No農, Noライフ〜山の暮らしと遊びは1年中が「本番」です(新潟の田舎から)

顔の写真
執筆者 池田なつ記
所 属株式会社 桐朋

2021/04/30

 新潟上越からこんにちは、ソーシャルデザイナーの池田なつ記です!

 

ゲリラ豪梅雨(ごうつゆ)、こわいよ〜涙

 今年はとにかく時の経つのが速い、速すぎる〜!・・・これはおそらく、1月の豪雪災害のせいで体感が狂っているのだと思います(体内時計、あるいは体内カレンダー?)。丸1ヶ月くらいが吹き飛んだ感じ。でも、雪に限らず、被災地域の生活って、たぶん皆そうなるんですよね・・・1ヶ月なら全然ましな方かも。

 ただ、そこに加えて、ある日突然春になり、桜が一気に咲いて散っていき、先日ふとうちの庭の梅の木を見上げたら、なんともう実を付けていました。雪の降り方も極端だったけど、季節の変化がとにかく極端! 極端だし速い!

 梅・・・まさか、もう梅雨に・・・? 次はもしや、ゲリラ豪梅雨(ごうつゆ)か!!? この調子でいったら、夏はどうなっちゃうんだろう・・・・・・

 

梅の実

それはそれとして、小梅ちゃんかわいい。(4/11撮影)

 

 先日観たNHKのドキュメンタリーでは、パンデミックや気候変動、環境問題等を「特権階級が捏造したフェイク」と主張する(=陰謀論を唱える)人々が多数いる、という情報が伝えられていたのですが・・・田舎に暮らしていると、少なくとも気候変動については、明らかに異常が起きていることを肌で感じますよね?

 そういう「生」の事実をキャッチできない人々は、どれだけその暮らしが自然から乖離してしまっているのか・・・。ドキュメンタリーを観ていて私がいちばん心配になったのは、その点でした。

 自然の近くで暮らしていれば、おのずと五感のすべてが情報のアンテナになると思うのですが、スマホ画面に並んだ文字列ばかりを絶対視してしまう状態はとても危うい感じがします。そんな気がします。個人の感想です。(←念入り)

 

 とはいえ私も日頃は基本的にデスクワークが主な上、趣味もインドアなものばかりなのですが(笑)、でも、豊かな野山と川と海に囲まれた住環境は恵まれているなぁと感じています。人として、生物として、本来それが「自然」なことのはず・・・だけど、そういう暮らしは「誰にとっても普通のこと」ではなくなってしまった。

 近代〜現代にかけて時代の歯車が勢いよく回りすぎ、社会のありかたに大きな偏りができてしまったがために、人間社会の「持続可能性」について論じられるに至った現在。今はきっと、「揺り戻し」の時代なのでしょう。

 

梅

 

 ・・・ところでこの小梅ちゃん。田舎に暮らしていて梅の木が庭にある、と言ったら当然「梅しごと」、ですよね。
 
 ええ、しますします。父が。笑

 

 はい、あのー、うん、きっといつか、私もやるんだろうなーと思ってはいる、んですが、今のところ専ら食べる係です。

 オトンつくる人、ワタシ食べる人。←これが「生まれも育ちも田舎」な人間の、わりとありがちな実態だと思います(そうじゃない方もおられますよ、もちろん!笑)。

 

〈続〉私のお友達 vol.3|うしだ屋・牛田詩歩さん

 こんなポンコツ田舎人もいる一方で、豊かな環境、自然の恵みを自らの手でしっかりと享受しながら暮らしているひと、それが牛田詩歩さん(尊敬)。というわけで、前回の続きです!
 
 まずはうしだ屋さん提供写真、秋〜初夏の大島田麦の風景をご覧ください♪♪

 

うしだ屋さん

秋。畑で育った小豆や森で拾ったクルミを干す。夫・光則さん(写真左)は外壁用の板材塗装

 

大根干し

冬の入り口、大根干し。たくわん用に

 

鍋敷作り

冬の終わり。シホさん(左から二人目)によるワークショップ、わら細工の鍋敷づくり

 

 そして春。

 

ふきのとう

 

 私が田舎を離れていた期間は高校卒業後からの10年足らずでしたが、春になるといつもふきのとうや山菜が手に入らないのが辛かったのをよく覚えています。いつだったか、都内のお店で食べた超高級な山菜天ぷらも、ううん、小麦粉と油の味だ・・・と、心と財布にダメージを負いました。涙

 

ぜんまい

 

 ぜんまい♪ こちらは昨年の写真ですが、おそらくこの記事が公開される頃にはちょうどこんな景色がうしだ屋さんの周辺あちらこちらで見られる頃合いかと思います。わくわくしますね〜〜!!(※山菜は地域住民の皆さんの財産です。勝手に採っちゃダメですよ!)
 
 5月には「コメ農家 うしだ屋」の米作り、田植えが始まります!

 

田植え

 

カモのヒナ

昨年6月、うしだ屋除草隊の皆さんと私。まだヒヨコ感ある〜(かわいい)。

 

カモ

6月も末になるとだいぶ大人の姿になってきます(でもかわいい)。

 

春から秋の、ふるさと・大島に出会う旅。

 ここで上越ローカルマニア(自称)であるワタクシから、ミミヨリ&オススメ情報をひとつ!

