東京ではない「高尾」の里山で暮らしています!
いなかパイプをご覧の皆様、はじめまして!私は、新潟県上越市の里山にある小さな集落「高尾」に暮らす、鈴木一恵と言います。
「高尾」というと東京の「高尾山」が有名ですが、実は新潟にも「高尾」の山があるのですよ!
そしてその高尾にて、現在約4年かけ家族と改装した古民家の自宅で、週に3日営業のシェアスペースを営業しています。
改装した古民家。木々に囲まれ、ちょっとした森の中にいるようです。
シェアスペースの利用は1グループ4名まで、1日最大3組程度の超小規模対応(自宅の一部なので)。
滞在時間も自由で、10時から15時の営業時間中たっぷりいても、ほんの30分だけの滞在でもお値段は変わらず一律500円。
飲食の営業はしていないので、食べ物飲み物持ち込みOK。でも無料サービスで豆から挽いたドリップ珈琲くらいはいれますよ・・・というちょっと不思議な形態ではじめたシェアスペースです。
よくカフェや猫カフェ(猫が6匹いるので)と間違えられますが、今年で2年目に入り、ぽつぽつリピーターさまもついてきはじめました(o^―^o)
シェアスペースの一部。普段は普通に自宅として暮らしています。
同じく。どの場所からも窓から外の景色がよく見えます。
実は、いなかパイプメンバーである「池田なつ記」さんも、リピーターさまのひとりで、こちらでも、とっても嬉しい素敵な記事で紹介いただいております。
※池田さんの記事 https://inaka-pipe.net/20210827/
今回記事を書こうと思ったきっかけも、池田さんとお話していた中で、この古民家を改装した経緯、地域の事、シェアスペースを始めた事などを通し
「なんでもない田舎でも、なんでもない人でも、こんな風に過ごせる事ができる」
っていう事が、誰かに少しでも届いたらいいなと思い、そういう事を書いてみては?と背中を押していただいた事から、はじめてみようかなと思い立ち、ここに至っています。
はじめましてですので、まずは私が暮らす小さな集落「高尾」について紹介したいと思います。
新潟県上越市牧区にある「高尾」は、標高約300メートルに位置し、過去の豪雪時には積雪は4メートルを超える雪国ならではの豪雪地帯です。
隣の集落とは民家の無いくねくね道を車で約5分位(慣れない人は10分位に感じるかも・・・)登って不安になった頃、ようやくたどり着きます。
じつは神社や、樹齢800年越えの大ケヤキなど見所もちょいちょいあります。
一番近い同牧区内の商店、保育園・小学校・中学校へは車で10分、コンビニまでは15分、大きなショッピングモール、スーパー、病院、高校、駅などへは約30分+αほどの距離があります。
高尾にはもちろん商店はありません。自動販売機もございません。交通手段はもちろんほぼ車オンリー。バスはデマンドバスが予約したときのみ運行。
現在20数軒が暮らし、人口は50名ほど。そしてその60%以上が65歳以上の「限界集落」であります。
神社での春のお祭りの様子。
実は私は移住者です。小学校4年生の時にご縁があり、この高尾に家族で引っ越してきました。
私たちが移住した当時は、高尾集落は人口約150人ほどが暮らしており、戸数は現在の倍以上の50数軒ありました。
自動販売機やコンビニこそないものの、当時は小さな酒屋もあり、もっと前の時代には、豆腐屋も数軒あったそうです。
小さな集落ですが、季節ごとのイベントがある時には友人や親戚が集まりそれなりに活気がありました。
廃校になった小学校のグラウンドや、冬には雪がたくさん積もった田んぼの上で運動会をしたり、夏には子供神輿と樹齢800年以上といわれる大ケヤキがある琴毘沙神社での盆踊り、春には地元で採れた山菜の販売や山菜の天ぷらやおこわ料理が楽しめる高尾山菜祭り、秋のふすべ祭りでは餅つきをして秋の収穫祭を行いました。
グラウンドでの運動会の様子。中央が母と弟。
移住して間もない頃の私たち家族。これは冬の雪上運動会の時。
「こんな山奥になんでわざわざ越してきたの?」
と当時地元の人にまで聞かれました。高尾へ来る前に住んでいた場所は近くにスーパーやコンビニ、銀行、個人医院もある街の中の団地で、学校へも歩いて通学できる距離で暮らしていました。
暮らし自体は不便さはないように見えますが、絶対的に足りないものがありました。自然の中で広々暮らすことと動物と暮らすことです。
団地暮らしは5人家族には窮屈すぎて、アウトドア好きな我が家は時々キャンプをしたり、なんとかごまかしごまかし生活していましたが、夏休みに思い切って北海道へキャンプ旅行に出かけた年の冬には、ついに、当時高尾から通う父の会社の同僚から空き家があると情報を得て、あっという間に高尾への移住を決めたのでした。
当時弟が小学校で世話をしていた子ウサギを1匹もらい、家族5人とウサギ1匹で高尾へ越してきたのが今から30数年前の事です。
当時村の広報にも取り上げてもらう程「移住者」は珍しかったようです。
犬と猫、ニワトリ、ウサギ(木から落ちてきたムササビの赤ちゃんがいた時も!)と高尾に来たおかげで私の子供時代は動物と自然に囲まれた豊かな暮らしを送ることができました。
何より普通に暮らしていても、夜になると夜道にタヌキやキツネの家族が歩いていたり、フクロウの鳴き声がすぐそこで聞こえたり、屋根裏では入り込んだムササビが床をドンドンと叩いてたり、近所の猫が我が家のように人懐っこく家に入り込んできたり(うちの猫もよその家に遊びに行ってました)団地暮らしでは想像できない日常がとても心地よかったのです。
それは今でも変わりありません。 動物たちと心豊かに暮らしができるのも、いろいろ不便はあっても、この自然があふれる高尾に暮らしているからだと思うのです。
気が付くとすぐ近くに「自然」と「野生」が!!
高尾の紹介と言いながら、なんだか我が家がここに来た経緯の紹介になってしまいました。自己紹介という事で今回はこのへんで。また次の記事でお会いできると嬉しいです!
古民家の改装中のひと時。旧自宅から徒歩1分程なので、我が家の猫たちもついてきて一緒に休憩中。