1本道が通行止め!?同じ居酒屋にいる人はみんな友だち!?びっくり仰天いなかの文化
- 執筆者 児嶋佑香
- 所 属一般社団法人いなかパイプ
2022/03/11
こんにちは!いなかパイプ・スタッフのコジコジです!今回は、私が四万十町に来て、驚いたことをご紹介します。
私がここに来て驚いたことは3つあります。
1つ目は道路事情、2つ目は同じ居酒屋にいる人はみんな友だちのようになってしまうこと、3つ目は高知県独特の呑みの文化の1つ”返杯”です。
びっくりした「いなか」の道路事情 50分の通行止め
まずは道路事情からご紹介します。
私が住んでいるのは山奥の廃校になった小学校で、そこから大通りに出る道は1本しかありません。道はくねくねしていて、狭いので、譲り合いながら通っています。
ここまでは、「いなかだからそんなものだろう」と思っていました。私がびっくりしたのは、この道の工事のため、通行制限が始まったときです。
この写真は工事が休みの日に撮ったので、「解除中」というシールが貼られています。
通行止めのスケジュールはこんな感じです。
8:30~9:00の30分間
9:10~10:00の50分間
10:10~11:00の50分間
11:10~12:00の50分間
13:10~14:00の50分間
14:10~15:00の50分間
15:10~16:00の50分間
16:10~17:00の50分間
見ていただくとわかるように、9:00から17:00までは、10分間しか通れないのです!
この影響を受けているのは、山奥に住んでいる私達だけではありません。山道を登ってくる訪問者も目的地にたどり着けなかったり、帰れなくなったりしていました。
ちょっとおもしろかったのがJAの職員さんです。私が近所の農家さんのところでゆずの収穫をしていたときに、その方は現れました。
そこの農園の方に用事があって来たようでしたが、
「通行止めで帰れないので手伝っていきます」
と言って、がっつりゆずの収穫を手伝っていて、思わず笑ってしまいました。
通行止めが始まった頃は通れる道が1本しかないにもかかわらず、「それはないだろ~」と思っていましたが、住んでいれば「そういうものか」と気にならなくなります。
怒っても焦っても通れないのだから仕方がない。この地域の人はみんな、そうやってのんびり構えているような気がします。
びっくりした呑みの文化 同じ店にいる人はみんな友だち!?
次に驚いたのが居酒屋に行くと知らない人と一緒に呑むことになり、まるで以前から友だちだったかのように接してくることです。
私がそれを経験したことは2回あり、1回目は1人で居酒屋に行ったとき、2回目は他のスタッフと一緒に飲み会に行ったときです。
1回目のときは、居酒屋と言っても中華料理が食べられるお店だったので、私はカウンターで普通にごはんを食べていました。そうすると、お店の人が
「今から激辛マーボー作るよ。移動しなくて大丈夫?」
と聞いてきました。どうやらその麻婆豆腐はかなり辛いらしく、近くにいるだけでせき込んでしまうほどだそうです。
それを聞いて私は、座敷に移動し、グループで飲んでいる人たちの隣の席に座りました。すると、
「この辺に住んでいるの?」
と聞かれ、いなかパイプで働いていて、廃校になった小学校に住んでいることを伝えました。
「他のスタッフにこのお店がおいしいと聞いてきたんです」
というと、
「おー!じゃあ一緒に呑もう!」
ということになりました。その後も話は盛り上がり、
「今度飲み会しよう!」
なんて話にもなりました。
記事とは関係ないですが、地域の人の家で食べたごはんの写真。魚を釣ったら家に招いてくれる。
2回目はいなかパイプの他のスタッフと飲みに行ったときでした。近くのテーブルの人が私達に
「この辺の人?そこ行っていい?」
と聞いてきて、一緒に呑むことになりました。 会話の中でスタッフの1人が
「今度仕事で土佐清水に行く」
と言ったら
「土佐清水に俺の知り合いいるけん!電話しちゃる!何かあったら頼ったらええ」
と言って、電話をかけ始めました。
これには私達もびっくり!でも、こうやって初めて会った人をすぐに受け入れて、助けようとしてくれるこの土地の人は心が温かいなあと思いました。
びっくりした呑みの文化 返杯
3つ目に驚いたことは返杯です。四万十町というよりは、高知独特の文化らしいのですが、自分が飲んだコップを相手に渡して、そこにお酒を注ぎ、飲ませるのです。
私が住んでいる地域の人は、相手に飲ませたいからそれをやっているというよりは、それをやって仲を深めたいというようなことを言っていました。
お祭りのときのごちそう。お祭りが終わるとみんなで飲み会をする。
先ほどから呑みの席でのことばかり書いているので、「呑むのが大好きなのだな」と思われているかもしれませんが、実は私、全く呑めないのです。ですから、返杯はやらないかお猪口にオレンジジュースを入れてもらっています(笑)
こんな感じの人もいるので、 「酒飲めないと高知に住めないのでは?」 なんていう心配はしなくても大丈夫だと思います。
飲めた方が喜ばれますが、飲めないからと言って仲間外れにされるということは、少なくても私が住んでいる地域では全くありません。
私は四万十町に来たことで、これまで知らなかった新しい文化に触れることができました。このように「へー」と思う瞬間に出会えることが新しい地域で暮らす醍醐味だと私は感じでいます。
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