 うしだ屋さんは「サイクルおおしま」というeサイクル(電動アシスト自転車)のレンタルサービスもされていて、半日 or 1日のシンプルなレンタルもできますし、この合鴨ちゃんたちに会いに行けるガイド付きツアーもあるのです!

 それがハイこちら、どん!

 

サイクルおおしま

サイクルおおしま

ガイドはシホさんの夫でうしだ屋代表の「うっしー」こと牛田光則さん!(福岡県出身)

 

 聞いたところ、光則さんは

「あんまり知られてないんですけど、実は僕、けっこう筋金入りのチャリダーなんですよ」

とニンマリ。

 なんと、シホさんとの出会いはシホさんが上越に移住してくるよりも前(シホさんがまだ東京在住だった頃)の、北海道での出来事だったのだそうです。

 光則さんは全国チャリ旅中、シホさんは北海道の友人宅を訪ねていたタイミングで「偶然の出会いだった」とのこと。

 なーーんその話〜〜! 素敵かよ!!

 

牛田詩歩さん

2014年7月、光則さん撮影。→「必要になって見返していた過去の写真に、初めて会ったときのしほさんの一枚が。このとき撮った彼女の写真は、これ一枚。(まだ友達でもなかったからね)」(2020年7月、光則さんのSNSより)

 

 その後まさかの、新潟での再開から結婚へ・・・素敵かよ!!!(2度目)
 
 とまあそんなわけで、筋金入りのチャリ旅人・光則さんが考え抜いて開始されたレンタサイクル事業ですので、色々とってもイイ感じ! なのです。ツアーは合鴨ちゃんコースも含めて全部で5つのプランがありますし(2021年4月現在)、うしだ屋で貰えるマップを見ながら自由に駆け巡るのも楽しいです。

 詳しくはこちら→ ENJOY! Local 上越 の「サイクルおおしま」案内ページをご覧くださいー。マイクロツーリズムやエコな考え方も素敵だし、何より、大島の風景が本当に素敵です。

 

サイクリング

昨秋「サイクルおおしま」を利用した際の、大島のブナ森(左が私)。Noマスクで美味しい空気を胸いっぱいに吸い込んでのびのび遊べるサイクリング、最高でした。

 

No農, Noライフ:シホさんの場合

 移住にまつわる言説で「なぜこんな山奥に」的なフレーズは “あるある” だと思うのですが、その疑問を持ったことのある方にはぜひ一度、真剣に、「なぜこんな山奥に住むのか」〜そもそも「なぜこんな山奥に村を拓いた人々がいたのか」をじっっくり考えてみていただければなーと思うのですよね。

 それらの問いに対して私なりの解はありますし、牛田夫妻とも今まであれやこれやと対話を重ねてきてはいますが、でも今回はすでに冒頭でちょっとお堅い話をしてしまっているので、ここでは言及いたしますまい。ふぉっふぉっふぉ(←?)
 
 でも私も、シホさんに対しては

「どういうきっかけで農家になりたいと思うようになったんですか?」

というシンプルな問いは投げかけました。

 すると

「一言では説明できないんですけど・・・」

と前置きがありつつ、就農への想いを持ったきっかけのひとつが、大学時代に先輩の実家である農園に手伝いに行った時のこと、だったそうです。
 
 シホさん「身体を動かして、美味しいものを作って食べられる。農作業を手伝いながら、先輩のご両親の姿を見させていただくなかで、そういう暮らし方が『いいな』と思ったんです」
 
 この農園というのが、後に光則さんと出会いの場となった農園だそうです。いや〜〜素敵な話だなあー!!!(3回目)

 

手作りプリンとコーヒー

 

 お話を聞く間にごちそうになった、シホさん作、合鴨卵のプリン! お米が主食の合鴨ちゃんの卵は黄身が白いため牛乳プリンのように真っ白ですが、すご〜〜く濃厚、濃密な卵プリンでした! 光則さんのハンドドリップコーヒーとともに(幸)。
 
 農学部出身で農業雑誌の編集者だったシホさんは全国各地に農家の友人知人がいたそうですが、なかでも「仕事と山里暮らしの楽しみの時間を上手に織り交ぜているのがいいな」と感じた上越・星の谷ファームの天明さんの下で、就農に向けての研修を受けることに決めたのだそう。

 その時、光則さんは上越市のお隣・妙高市在住。スキーリゾートで有名な妙高高原で、小さなホテルの支配人をされていたのだとか。紆余曲折あって光則さんも星の谷ファーム研修生となり・・・以降は前回ご紹介した通りです。

 が!よりまっすぐにご本人たちの言葉で綴られた冊子があるので、最後にご紹介させてください。

 

うしだ屋さん紹介

 

やまざとに暮らして

 

 移住サポート団体「上越やまざと暮らし応援団」により制作されたパンフレット。フルカラー28ページ、読み応えたっぷりの一冊ですが、なんと無料配布! うしだ屋さんでも配布されているそうです。

 牛田夫妻のほかにも登場する3組の移住者さん(ふたりの師匠・天明さんも!)、皆さんそれぞれの物語が本当にとっても素敵です。私は思わず涙ぐんでしまったお話もありました。。。

 なんと、県外の方へは送料も無料とのこと! 読んでみたい方はどうぞうしだ屋さんへお問合せくださいねー。

 

 というわけで、「No農, Noライフ」(という不定期シリーズにしようと企んでいます 笑)、新潟の田舎からお届けいたしましたー。またお目に掛かりましょう〜!

 

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