まず、1歩ふみだす
2014/03/12
- 執筆者 松岡人代
- 所 属四万十農業協同組合
はじめまして。現在、四万十農業協同組合(略してJA四万十)で働いています。
まず、簡単に自己紹介を。
滋賀県の実家で暮らしながらの派遣生活。
2012年夏、派遣契約が突然終了し。
失業保険だけはすぐに出るものの、さてこれからどうしよう。
というときに思いついた高知市での1週間ウィークリーマンション生活。
暮らすうちに「高知にいると身体とこころが楽!」と気付き。
とさてらすの中で移住コンシェルジュの方に「高知が好きになりました!住みたいです!」
という思いをおもいっきりぶつけ。
いなかパイプお試し1泊2日体験に申し込み、初めて四万十町を訪れ、
その後、メルマガで見つけたJA四万十職員募集に応募。
無事採用通知を貰い、車の免許も取り、2013年2月四万十町へ。
高知に住みたい、と思いながらも、車の免許を持っていなかった私は、
最初、高知市に住む、という考えしかありませんでした。
なので、本当に、四万十町に来たのは、偶然。
JAで働く。という選択肢も最初、頭の中には全くなく。偶然。
(免許が、AT限定不可。なら、受験さえしていなかったと思います。笑)
自分の中で、1番勇気がいったのは。
「高知に住みたい」と思った自分の気持ちを認めることでした。
認めたら、それに向かって進むしかなくなるので。
ひとに言われたことは、もしだめでも、ひとのせいにできるけれど。
自分で決めたことは、自分の責任。…のような感じ。
でも、目標が決まれば、もうそこに向かって突っ走るしかないのです。
初めてふみだした、1歩。
さて、現在私が何をしているかというと。
面接のときに「文章を書くのが好きなので、いつかこの地域のことをPRする仕事がしたいです」と言ったからなのかどうなのか、いきなり広報という仕事をもらいました。
主な仕事は広報誌作成。(+他にもこまごま。その内容はまた少しずつ)
「……え?」
何するの?広報誌ってなに?どうやってつくるの?
何この大きなカメラ(一眼レフ)。写真なんてiPhoneでしか撮ったことがないですよ。
大野見?興津?志和?どこ?なに?
「まぎる」?「がい」?「てんぽう」?「いそしい」?「かぁらん」?「だれる」?
毎日「?」がいっぱい。
まさに「人も土地も道も言葉も、なんちゃあわからん状態」。
…でしたが。
「土佐弁わからんかったら顔見たらええわよ。怒ってなかったら怒ってないき」 とか。
「おまん、なんちゃあ知らんきおもしろい」 とか。
笑われているのか、褒められているのか、よくわからないながらも、なんとなくそのおおらかさに救われたり。
いろんなひとに助けてもらいながらの日々。
道に迷ったり、全然違うものの写真撮って帰ってきたり。
いろんなことがありましたが、
1年経てば、それなりに。なんとかそれなりに。たぶん、きっと。
地域おこし。とか、観光促進。とか。
そういうことを改めて意識したことがない、ふつうに暮らしているふつうのひとたち。
と、関わるというJA職員としての一面と。
ひょっこり滋賀から移り住んで来たひとりの人間として、他の地域から来たひとと関わる一面と。
不思議なミックスで暮らしている、と思います。
そして不思議なミックス、もうひとつ。
JA四万十の管内=四万十町全域、ではなく。
四万十町の旧窪川町+中土佐町大野見。
(実は、それを知ったのは四万十町に引っ越してきてからでした)
だからどう、ということもないのですが。びっくりでした。
田舎暮らし、というと。
毎日四万十川の流れるせせらぎの音をきいて。星空を眺めて。
地域でとれる野菜を時間をかけて料理して食べる。趣味に時間を費やす。
こころも身体もゆっくりでストレスフリー。
なんて響きの想像があるかもしれませんが。
…ないから!
仕事量がピークのときは、毎日のようにコンビニにも寄りました。
人生でこんなにコンビニのありがたみを感じたのは、初めて。
家には眠りに帰るだけ、みたいなこともあったけれど。
それでもなんとか乗り越えられたのは、たぶん、ふと見上げた星空がすごくきれい、とか。
遅くまでおつかれさん、と貰ったココアのあったかさとか。
そういう、小さいかもしれないけどほっとするいろいろのおかげ。
今はほんの少し、メリハリ。力を抜くところは抜く。入れるところは入れる。
ということを学びました。
「ま、いっか」も、大事。
仕事の風景、一部。
「JA四万十にこまる」のパンフレット撮影のためにあちこちうろうろ。
(にこまる、はお米の品種です/名前かわいい)
沈下橋と田園風景撮影中。
JAの指導員のひとや、農業改良普及所のひとと一緒に農家さんのところに行って、
写真撮らせてもらったり。
きれいな四万十川の水の写真が撮りたくて、連れて行ってもらったり。
お米イラストを一緒に描いてもらったり。撮影するためにいろいろ小道具をかりたり。
たった4ページのものだけれど。
とてもたくさんの時間と、ひとの力がかかってる。と、実感。
(研修で出会った、デザイン会社の方の力も!)
中に入ってみないとわからない。いろんな隠れた力。
それは、四万十に限らず各地方にあるものかもしれない、とも思いますが。
今は。
外から迷い込んで来たひとりのひととして。
JA四万十が。町が。友達が。こんなことしてるよー、とか。
ここで見つけたこんなものが好き。楽しい。ということを書いていけたらと思います。
どうぞよろしくお願いします。