いなか哲学、はじめました。
- 執筆者 小林玲央
- 所 属しまんと街おこし応援団
2021/11/26
四万十町では養豚が盛んです。地域の強みを生かすため、豚丼のキャンペーンが 10年ほど前から行われました。「四万十ポークどんぶり街道」です。
商工会が主体となり発案した企画で、地域の飲食店を巻き込んで展開されました。「この店ではこれ!」というメニューも生まれています。ぜひお店に探しに行ってみてください!
さて、先日の話ですが、町内で観光の仕事をなさっている方が、旅行会社さんからこんな声を聴きました。
「なんで豚丼なんですか?女性は量が多いどんぶりを食べられない。蒸し豚や豚しゃぶなどヘルシーなものにしたらいいのに。」
それを聴いてたしかにそうだ。旅行で食べる場所を選ぶのはたいてい女性。だから女性が食べられるメニューを考えた方がいいじゃないか。やっぱり外の人は目線が違うなと思ったそうです。
記事を読んでくださっている方にお聞きします。この出来事どんな風に捉えましたか?
様々な答えが出てくるだろうと思いつつ、逆張りかつ極端なことをゆうちゃると、旅行会社の人は土地の歴史も知らんづつ、一般論をつぶやいただけやき(土佐弁で)
たとえば、四万十町に来る人にうなぎを食べてもらいたいとします。実際にそれが実現するためにはどういう風にしたらよいでしょうか。
四万十町に旅行に来た人に「四万十川のうなぎが有名だ」と知ってもらう。
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その人の中に、うなぎを食べたい欲が湧き出る。
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「うなぎを食べれるのはどこ?買えるのはどこ?」と一生懸命になる。
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結果、食べログで評価の高い老舗のうなぎ屋さんを探し当てたり、手っ取り早く道の駅で見つける。
旅行会社さんは、経験的にこういう筋の流れを考え、豚肉の場合もターゲットに合わせて提案を出すことができます。しかし、地元の人が同じ答えを出せないから考えても意味ないよねとなるかというと、そうではないんだ!と言いたいと思います。
旅行会社さんがセオリーどおり考えたから偉いわけではありません。指摘はきっかけに過ぎないのです。なぜその取り組みをしたのか。なぜ取り組みが継続できたのか。何か意味があったのではないか。無駄も多いかもしれないが、いろんな人に選ばれ残っている確かな「何か」が見つけられるかどうかだと思います。
これから僕がこのコラムで解き明かしたいのは、地域に根づいているけれども、誰もその意味を口にしてこなかったような慣習・文化・歴史がなぜ大事とされてきたのかです。
というわけでは、今、ここにいる自分だからこそ「いなか哲学」なるものを開学したいと思います。
「いなかはよくわからない」
「いなかは古い」
と言われるものを解き明かすことで、いなかに対する偏見や先入観がなくなり、いなか暮らしが、知的にも感情的にもおもしろいと思ってもらえるような入門の書が作れたらと思っています。
今回は僕の話ばかりでしたが、次回は問いを考えるためには、実際に人に話を聞いてみるインタビューをしたり、「わからないからやってみた」のような実践報告らしきものを書いていきます。
「いなか哲学」。 こんな感じのスタンスで行くのでよろしくお願いします!次回のコラムでは、賛同者を募集したいと思いますので、今後ともご贔屓にしてください。それでは!