いなかドアって何? -コロナ禍の「自分を再発見するいなか体験」-

 2019年2月から「いなかドア」を開催して2年半経ちました。3泊4日で年1回開催していた「大人の休み」も含めると5年以上続けています。

 「いなかドア」の情報発信をすると、どうしても外側の楽しそうな体験がプログラムの魅力の様に伝わっていますよね。

 振り返ってみても、みんなやりたいことをそれぞれやっているので日々の色々なアクティビティは間違いなく楽しいです。

 でも、そこだけではないところに「いなかドア」の本質があります。ということをちゃんと伝えたいと思いこの記事を書いています。

 

いなかドア‐カヌー体験

 

 特にコロナ後の2週間滞在になってから、「何をやったか」よりも「どう過ごしたか」が大きな収穫に繋がっていることが明らかに分かってきました。

 よく2週間経験した参加者が外側の体験よりも内側の変化が大きな収穫だったと話してくれます。

 

「ただの自粛の滞在のつもりだったのにまさかこんな経験が出来る何て思わなかった。」

「既にこの期間でインターンに参加する目的以上の経験が出来た。」

 

 嬉しい言葉ですが、同時にその価値、経験を言葉で伝えられていないということですね。。伝えるのは難しいなぁと実感しています。

 2週間の滞在を1年半やってきたので、「いなかドア」って何をやっているの?何ができるの?を改めてまとめてみます。

 

いなかドアの流れ

●1日1回の朝のミーティング

 

いなかドア‐朝の全員参加のミーティング
朝の全員参加のミーティング

 

 このミーティングがプログラムの核になります。

 共有することは、

 ●困っていること、気になること
 ●やりたいこと、知りたいこと
 ●分かち合い、何気ない話

この共有を毎日繰り返します。

 

 他の人と共有することに慣れている人にとっては簡単なことですが、人と何かを共有することに慣れていない人もいるので、最初は戸惑いがある人もいます。何も浮かんでこないという人もいます。それでも全然0Kです。

 その時に起こっていることをその場で共有することがここでやりたいことなので、一緒にいてくれるだけでも伝わることが実はたくさんあります。なので、朝のミーティングの参加だけは必須にしています。

 

 始めは緊張していた人達も、数日一緒に過ごすうちにだんだんとほぐれてきて場の雰囲気も変わって来ます。

 逆に本当に信頼できるメンバーだと、お互いに認識できたら少し踏み込んだ議論をするのも恐くなくなるので、日が経つにつれ本音を伝える議論が活発になっていくこともあり得ます。

 ミーティングは集った人達で共鳴している瞬間です。不思議とこの集りをするだけで日中は一緒に過ごしていないメンバーも含めて数日過ごすと一体感が出てきます。

 

●アクティビティ

 

いなかドア‐春のお茶作り体験
春のお茶作り体験

 

いなかドア‐毎日水遊びする夏
毎日水遊びする夏

 

いなかドア‐冬は焚き火をする機会が増える
冬は焚き火をする機会が増える

 

いなかドア‐室内でのんびり過ごしたい参加者もいます
室内でのんびり過ごしたい参加者もいます

 

 アクティビティは季節や天候、滞在日数や期間、その時集ったメンバーの性質によって大きく異なります。基本的に決められたルールはなく、「やりたい」という自分たちの気持ちが一番の原動力です。

 「いなかドア」では旅と日常の間の様な体験と言っていますが、このアクティビティの中には日々の生活でしていく食事や、いなかパイプがしている日常体験としての農作業なども含めてプログラムを決めていきます。

 ルールはスタッフの中で安全、健康、地域の風習などに気になる点がなければ基本的に禁止しているものはありません。

 今の時期であればコロナに関することでの注意点は事前に説明しますが、他の気になることは、ミーティング内で全体の場に出しながら共通認識をみんなで育てていきます。

 

いなかドア中の過ごし方

 ミーティングの「分かち合い」とアクティビティの「実行」を繰り返していきます。

 特に決められたルールは朝のミーティングの参加以外はなく、過ごし方はその日その人がやりたいことをやるだけです。

 参加者はこんな山奥まで来ている一人ひとりの想いも違うので、どう過ごしたいかも人の数だけ違います。

 

 毎日ずっと外に出て色々な観光地を回りたいという人もいれば、自然の中でやりたかったことを毎日ルーティンのようにやることで幸せを感じる人もいるし、外出を殆どせずに自分の時間をとることを大切にしている人もいます。

 やりたいことがその日浮かんでこなかった人も、他の人が出したプランが面白そうだから便乗して一緒に過ごすこともありです。

 知らない土地で知らない人達と過ごしているので行動しているうちにこれまで出なかった感覚が刺激されて数日後の面白いプランに繋がることも多々あります。

 過ごし方のコツは嘘つかないことや遠慮をしないこと。できるだけ自分らしく他の人と一緒に過ごすことです。それはスタッフも同じですが。

 正直に本気で楽しむだけで、参加者同士の仲がグッと深まる方向へと場が進んでいきます。

 

