四国のお地蔵さん文化
2014/05/02
- 執筆者 三木香織
- 所 属四万十市地域おこし協力隊
「お地蔵さん」って言ったら、日本全国の至るところに昔からあり、日本人にとって欠かすことのできない大切な信仰心のひとつであると思います。お地蔵さんひとつにしても、形や大きさ、顔、雰囲気などどれも同じものは存在しません。何年も前から変わらずそこに居続けるお地蔵さんの姿は、私にとって普遍的な存在であり地域を見守り続けるその眼差しにいつも癒されてます。
今回はそんな「お地蔵さん」をテーマに、四国に残る「お地蔵さん文化」をチラッとご紹介できたらと思います。
四国には、昔からお遍路さんのお接待文化があるように、四国巡礼八十八カ所に見立てた「お地蔵さんのお遍路」があったりします。このことを「地四国」といい、寺院のかわりにほこらやお地蔵さんを配置して気軽に参拝できるよう、町おこしのひとつとしてミニ巡礼コースを作ったそうです。「島四国」や「花へんろ」もこのひとつです。
先日、地元である香川県瀬戸内海に浮かぶ瀬居島の「瀬居へんろ」と呼ばれるお祭りに行ってきました。島をぐるっと一周しながら島全体に設置されたお地蔵さんを巡礼してお参りするというお祭りです。
この日ばかりは島全体に溢れんばかりの人がこぞって押し寄せます!
島の八十八ヶ所に設置されたお地蔵さんの位置図
地元のこどもからお接待!
島一周巡礼コースを巡ります。
そして高知県の西側にあたる幡多地域にも「お地蔵さん文化」はしっかりと根付いております。山深い高知県はそれぞれの山に必ずお地蔵さんがいて、高いところから集落を見守ってくれています。お山のてっぺんにあるお地蔵さんは、県境沿いや集落の狭間にあることが多く、集落を超えたお付き合いやお見合いの場として年一回は登頂する集落行事のひとつでした。
そして幡多地域には、1000メートル級の山に建てられた代表的なお地蔵さんがいます。このあたりでは『幡多五方』と呼ばれているそうです。
『幡多五方のお地蔵さま』
【東】 四万十町大道 地蔵山
【西】 四万十町古城 高森地蔵
【南】 宿毛市 篠山
【北】 四万十市権谷 ホケヶ森
【中央】四万十市竹屋敷,藤ノ川,大井川 堂ヶ森
『幡多五方のお地蔵さま』は幡多地域の東西南北中央と分かれており、5つの代表的なお地蔵さんのことです。何百年も前から山のてっぺんに居続けているお地蔵さんにロマンスを感じ(笑)これは会ってみたい!登るっきゃない!!ということで…
まず【西】にあたる四万十町古城集落の高森地蔵へ!集落の住民の方たちと先日登りました!
神様が履く大わらじ。悪い霊が入らないように結界をしている。
休憩は山の谷水。おんちゃん流直飲み!
2時間ばかり山を歩き到着。すでにたくさんの人!
古城高森地蔵の眺め
高森地蔵のお地蔵さん
女相撲大会で優勝して大満足な私(笑)
インターン生と集落のみなさん
無事登頂を終えて集落の大宴会へ
そして【北】にあたる我が集落、四万十市権谷のホケヶ森へ。20年ほど前に土砂崩れによって埋まっていたお地蔵さんを有志の方たちが掘り起こして登頂するようになったそうです。
道を直しながら登ってゆく。
至る所に炭窯跡地が!
ホケヶ森からの眺め
ホケヶ森のお地蔵さん
お山のてっぺんで餅まき~
一緒に登った集落のみなさん
現在はこの2カ所のみですが、二ヶ所とも集落のみなさんに愛されているお地蔵さんで出会えることができて本当に良かったです。次は5月5日にある堂ヶ森まつりですね~