薪ストーブとお米の物々交換と地域おこし協力隊同士のつながりの可能性
- 執筆者 多田朋孔
- 所 属特定非営利活動法人地域おこし
2016/02/08
少し前の話になるのですが、去年の11月5日に薪ストーブを新しくしました。新しい薪ストーブはモキ製作所のMD80Ⅱです。
この薪ストーブは、私が栽培しているお米との物々交換で手に入れました。長野県阿智村の地域おこし協力隊OBの大藪さんとFacebookでやり取りをしているうちに、お米と薪ストーブの物々交換をしようという話になり、今回それが実現しました。
大藪さんとは、地域おこし協力隊の現役の時から何度かお会いしていたのですが、Facebookのおかげでその後もゆるく近況をお互いに見つつ、薪ストーブの煙突の投稿のところでコメントのやり取りをし、それが発展して物々交換しようということになったのです。お米4俵を2年に分けて渡す代わりに薪ストーブをいただきました。
古い薪ストーブは貰い物で、私の住む新潟県十日町市のこれまた地域おこし協力隊OBの宮原さんから貰ったものです。私が地域おこし協力隊になってすぐに宮原さんと知り合い、宮原さんは使ってなかったので「欲しければあげる」と言われもらったものでした。
最初は錆びついていたのですが、磨いてきれいにして使いました。
【磨く前】
【磨いた後】
古い薪ストーブは煙突の直系が106mmと細く、それも2重煙突ではなく、シングル煙突だったことと、薪も杉の薪が多いため、ススがつきやすく2週間に1回ぐらいは掃除をしないと部屋の中に煙が逆流して充満するという状況で、どうにかしたいと思っていました。(煙突の内部の空気が外気温で一気に冷やされるとススがつきやすくなるため、煙突が2重になっていない場合と2重の場合だとススのつきやすさが違ってきます。また、煙突の直径が細いよりも太い方が空気の抜けが良くなって燃え方も良くなります。)
前のストーブの時は部屋の温度もなかなか暖かくならず、部屋に居ながらにして服を7枚重ねで着ないと寒いというような冬を5回も越していました。(貰い物なので文句を言うつもりはありません。)そんな不便な薪ストーブライフを送っていたところ、大藪さんとのFacebookのやり取りで自作の断熱煙突の話をし、モキ製作所の薪ストーブが良さそうという気にもなりました。
モキ製作所の薪ストーブは、煙突の直系が150mmと太かったので薪ストーブを変えるのであれば煙突も交換する必要があります。どうせ煙突を交換するのであれば、いい状態で使いたいという事で2重断熱煙突にしようとしてホンマ製作所のホームページを調べました。
他のメーカーや代理店だと煙突だけの販売はせず、施工まで一緒にやるようなところがほとんどです。これはある意味、火災などのリスクを避ける意味での各社のこだわりのようです。ただ、施工までやってもらうと50万円ぐらいするので、煙突だけでとてもそこまで支払う事ができません。なので煙突だけを販売しているホンマ製作所から購入しようとしました。しかし、見てみると自分の家に合わせた形で煙突をそろえるとなると、2重断熱煙突で約24万円、断熱材を入れてない2重煙突で19万円強する事がわかりました。(薪ストーブ本体は含まれてません。)
何とか費用を抑えられないだろうか?と色々ネットを調べてみると、自作で2重煙突を作ってブログにアップしている猛者が何人かいました。私はそれらのブログの記事をかなり研究しました。おそらく検索で「2重煙突 自作」で調べて出てくる写真付きブログのページは全部読んだと思います。それでだんだん自分でも2重煙突を材料だけ買って自作できそうなイメージがつきました。
結局自作2重煙突を作るのにかかった費用は合計で10万円弱でした。既製品の半額以下でできた上に2ヶ月程使用していますが不具合は今のところありません。煙突掃除もしなくても空気を吸い上げており、とても快適です。部屋の温度も、20℃~28℃の間で推移させることができるので、以前のように服を7枚重ねで着る必要もありません。
こちらが106mmのシングル煙突です。
そしてこちらが内径150mm、外径200mmの2重断熱煙突です。
新しい薪ストーブ(モキ製作所のMD80Ⅱ)が届く直前に煙突工事が完了したので、古い薪ストーブを新しい煙突で炊いてみました。古い薪ストーブの煙突の径は細いのですが、無理やり太い煙突を載せてみました。下がその写真です。かなりアンバランスな感じです。
しかしながら、煙突が太いせいか空気の引き込みが良く、煙は全く逆流してきません。
この写真などは炎の様子も高級薪ストーブのような見栄えです。
やっぱり薪ストーブの性能を引き出すためには煙突が相当大きな影響を与えるのだという事がこれで実感しました。
新しい薪ストーブを設置し、106mmの煙突と内径150mm外径200mmの2重断熱煙突を並べてた写真がこちらです。
こうして並べてみると太さの差がよくわかります。
新しい薪ストーブに火入れした写真はこちらです。
初火入れの様子の動画も撮影してみました。
今回の薪ストーブの物々交換は、地域おこし協力隊のつながりの中から実現する事が出来たのですが、これは今後面白い可能性を秘めているのではないかと思います。
地域おこし協力隊は全国各地にいますが、全国研修が開催されるなど、全国の協力隊と出会う場があります。現代はインターネットが発達し、SNSのようなコミュニケーション手段も盛んです。当然普段の活動は地域内での活動が主ですが、場合によっては協力隊の任期終了後もそのつながりを継続できる事もあります。今後、さらに地域に根付いて色々活動の輪を広げる協力隊卒業生が増える中で、人によってはある分野のスペシャリストになっていく人も出てくることでしょう。そういう人たちが全国各地にいてそのネットワークを通じてコラボして何かできるようになるとこれはすごく面白くなりそうだと思っています。