小さな宿で、なごみの時間
- 執筆者 和田玲子
- 所 属シェアハウス土佐指南家
2021/05/03
女性専用の民泊&へんろ宿 「シェアハウス土佐指南家」おかみのレイです。
コロナ感染予防が言われ出して1年過ぎましたが、宿泊事業の厳しい状況は続いています。この先、どうなるの?という不安もありますが、できることをやるしかありません。だからこそ、お客様の存在が大きな支えで、温かい言葉に励まされて元気をいただいています。
今までふつうだったこと、お客様と過ごす時間が、どれだけかけがえのないものだと、より強く感じるようになりました。人と人の出会いに感謝する日々です。
ご心配いただいた皆様にも、心より御礼申し上げます。改めて、たくさんの方々に支えられてきたことを実感しています。言葉では言い表せない、人の優しさを実感しました。初心を忘れずに、できることを感謝の思いで行っていきます。
こいのぼり、かつおのぼり、あゆのぼり 季節限定のお出迎え
これまで続けてきたことの一つに交流会があります。小さな宿に集まったご縁、女性同士ということで、リビングで会話を楽しみます。
おかみが進行役で、簡単な自己紹介、高知へ来た理由などの話題を自由に話していきます。
リビングで女子会の交流
昨年よりソーシャルディスタンスをとって、換気もしてマスク着用での会話となりました。不安もありましたが、コロナ感染予防下、自粛生活での率直な思いや体験談が出てきます。
お互いの距離が近くなり、和む雰囲気が伝わってきます。しだいに表情が穏やかになり、笑顔も増えてくると、おかみまで嬉しくなります。
テーブルの地図は交流アイテム
日中、自宅で音量を控えながら楽器を演奏していたのに、隣からうるさいと言われて悲しかった、電車の中でマスクをしていたが咳が止まらず、冷たい視線が気になったなど・・・田舎に比べて、やはり都会はより厳しい状況だと感じました。
自分のしんどかった体験を話して誰かに聞いてもらったことで気持ちが軽くなった、初めての民泊利用への不安がなくなったなどの感想がありました。
四国遍路で歩き遍路を6回されたお客様からは、お遍路の先輩であり何度行っても、あきることのない魅力を語っていただきました。
大雨の中の歩き遍路は、しんどくてなげだしたくなることもあるが、無事目的地までたどり着いた時の達成感はたまらないものです。
初めてお遍路体験中のおかみにとって大きな原動力となり、成し遂げようと強く思うようになりました。
現在、35か所/88か所の巡拝中で先は長いですが、お遍路先輩の言葉を励みに、88か所巡拝を結願できるように頑張ります!
今までとは違う状況となり、穏やかにいられない時もあるかとは思いますが、相手への思いやりを忘れずにいきたいものです。
何気ない言動が、時として誰かを傷つけることになるかもしれない、だから言葉を発する時にはよく考えて言うようにしているといわれた方がいました。まさにその通りだと思いました。
相互に思いやりがあると、もめごとにはならないはず。いなかにいると、自分がイライラする時などに、ちょっと外の空気を吸って気分転換ができていいなとよく思います。
山の景色などを見ると、四季の移ろいも感じ自分のイライラなどが小さなことのように思えてきます。
季節行事を楽しむ、土佐指南家のシンボル
小さな民泊をはじめて、いろいろな人との出会い、語らいの中でお客様の気持ちがほぐれて、くつろぐことができるようにとの思いで行ってきました。押しつけとなってもいけないので、お客様のご意向を確認することを忘れずに接するようにしています。
ご家族の場合は、貸し切りでの宿泊も行っていて、かわいいお客様との出会いも楽しみとなっています。時には、お母さんとの育児の話をすることもあります。
子ども連れての旅は、予想外のアクシデントもあったりしますが、それも良き思い出にもなるねと話しています。家族の時間、お子様との思い出の旅で、ご利用いただく嬉しさもあります。
小さな宿が止まり木のように、いろいろな方のくつろぎの場となることを願って、おかみ自身も楽しみながらやっていきます。ちょっと一息つく、ほっとできる居場所となるように一歩一歩、進んでいきます。
旅の安全を願い、お見送り