自分の気持ちを他者に伝え、やりたいことを実現していく楽しさ
- 執筆者 児嶋佑香
- 所 属一般社団法人いなかパイプ
2022/04/29
こんにちは!いなかパイプ・スタッフのコジコジです! 皆さんは長い間やりたいと思っているのに、なかなかできていないことってありますか?
私は学生時代からずっとやってみたかったことが2つあり、最近その1つがようやく叶い、もう1つは現在準備中です。
私がずっとやってみたかったこと
私がずっとやりたかったことの1つ目は、「いなか暮らしをすること」、2つ目は、「旅をしながら仕事をする」ことです。
“地に足がついている”というイメージのあるいなか暮らしと、“根無し草”のようなイメージがある旅人は、相反するように感じるかもしれません。しかし、
「窮屈な場所で毎日を過ごすのではなく、もっとのびのびと生きていきたい」
そんな想いがあって、この2つの願望が生まれてきたような気がしています。
大学時代にフィリピンに行ったときの写真。知らない土地に行き、知らない人々と出会うのがたまらなく楽しかった。
1つめのいなか暮らしについては、いなかパイプの「いなかインターンシップ」に参加し、いなかパイプで働き始めたことで実現しました。
実は私、大学を卒業したタイミングでもいなか暮らしを始めようと思っていました。そのときに情報収集をする中で、「いなかには雇用はないが、仕事はある」ということがわかり、いなかで様々な仕事を組み合わせながら生活しようと決意し、そのようなことをサポートしてくれる団体と連絡をとり、現地視察もしました。
しかし、結局そこで私は、いなか暮らしをするという選択をせずに、東京が本社の出版社に就職することにしました。理由は、就活に関する周囲からの圧力に負けたのと自分のやりたいことと経済的安定性、将来性などを考慮して、無難な選択をしたからです。
こうして1度は東京で就職したものの、「やっぱりいなか暮らしをしたい」と思い、現在四万十町の山奥で暮らしています。
実際にいなか暮らしをしてわかったこと
実際にいなか暮らしを始めてみると、辛いと感じることもありました。
「どこに行くにも長い山道を下りなければならず、移動に時間がかかる」
「宿舎が寒い(たぶん古民家も寒い)」
「娯楽が少ない」
そんなことはここで暮らす前からわかってたはずなのに、新鮮さがなくなった頃から少しずつ不満がでてきました。
一時期は、寒かったせいもあり、マイナス思考に陥り、
「仕事をやめてまできたのに合わなかった」
「でも満員電車に乗って毎日会社に行く生活には戻りたくない」
「私はこの先どうすればいいんだ」
と絶望的な気持ちになっていました。
廃校を利用したいなかパイプの宿舎からの景色。校庭に雪がうっすら積もっている。
しかし、少し落ち着いた今、以前は辛いと思っていたことを辛いと感じないし、明るい気持ちで、自分の未来をどのように作っていこうか考えるようになりました。
以前は辛いと感じていたことが辛いと感じないというのは「娯楽が少ない」ことです。というのも、娯楽は求めるものではなく、自分たちで作り出すものだと気づいたのです。
私が現在住んでいる地域には、ショッピングモール、カラオケ、映画館など都会にありそうなものは何もありません。
しかし、いなかパイプのカフェに行って、スタッフやお客さんと話したり、近所の人の家でカラオケをしたり、宿舎の人達と映画の上映会をしたりと楽しいことはたくさんあります。
都会のように娯楽施設がたくさんあるわけではないけれど、ここには自分達で楽しみを作り出している人がたくさんいるのだということに気づきました。
プロジェクターを使って大きな画面で映画を見た。みんなで見ると楽しい。
「カフェをやりたいと思ったからカフェをやる」
「カラオケをしたいから家に人を呼ぶ」
「映画の上映会をしたいからプロジェクターを用意して人に声をかける」
こうやって自分のやりたいことをやりながら人を巻き込んでいくことによって、その地域が元気になっていくのだと感じました。やりたいと思いながら一度はやらない選択をした田舎暮らし。「でもやっぱりやりたい」 と思って実践したその先には、やらなければ決して見ることができなかった景色がありました。
いなかパイプの仕事
いなかパイプの仕事では、ありがたいことにやりたいことをたくさんやらせてもらっています。
「この地域にある季節仕事をやりたい」
「文章を書きたい」
と伝え、ゆずや人参芋などの収穫をして、その体験をSNSやいなかマガジンで発信し、
「カフェもやってみたい」
と軽い気持ちで言ってみたら、カフェ担当の人が休みのときにカフェをやることになり、
「インターンを増やすためにオンラインイベントをやりたい」
と言って開催し・・・と自分のやりたいことと仕事が繋がっていくおもしろさを感じました。
いなかパイプに所属したまま「旅をしながら仕事をする」を実現できないか
いなかパイプでは、契約期間を1年から3年まで自分で決めることができます。
私は1年間にしたので、契約が終了するのは、2022年10月。まだしばらく先ですが、今から契約終了後、自分がどうやって生きていきたいのかをよく考えています。
そこで思いついたのが、ずっと胸に秘めていたもう1つのやりたいこと「旅をしながら生活をする」を実現することです。
これまでなんとなく「そんな生活ができたらいいな」と思っていたけだったのですが、最近この生活について、もっと具体的に考えるようになりました。
「旅のフィールドはいなかがいい」
「旅先でその地域ならではの体験をしてそれを記事にしたい」
そんなふうにどんな旅をしたいのかも明確になってきました。
大学時代にWWOOFという制度を利用して北海道に1カ月滞在したときの写真。近所の人達とみんなで筍を取りに行った。地域にどっぷり浸かれる旅が好き。
時が経つにつれて、その気持ちはどんどん強くなり、 「契約終了後ではなく、今旅に出たい」 と思うようになりました。
その気持ちを抑えられなくなって、代表のレオさんやいなかインターンシップコーディネーターのよしおさん、同じwebチームのちかさんやちえみさんに相談してみたところ、
「宿で仕事すればいいんじゃない?」
「数日間休みをとって旅に出てくれば?」
「今度、宮古島に新しい派遣先ができるからそこで仕事して記事を書けばいいよ」
など様々な選択肢がでてきました。
話をした後に、旅をしながら仕事をする方法を具体的に考えてみたのですが、
「結構お金がかかるな」
「毎回宿を探すのは面倒だな」
「荷物が多くなるな」
など様々な懸念点がでてきました。 そのとき、「まあ今じゃなくてもいいか」 と思い始めました。
「そういうことをしてもいいのだ」
とわかったら急に私の心は軽くなったのです。私は、旅をしながら仕事をしたいわけではなく、旅がしたくなったときに旅に出られる環境が欲しかっただけだったようです。
自分が望む働き方と現状のギャップを放置していたら、そこから何も生まれません。しかし、こうして自分のやりたいことを他者伝えれば、一緒に新しい働き方を作っていくことができるのだとわかりました。
ずっとやりたいと思っていたいなか暮らしを実現させるためにいなかインターンシップに参加して、他者と対話しながら自分のやりたいことを仕事にしていく楽しさを知りました。
だから私はこれからも、失敗してもいいからやりたいことをやるし、自分のやりたいことを他者に伝え続けていきたいと思います。
やりたいことがある方もない方も、まずはいなかインターンシップに参加することから始めてみませんか?