春のおとずれを身近に感じて
- 執筆者 和田玲子
- 所 属シェアハウス土佐指南家
2022/03/30
女性専用の民泊&へんろ宿 「シェアハウス土佐指南家」おかみのレイです。
果物などの食後のタネ、植えてみたらどうなるか?実験感覚で、やっています。
芽が出ると嬉しくなりますが、夏の暑さや冬の寒さでダメになってしまうというのが、よくあるパターンでして。それでも、めげずに挑戦を続けているおかみです。
現在挑戦しているのが、昨年夏に食べたライチ。別名、レイシ(茘枝)とも言われる、中国南部原産の果樹です。世界三大美人の楊貴妃が好んで食べたとも言われており、赤い果皮の中から白い果実が表れます。芳香があり、ジューシーなライチです。
7月下旬に楕円形の茶色のライチのタネで実験開始。植木鉢に植えて2週間ほどで発芽、3週間ほどで葉が出てきた時は感激しました。夏の暑さにも負けずに成長してくれて、ほっとしました。
ライチの植木鉢
季節が変わり寒くなってくると、特に夜間の寒さが心配になってきました。
防寒のため、室内で窓辺に植木鉢を置くようにしました。
そして、土の乾燥状態を見ながら水をあげるように心がけました。
新芽が出て、薄い赤茶色だった葉が日光を浴び、光合成で黄緑色へ変わった時は、とても嬉しかったです。葉脈も黄緑色へと変わっていくことを知り、植物の生命力を改めて感じました。
ライチが無事に越冬できたことを喜び、春のおとずれを身近で感じています。観葉植物のように室内でその成長を見て、楽しんでいます。
ライチの葉脈
何も喋らないのは当前のことですが、水や肥料をあげる、日光に当てるなど世話をすると、ちゃんと応えてくれる存在が、かわいくてたまりません。
実験的な遊び心から始めた成長観察が、8か月過ぎて日課となりつつあります。
小さな葉が大きくなり、さらに新たな芽が出て葉へと成長するのを見守った8か月間。
現在高さ15cmくらいで、8枚ほどの葉。室内で日当たりがいい場所だと越冬できることを学びました。さらに順調に育ってほしいと願いつつ、できればライチの花を見てみたいと思っています。
ライチの葉
結実するには10年くらいはかかるようです。そこまで育つかはわかりませんが、可能な限り、成長過程を楽しんでいこうと思っています。
畑で育てた菜花が食卓に出るようになってくると、春の到来を感じます。そして、菜花を小さなコップに入れてテーブルに置くと、春らしい雰囲気となります。
つぼみから花が咲くと、1日で花数が増えて、部屋がパーッと明るくなっていきます。
そして、庭のミニ畑のブロッコリーの側枝も水にさすと、花が咲いてテーブルが賑やかになります。
庭で咲いたブロッコリーの花
身近に春を感じることができ、それを楽しむことができるように、気持ちに余裕をもつようにしていきたいものです。日々、時間に追われてバタバタしていると思うことが、よくあります。
育児や介護などで自分の時間なんて、いつ来るのかと思った時もありました。そんな時こそ、わずか5分でも自由な時間をもつようにすることがいいと以前に聞いたことがあります。
おかみにとって、ライチの世話が日課であり、気持ちを癒やしてくれる5分になっています。これからの季節、草花輝きを増し、桜の花も心を和ませてくれます。
庭の観賞桜
梅や桜の名所などを巡ることもいいですが、近くの公園などで楽しめる場所を見つけるのも楽しいです。歩いて数分の所に桜があり、3月末の3日限定で夜間のライトアップがあります。日中とは違う趣があり、夜桜は幻想的です。今年も予定があるようで、今から楽しみにしています。
昨年3月末にライトアップされた近くの夜桜
また、土佐指南家は小高い住宅地にあり、散歩で対面の山桜が見て楽しむこともできます。「ワカキノサクラ」という桜を庭に植えていて、毎年開花しています。高知県佐川町出身の牧野富太郎博士が佐川町で発見し命名した桜です。
高木にならず2~4m程度の樹高、播種後3年くらいで開花が見られるという品種です。10年以上前から、庭で春のおとずれを毎年教えてくれています。
これまでのように気軽に外出や旅行ができなくなり、窮屈に感じることもありますが、身近に春を感じて楽しむ暮らしができればいいなと思います。それができるのも、いなか暮らしの良さではないでしょうか。
密にならない場所で、自由に過ごすことができやすい環境であることが嬉しいです。
散歩中に四国遍路第30番札所「善楽寺」で見つけた桜並木の手ぬぐい
おかみのライチ観察はもう少し続きそうです。もし願いが叶って開花した時には、写真と一緒に成長観察を報告していきたいと思います。
これからも、わくわくして楽しむことを見つけていきます。
そして、季節の変化などを自然から感じることができるように、身近なものを見て楽しむ余裕をもつことができるように、日々心がけていきたいと思います。
そうすることで、気持ちまでも穏やかになっていくような気がします。
散歩中に土佐神社参道で見た桜の木
おかげさまで、いなかマガジンの記事を書かせていただくようになって、3年経ちました。これまで支えてくださった皆様に、心より感謝申し上げます。
これからも頑張っていきますので、引き続き、よろしくお願いいたします。