ラフティングボート操作講習会レポート
- 執筆者 中橋啓太
- 所 属フリー
2022/03/23
賞金を手にしたのは誰だ?
昨年10月、徳島県吉野川にてラフティングイベント、大歩危リバーフェスティバル2021が開催された。このイベントを一言で表すならラフティングの運動会。参加チームは初心者からアスリートまで様々だ。
賞金がかかったクロスレース競技の一場面
賞金を懸けたレースでは熱い戦いが繰り広げられ、東京から参加した大学生チームが賞金を勝ち取りました。
イベントの数日前、出場チームのひとつである消防士チームの訓練に参加したので今回はその様子をお送りします。
タイミングと質を合わせると進むはず
今回の講習は、みよし広域連合水難救助隊様からのお誘いを受け実施となりました。
講習のテーマは「漕ぎを合わせる」。
講習場所は急流ではなく穏やかなダム湖。複数人で操作するラフトボート、漕ぐタイミングを合わせるのは最低限必要。流れがなく自分たちのボートの動きに集中できるダム湖は漕ぎを合わせるのに最適です。
そして、さらにボートの動きを向上させるには漕ぎの質を合わせることが必要になってきます。日々、トレーニングを積む隊員の皆様、パワーは申し分ないのでさらにボートの進みを加速させるアドバイスをさせていただきました。
ボートに乗る前に日頃の訓練でゴリゴリに固まった体をほぐし、漕ぎやすいように陸上で準備しておきます。
2人組になり可動域を拡げるストレッチを実施
最悪の雰囲気の作り方
ラフトボートに乗り込み15分ほどのウォーミングアップ。
しかし、皆様汗だくになり講習をやりきったような表情です。なぜなら、とにかくボートが曲がる!曲がる!全力で漕ぎ大きく曲がるボート。
ボートを立て直すにはさらに大きな力が必要になります。以下繰り返し。この状態になると力を出せば出すほど、進まないという状況になり、お互いが責任を擦り付ける最悪の雰囲気があっという間に完成します。
それだけは防がなければなりません!
力をしっかりとボートの推進力に変換するため、陸上での「カラ漕ぎ」も行いました。
カラ漕ぎとは野球の素振りのようなもの。陸上で全員の漕ぎの質を合わせます。カラ漕ぎ後は、ボートのブレが抑えられ漕ぎのタイミングも揃ってきました。
水上に出てボートの進みを確認
現場からの声-熊本県球磨川水害
今回は「漕ぎを合わせる」をテーマにラフトボートに力を伝える感覚を得られるよう意識しました。
ラフトボートを使用した救助活動の際、自分たちでボートをコントロールできるというのは重要になってきます。
冒頭のラフティングイベント、大歩危リバーフェスティバルでは2020年7月に起こった、熊本県球磨川水害についての講演会も開催されました。
実際に救助活動にあたったラフティング事業者の皆様からお話を伺い、関係各所と連携できる関係を作っておくことが必要という話もされていました。
今後は、定期的に講習を重ね少しでも救助隊の皆様の力になれればと思います。
写真を投影しながら講演する、一般社団法人球磨川ラフティング協会代表理事 渕田拓巳氏
大歩危リバーフェスティバル当日、はたして消防士チームの皆様、講習の成果は、、、
スタート時のフライングによるペナルティが響き敗退となりました。次回リベンジに向け、いつでもお手伝いいたします!!
●大歩危リバーフェスティバルURL https://orf-raft.net/