いなかビジネス入門編!美味しいいわがきの裏側
2014/07/07
いなかマガジンFANのみなさま、はじめまして!
角真理子(すみまりこ)といいます。 最初に簡単な自己紹介をさせてくださいませ。
(株)巡の環という会社で働くために海士町へ引っ越して早くも1年という月日が経ちました。
前職では子どもたちと火おこしをしたり、絵を書いたりすることをしていまして、いなかでお金を稼ぐ、ビジネスをするということは初めての経験。つまりは1年生。そして1年が経ち、今年は昨年と違う仕事を担当することになりました。つまりは、またもや1年生。
むむむ。なかなか入門編を突破できないでおり、知らないことだらけ、わからないことだらけ。お金をいただく、稼ぐとは、田舎で暮らすということとは。社内のみんなや島の方に教わりながらすこしずつ成長する日々でございます。
1年生の私が今年度担当しはじめたのが、「海士Webデパート」。
海士の特産品を島の外へ紹介するお仕事です。人にご紹介するからにはもっともっと自分自身が海士の食材について詳しくならねば、いや、なりたいっす!そうだ!同じ島の中で作られているのだから現場へ突撃だー!!こうやって私は食材の生産現場をめぐる旅へと出発したのでした。
はじめに訪問したのが「海士いわがき生産株式会社」。海士の特産品のひとつ、「いわがき春香」の出荷元です。島の玄関口、キンニャモニャセンターから車で30分ほどの保々見という地区にあります。日本名水100選に選ばれた湧水「天川の水」があるところ。いわがきというと夏を旬として出す地域が多いですが春香の旬はその名のとおり春の3~5月。産卵前でいわがきの旨味成分が最も強くなっているこの時期です。
3年という月日を湧水の流れ込む清浄な海ですごしたいわがき。その味わいは爽やかで芳香。なんて、文字だけでうだうだ言ってもなかなか伝わりませんね。こんな感じですっっっ!
初めて食べた時の感想は「思ったよりさっぱりしてる」と「でかいな(笑)」でした。Sサイズをいただいたのに、口いっぱいに頬張る感じ。口中がかきに満たされます。
今日はここでいわがきを出荷するために必ず行っている「かき磨き」の作業をお手伝いさせてもらうことに。通常海からあげられたばかりのいわがきはフジツボや海藻などがたくさんついているため、それを研磨機にかけてきれいな状態にするのです!
先輩方に教わりながらさっそく挑戦です。漁業用のエプロンに、漁業用の分厚い手袋、帽子にゴーグルを装着。(なんだか重装備だな~。)なんて思っていたのは一瞬でした。
ズガガガガガガガ!
ズゴっ!
ばーーーーーーーーんっっ!!!!!!
これ、なんの擬音かわかりますか? 正解は「私がいわがきを磨いている音」です。なんせこの研磨機というのが強力で、金属製のひもがついた車輪の様なものが高速回転しているところにいわがきの表面をあてて磨いていくので、ちょっといわがきを持つ手が緩んだり強く当てすぎるといわがきが飛ばされてしまうのです。(最後のばーーーんは私がいわがきを飛ばした音です。) そしていわがきに付いていた付着物はもれなく自分へ付着します。
重装備の意味はすぐ体感できました。1時間も経つと、自分も自分のまわりも付着物でいっぱいに。この分厚い手袋も研磨機で毎日使っていると1週間で穴があいてしまうこともあるそうな。
初めて挑戦させてもらった磨き作業。私は一つ一つにてこずってしょっちゅういわがきを飛ばしていましたが、本業のみなさんはむちゃくちゃ作業が早くて正確!あっという間にきれいになったいわがきが山になっています。出荷時期には何百個といういわがきを毎日磨くのだとか。「慣れだわね~、何年もしとるけんね。」と朗らかに言われます。熟練の技で、当たり前ですが1日では真似できません。
こうやって磨かれたいわがきは殺菌された海水にひたされ、旬の春の時期に食卓へお届けされる組と年間を通じてお届けするためにCAS冷凍される組にわかれます。CAS冷凍は細胞をこわさないで冷凍するため、解凍しても生のように新鮮な味を楽しむことができるすごい技術です。
1日の作業がおわり、その日の夜ご飯はもちろんいわがき(笑) ひとつは生でそのまんんまパクリ。ひとつは酒蒸しにしてアツアツのうちにパクリ。美味しい~~~~~。
この日体験させてもらったのは生産作業のほんの1部分でしたが、どうやって作られたのか、誰が作っているのか、1歩深く知ることができました。その様子や作った人の顔が食べる瞬間に浮かぶ、これってなかなかもって素敵なことだな~。なんて、今日の学びに思いをはせるのでした。
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