ヒトツニマトマル
2014/03/24
いなかパイプのイベント告知でもアップしていた中土佐町久礼の”七輪まつり”。
今日はこのお祭りを通じて、バラバラだった商店街がなんとなく、
みんなで一つにまとまった気が今回すごくしたので、そのことを書こうと思います。
市場のめし屋浜ちゃん店長 川村かおりです。
私の仕事はもちろん、大正町市場を盛り上げて、そして市場のめし屋浜ちゃんの経営もしっかりうなぎ上りにすることなんですが。それだけじゃなくて、大正町市場も含めた周辺の商店街をぜーんぶ、活気のある、昔ながらの、地元客に愛される商店街にすることだと思っているのです。
高知県のアクションプランに指定されている「空き店舗対策」。
2年前、この事業の担当になった時から、私自信はどっぷり商店街に浸かり始めました。
大正町市場は小さいですが、割と頻繁にメディアに取り上げられるところです。
有名人が旅番組のロケに来たり、もちろん県内の観光スポットとしても、ちょっとした認知度があったり。でも、私が取り組み始めた当初は、その「大正町市場がちょっと有名」ということが、周辺商店街と大正町市場の深い溝の原因になっていました。
「溝」というのは、商店街は大正町市場と別。 盛り上がるのはいつも大正町市場だけ、みたいな気持ちがなんとなく商店街のほうにある感じ(あくまで個人的な意見です)。
市場入口の通りが、現在の「久礼お宮さん通り商店街」。
当時はこの通りも半分くらいのところで区切られ、駅よりの方が西町。 海に向かう方が八幡通りと呼ばれていました。 その通りから出る路地を平成通り。 平成通りから大正町市場へのびる路地が昭和通り。昔はこれらの通りは全部、大正町連合商店街としてまとまってはいたものの、よくある商店街の衰退が進むのと同時に、大正町市場も、客層が地元客から観光客へと変化していき、平日は本当にさみしい通りとなってしまっていました。
そうして連合は解散。 衰退していく側は同じ組合費を払っても恩恵は大正町市場ばかり、という気持ちが強くなって脱退する商店もでてきたからです。そしてお金のかかっていた街路灯や駐車場の維持管理の部分だけ組合費として集め、小さな組合として残っていました。
そんな状態だったころに「空き店舗対策」として商店街組合にかかわり始めて。とりあえずは大正町入り口の空き店舗をどうにか埋めなければ、とみんなで話し合うことになりました。
同時にこの頃、町内では新しい観光スポットができるという話がありました。
ただでさえ地元客は減り、観光客でなんとか保っている大正町市場と商店街。 別な場所に観光客が流れてしまってはどうなってしまうんだ?!
まずは空き店舗対策の事業を補助金で行うことができるようになった説明と、その担当として私がつくことをお話しするために「商店街を考える会」という名目で会を開きました。
もし本当に新しい観光スポットが別の場所に建ったら。
それでもここがまだ今以上に魅力的であったなら、
お客さんをこっちへひっぱってくることもできるかも?
メディアにもまだ取り上げられることが多い今が、みんなでまとまってもっと盛り上げていくときだ、
もう一人一人ががんばるより、みんなで力を合わせないと、
話し合いではそんな風にまとまっていったのです。
西町から八幡通、平成通り、そして大正町市場の商店さんがみんな集まり、役場の人や県の地域支援員さんも参加しました。そしてこのときから毎月一回集まる会となり、役場へ対する要望であったり、自分たちで何かをしなければならないことの確認であったり、イベントの実行委員本部になったり、商店街のことはこの会で全て話し合い、実行していくことになりました。
連合の復活。 対外的な窓口ももてるよう、連合にする=一つにまとめることは必須でした。
まる一年かかりました。 いろんな意見があって割れたり、案が却下されれば代案を考えるのに数か月かかったり。それでもコツコツと一軒一軒足を運んで、会の議事録を配って歩いて、商店さん一人一人とお話ししていくと、いろんな人の意見もなるほどなぁと思えることに気付きました。
2年目に入って、話し合い→実行→反省、また話し合いと続いていくにつれ、今度は企業団体からの寄付もいただけるお話しも出てきました。活気のある商店街でよく見かける、商店街名が入ったタペストリ設置です。
そこでまずは、西町とか八幡通とか複数の通り名があるより、一本の通り名があったほうがいいとして、みんなで通り名を決めることになりました。
みんなが一つ、通りの名前とその理由を考えてきて、投票するという決め方で。
そうして3か月かかって”久礼お宮さん通り商店街”と決まりました。
それからまた数か月かかってタペストリ制作、設置。 設置できると今度は町の広報や新聞にも取り上げられることになりました。新しい通り名を浸透させようと周りの人たちのこういった宣伝活動もかかせませんでした。 ありがたいです。
そしてこのたびの門前市。
目玉として「久礼は鰹だけじゃない、干物だっておいしい!」「七輪で思い思いに海産物を焼いて食べてもらおう」という七輪祭りとして、春の門前市を開催することにしました。
まとまりつつある商店街の会で、門前市の実行委員会本部を設置するのは冬についで二度目。
冬の門前市では「目玉がない」「ありきたり」との声が多く、
反省をふまえて「七輪祭り」を企画しました。
結果は、大成功! お客様も1,000人を超えていたと思われます。
しかし、まだ七輪コーナーのサービスが行き届いていなかったり、改善する点はいくつかあったものの、人手不足も手の空いている人がすすんで実行委員会本部の仕事を手伝ってくれ、声をかけあってみんなで乗り切りました。
空き店舗が埋まる、タペストリも飾ってちょっとだけですが商店街もにぎわってくる、
まだまだやらなければならないことはあるけれど、少しずつみんながまとまって
しかもそれを、楽しみながらやっているってことが実感できるのが嬉しいです。
これが嫌々だったり、仕方なく仕事だからやっているのだったら、みんなからの協力はもらえないだろうし。正直、やりはじめた当初はまったくまとまってなくて、会をしましょうと呼びかけたときの反応も全員が「やろう」って感じではなかったのでドキドキしていたのがホントです。
意見が割れてしまって途中から参加しなくなった方もいらっしゃいました。
それでも今回のイベントでは会に出てきてくれなくても「何かやることあったら」と本部に声をかけてきてくれた人もいたし。当日は浜ちゃんから出られないほど忙しかった私は、本部に顔をだせなかったのですが、それらの人たちのおかげでイベントは大成功でした。
本当に今回は、商店街も大正町もみんなが一つにまとまったと実感できたイベントでした。