いなかドア‐最終日は地域の人も含めて交流会
最終日は地域の人も含めて交流会することも

 

いなかドアで得られるもの

 いなかドアでやることは “自分に嘘をつかない、且つその状態で他の人と一緒に過ごす”ということです。

 これはしばらくそうして生きていなかった人には、なかなか難しいことのようです。

 どこかで誤摩化していたり、相手に合わせて自分を犠牲にして生きていることが当たり前とされる世の中では、自分らしくいていいような在り方はある程度それが許される環境でないとなかなか挑戦出来ません。

 「学歴」「大人」「社会人」「世間体」のような言葉と文化の制限を無意識に取り入れていたら、そうしている自分にも気づきにくいかもしれません。

 

 やってみて分かるのは、外側の「何をするか」は内側の「自分らしくい続ける状態」の価値に比べたら付属品のようなものです。付属品の「やりたいこと」は実は本当の自分がやりたいこととは違っていたということは大いにあり得ることです。

 なので、まずは「自分らしい状態」でいること。自分に嘘をつかない、そのままの自分で他の人と関わることを目指します。

 

 朝のミーティングでみんなで集まったときに、その時に感じている自分の気持ちを他の人と共有することからスタートします。

 初めはなかなか感じられないかもしれない。感じても「自分らしい状態」から感じていることを他の人と共有することをためらったり、自分が我慢したりすることに慣れすぎていたりする人は無意識にそのパターンを繰り返してしまうかもしれません。

 それでもいいので、少しずつ自分を感じたり、相手を感じたり、周りの自分らしくいようとする人達や自然に影響されて少しずつほぐれていくと、自分に素直になっていきます。

 

 一人ひとりが場に影響を与えるので、場が緊張したり、緩んだりを生き物の様に繰り返します。

 今の社会で本来の自分でいることが出来にくい構造ができてしまっているので、本来の自分でいていいんだということを他の人と一緒に作っていくだけで人は解放されていきます。

 本質的にはこのプログラムは自分と他者との共鳴装置みたいなものです。

 

いなかドア‐オーケストラのよう

 

 音はならないけど、オーケストラのようなものだと僕は感じています。

 始めはバラバラなところから、それぞれの音も知らない人達が集りスタートしますが、徐々にこの人はこういう音が出るのか、自分はこういう音が本当は出せるんだなということが分かり、全体も同じ様に認識していくと、自然とその調和がとれ始め、最終的に調和のとれた演奏が出来る様に変化していきます。

 今のいなかドアでそれが完全に出来るという保証はないですが、一人ひとりの意識が高まり調和がとれたらそれくらいの成果を得ることができます。

 

いなかドアの参加者の声

 最後にこれまでの参加者の声をご紹介します。

 

 今まで無意識に避けてきた“自分と向き合う”時間を設けることができ、自分の中の変化を体感できた。そして何より“楽しい”“最高の時間”を過ごすことができて幸せ!!気遣いがなくなって来てからの関わりが楽しみ。(30代女性)

 

 人生始まった。最初たくさんの人と共同生活できるか不安だったけど、その場から離れたいとか居心地の悪さを感じることなくて、良い人たちに囲まれてたくさんの愛をみんなから貰って人生変わるくらいの素晴らしい話をしてもらった。(20代女性)

 

 朝のミーティングで何をしたいのか話し合い、そこで決まった通りに一日を過ごすというプログラムは、まるで友人達と旅行先で「今日はどこに行く?」と相談しあっているようなワクワク感がありました。

 温泉や道の駅、海辺から街のおもちゃ屋さんまで、本当に自由に行先を決めて過ごす事ができて、とても楽しかったです。

 スタッフの皆さんも親しみやすい方ばかりで、心穏やかに過ごす事ができましたし、いなかドアの期間中に偶然にも誕生日を迎えた私を、サプライズで祝っていただけたのもとても嬉しくて、良い思い出になりました。

 短い期間でしたが、生涯の友人ができたような、素敵な時間を過ごす事ができました。
 そして、こういった観光的な楽しさ以外にも、自分自身を見つめなおす学びの場としても、大きな影響を受けました。自分の悩みやコンプレックス、将来像や理想などを朝のミーティングだけでなく、移動中の車の中での何気ない会話でも、スタッフの皆さんと分かち合い、アドバイスを受けたり自分の意見をぶつけたりする事で、自分の凝り固まった考え方に気づかされたり、逆に自分の考え方や経験してきた事が相手にも影響を与えたりする。討論会を開いているワケでは無いのに、それぐらいの濃密な議論を、普段の会話の中で自然に皆さんとできている・・・そんな不思議な時間を過ごしました。
 この期間で、今までの自分自身と向き合う事ができ、これからどうしたいか、改めて深く考える事ができました。少しオーバーな言い方かもしれませんが、人生観まで変わった気がします。とても満足の行くプログラムでした。(30代男性)

 

 これからも益々よい経験ができるようにちゃんと伝えられるように成長していきたいと思いますので温かく見守ってもらえると嬉しいです。

 こんなプログラムを一緒に経験したいという方お待ちしております。

 

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