山の春、2周年
- 執筆者 吉田晶子
- 所 属フリー
2024/06/21
3月には寒の戻りがあり、4月は雨が多く桜の開花も意外と遅かった今年の春ですが、5月になりさわやかさを感じられる季節に入りました!
物部の山で暮らし始めて丸2年になりました、高知県香美市の吉田です。
思えばここに家を構えたことをきっかけにパイプウェブマガジンの執筆もスタートしたので、この記事も2周年になりますね。
すぐ近くにある桜の名所です。
カレー屋のその後
さてさて、直近の出来事からの報告をしますと、前回「間借りでカレー屋さん始めました」から数ヶ月経ちましたが、実は4月いっぱいで間借り営業が終了してしまいました。
非常に残念ですが、当初から、お借りしていたカフェの営業形態の見直しが3月以降あるかもしれないことはあらかじめ聞かされていました。
スタートしなければ何も始まらないので、たとえ半年間であっても、営業許可のある完璧な厨房スペースと食器を自由に使わせてもらえる店なんてそうそうなく、これまでお店のご好意に甘えさせていただいていました。
最後の営業日はイベントっぽくあいがけのスペシャルメニューで、2回転を目指して予約を呼びかけるとすぐに満席をいただけました。
デザートもいつもにくらべてバージョンアップ。お菓子作りをしている友達にお願いして、自分では作れないものを作ってもらいました。
友人のコビトノオカシヤさんは、香美市のものづくり大賞で入賞した実績がある事業者さんです。
そもそもが飲食店経営など未経験でしたので、箸にも棒にもかからないようであれば、さっさとやめようと思っていたのに、完全アウェイの地で、こんなにもたくさんの方に食べていただけたことは全くの想定外でした。
中には毎週予約をくださり、最終日にはプレゼントと心のこもったお手紙までくださった方もいて感動の涙でした!
決して飲食業宣言はしませんと前回書きましたが、営業を終えたその後、有難いことに再開のご要望もあり、これで終わりは自分的にも寂しい気持ちになり、自分の身の丈レベルでできるお店を今度はアウェイでない所で再開したく、新たに店舗を探すことにしました。
その後の経過については、またこちらでご報告させていただければと思います。
もしかすると、この家のDIYの経験をまた活かせる機会があるかも?!と、今からワクワクしています!
春の農事
カレー屋がひと段落し、落ち着いて周囲を見渡してみると4月の長雨の祟りからの、草ボーボー状態!早速GWの連休返上の草刈り大会でした。
そして、3年目を迎えた今年は、一昨年からせっせと植えてきた草花のごぼれ種から次々ハーブや花が芽吹き、喜びもひとしおでした。
種から育てたディルは日曜市でもたくさん苗が売れました!
今年もこの種から育てていきたいです。
エディブルフラワーのボリジはお店のお料理の彩りにも活躍しました。
家庭菜園時代から4年目になりますが、ここに来てからは広範囲に種が飛び至るところに咲いています。
昨年苗で植えたカモミールが勝手にでてきました!
ユキノシタは駐車場の下に毎年必ず咲く山野草です。
山暮らしを始めた当初は、“草刈りだけが人生か?!”と、草とのあくなき戦いにやや辟易していましたが、ひたすらこなしていれば、こんなご褒美があるのかと小さな幸せを感じている今日この頃です。
雑草が生えるからこその春の芽吹き。辛い草刈り作業の裏側にある、季節の移ろいに感謝する気持ちがあれば、俄然草刈りにもモチベーションがかかり、以前ほどは苦にはならなくなりました。
ヤブヘビイチゴ。バラ科だけあり刈っていると棘にやられますが、作業中ついつい実をほおばってしまいます。甘くて美味しい~。
フキがつないだご縁のこと
春の裏山には大量のフキが出ます。引越し当初はキッチンの環境も整っていなかったので毎日のおかずはフキのおひたしでした。
今では色々選択肢もあるのでたまに採る程度になり、そうすると通行の邪魔になるだけなので、近所の直販所に大量出荷すると、地元では大して売れないという現実に直面。
刈っても刈ってもすぐに伸びてくるフキ!
ふと気づくと巨大化しているタケノコからの竹もほんとに困ったものです泣
フキなんてどこにでも生えてますもんねぇ~ 地元民には、
「ただでも要らん」
と言われました!(筋を取ったものなら欲しいそうです笑)
なのでここは県外の人をターゲットに、メルカリとヤフオクに出すと案の定出せばすぐに売れました!
「お安く譲っていただきありがとうございます」
と、メルカリではコメントをいただきますが、それに対して地元では
「ただでも要らん」
です。笑
そのうちキロ単位で譲ってもらえませんか?という質問をもらい、総採り体制で3キロ用意しました。
何やらその方は伽羅蕗を煮るのが趣味な大阪在住の男性。毎年宇和島より取り寄せていたのに、突然その方が急病で採れなくなったとのことで、慌てて検索していたら、同じ四国つながりでわたしの品を見つけてくださったのでした。
その方とメールでやり取りする中、個人的な話もするようになり、完成品の伽羅蕗を送ってくださったり、そのお礼にわたしは新茶を送ったりと、物物交換をするような間柄に発展しました。
フキのネット販売から、顔も知らない昔懐かしのメル友ができるなんて、思いもよりませんでした。
今年は伽羅蕗にちょうど良い長さ、太さを見極めて収獲ができ、最高に美味しい伽羅蕗を送ってもらい、これぞ循環型社会だと、人間関係も豊かにしてくれる田舎暮らしに感謝しています。
さて、5月は茶摘み月間です! 伽羅蕗のお礼のために張り切って美味しいお茶を作ろうと思います!
きれいな新芽が出てきています。