「いなか」と「いなか」の2拠点生活
- 執筆者 古川智恵美
- 所 属一般社団法人いなかパイプ
2021/05/25
いなかパイプで働き始めて2年半。
働き始めた時は広島市内のアパートで一人暮らしをしながら、なんちゃってフリーランスとしてNPOの事務局や飲食店アルバイトや神楽公演の受付サポートなどいろんな仕事をしながら暮らしていました。
いなかパイプは遠隔スタッフとして、いなかマガジンの更新などWEBでできることをメインでの複業的な関わりでした。
期間限定のフルタイムの仕事をすることになり、広島市内から北広島町へ引っ越したのが2020年1月。
北広島町は島根県との県境に位置する田園風景が広がる「いなか」です。
畑をやってみたり、梅仕事したり、バーベキューしたりと「いなか暮らし」を満喫。そして、2020年9月末で広島の仕事の契約が終了してからはいなかパイプの仕事をメインに働いています。
2020年10月以降は、11月は四万十、12月は北広島、1,2月は四万十、3月は北広島、4月は四万十、と気がつけば「いなかといなかの2拠点生活」に。それが今のところおもしろく、そのおもしろポイントについて考えてみました。
1 .2つのいなかの違いを体感できる!“ディープいなか”の四万十町十和、“ライトいなか”の北広島町大朝
いなかパイプの事務所がある高知県四万十町十和。四万十川の中流域に位置し、高知市までも松山市までの車で2時間、コンビニまでは車で40分というなかなかの秘境です。
そのぶん、昔ながらのお祭りが集落ごとに残り、四万十川と切り立った山の風景は絶景です。
一方の北広島町大朝は、広島市内から車で1時間。コンビニもスーパーもあります。
石州瓦という赤瓦の屋根が特徴で、以前はスキー場があった雪が多く降る場所でもあります(最近は温暖化のためだいぶ降雪量が少なくなっています)。田園地帯が広がり、朝晩の寒暖差が大きいので美味しいお米ができるそうです。
「いなか」と一口に言っても、様々な「いなか」があり、その違いを身をもって体感できるのが個人的には面白いです。
2 .行き来することで常に新鮮な気分でいられる
わたしは基本的に飽き性で、コツコツとひとつのことをやることが苦手です。
気分の浮き沈みも激しく(年を重ねるごとにだいぶ安定してきましたが)、モチベーションを自分でコントロールできない時があります。そんな時、場所が変わるだけでリフレッシュして前向きな気持ちになれます。
その場所ならではの体験もいろいろできるのが楽しいところ。四万十川の河原で焚き火飯をしたり、
大朝にある小川で水生生物の観察会やキャンプイベントに参加したり、
旅するよりももうちょっと深く複数の土地と関われることが面白いです。
暮らしていると当たり前になることが、場所を移動することで新鮮な気持ちを思い出せます。
3 .その土地ならではの美味しいものが食べられる
わたしはとっても美味しいものが好きなのですが、「いなか」にはお金を出しても食べられない種類の「美味しいもの」が存在することがわかってきました。
山で採れた山菜やタケノコを使った料理だったり、
四万十川でとれた天然うなぎを炭火で焼いて食べたり、
高知と言えば!のカツオのタタキだったり、
新鮮な野菜や鮎、原木しいたけ、羽釜で炊いた新米など、たまらなく美味しいものがいなかにはたくさんあります。
いなかに住むようになって、せっかく美味しい素材がいろいろあるのでわたしも以前より料理をするようになりました。
もちろん2拠点生活のデメリットもいろいろあります。
地元の方に覚えてもらいにくかったり(いつもいる人じゃないから)、関係性が深まらなかったり、ちょうどそのタイミングでいなくて祭りや行事に出られなかったり。
またこんな暮らしができるのは、その土地を守って風景を維持してくださっている方たちがいるからなわけで、後ろめたさも時々感じながら、何かしらをどちらにも運んだり、できることでお役に立てたらいいなという思いです。
大朝の自宅前から見た夕焼け
基本的に「こうしたい」が強くあるわけではないので、流されるまま1年後どこでどんな暮らしをしているかはわかりませんが、しばらくはこの「いなか」と「いなか」の2拠点生活を楽しみたいと思います。
そんな2拠点生活を体験できるインターンシップがこちら。興味のある方は読んでみてください。
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