの功績をたたえた新聞記事

 

 そんな背景の中、ロードバイク学生のパイオニアがこう発想していったのではないでしょうか。

「機動性の高いクロスバイクならスピードが出せて学校に遅れない→それでいてカッコイイ!→どんなにダサイ人が乗ってもオシャレに見える!→モテるかも→しかも通学用だから親に買ってもらえる♪」

と。そして、颯爽と乗りこなすその姿を見た誰かが真似をする→オシャレ好きの高知市の学生たちに瞬く間に広まる→人口が少ないからあっという間にクロスバイクが流行・・・ と、クロスバイク流行の裏側には、こんなヒットストーリーがあったのではないでしょうか。

 

 そんなことを妄想しながら、カップルでイチャイチャしながら2ケツをしていた昭和と平成の時代が、もうとっくの昔に終わりを告げていたという事実に、寂しさを覚える私なのでした。そして悲しみあまって「かつおゲストハウス」にクロスバイクを1台導入しましたとさ。チリンチリン♪

 


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