漁師はギャップ男子?

2016/03/28

 

 私が事務局を担当している7日間からの漁村留学「イマ、ココ プロジェクト。」に参加した人から多く聞こえてくるのは、「漁師さんて怖いと思ってた」という言葉です。正直私は、石巻に来る前の26年間、海のない群馬県に住んでいたということもあってか、漁師という職業の人たちに具体的なイメージすら持っていなかったんですが、確かに私が石巻で出会う漁師さんたちは「働いている時は」ちょっと怖いかもしれません。

  でも、ひとたび仕事を離れるとほんわか癒し系に豹変すること、知ってますか?そう。漁師はみんなギャップ男子。今回はそんな、知る人ぞ知る(たぶん)漁師さんのギャップを大公開しちゃいます!

 

石巻市 漁村留学 漁師

 

 

知る人ぞ知る漁師のギャップ その1  「女の子にはめっぽう優しい」

 

 はい。漁師さんたちは相手が男の子か女の子かで態度が全然違います。男には厳しく、女には優しく。普段険しい表情でバリバリ働いている漁師さんたちが女の子を前にするとたじたじになっちゃう姿は「さっきまでの勢いはいずこへ!?」と思わず突っ込みたくなるくらい可愛らしいし、「女の子は男が守るもの」という考え方は男女差別といえばそうかもしれませんが、女の私はやっぱりちょっとキュンとしちゃいます♡もちろん男の子に厳しくするのにもちゃんと理由があるんですよ。それはギャップ5をお読みいただくとして…

 

 知る人ぞ知る漁師のギャップ その2  「漁師だって船酔いする!」

 

  海の上が仕事場の漁師さん。もちろん船酔いなんてするわけないでしょ!……と思いきや、やっぱりそこは一人の人間。漁師さんでも酔う人は酔います。長年やっていればたいていの人は慣れるみたいですが、普段より波が荒い日は酔い止めの薬を飲んで海に出る人もいるんだとか。ちなみに、素人だと酔わない人の方が少ないので、船に酔わないというだけで「デキるやつPOINT」がかなりアップするみたいです。

 

石巻市 漁村留学 漁師

いつもこんな穏やかな海ならいいんですけどね…

 

 

知る人ぞ知る漁師のギャップ その3  「牡蠣が嫌いな牡蠣漁師」

 

 はい。読んでそのままです。毎年何十万個もの牡蠣を出荷している牡蠣漁師さんですが、聞いてみると意外と多いのが「牡蠣苦手だっちゃ~」という人。中には一家揃って牡蠣嫌いというお宅もあったりするからびっくりです。牡蠣漁師の家で育ったからって必ず牡蠣が好きになるわけじゃないんですねぇ。

 

石巻市 漁村留学 漁師

こーんなおいしそうな牡蠣に囲まれているのに…

 

 

 知る人ぞ知る漁師のギャップ4  「Facebook・LINEやってます♪」

 

 これは東日本大震災を経験した漁師さんならではかも知れませんが、50代60代の漁師さんでもSNSを活用している人がたくさんいます。PCは触れないしインターネットのことはさっぱりという人でも(というかそういう人の方が多い)FacebookやLINEはやっていたりします。それは、東日本大震災後に来てくれたたくさんのボランティアや、「イマ、ココ プロジェクト。」のようなきっかけで浜と関わるようになった人たちと繋がるツールだから。漁師さんたちが嬉しそうにFacebookに目を通したり、いいね!をしたりしている姿は何とも微笑ましいです(o^^o)

 

石巻市 漁村留学 漁師3

 

石巻市 漁村留学 漁師4

昨年ipadデビューした漁師さん。御年60ウン歳。

 

 

そしてこれだけは知って欲しい!!

 

知る人ぞ知る漁師のギャップ その5  「漁師さんが怖いのは船の上だけ」

 

 漁師さんが怖いイメージなのはたぶん、仕事中のあのギラギラした感じと、ぶっきらぼうな態度から来るものですよね。でも実はそれ、作業中だけなんです。特に船に乗っている時は近寄りがたいオーラがビンビンに出ていますが、ひとたび仕事を離れれば別人かと思うくらい優しくて穏やか。その違いは顔を見なくても電話越しの声だけでもわかります。海の上での作業は常に命がけ。さっきまで穏やかだった海が、何分後かにはすごい波になっていたりします。そうなると船は大揺れ。少しでも気を抜いたら海に放り出されてしまいます。そんな船の上で作業するのは大袈裟ではなく命がけなので、漁師さんたちはとても空模様に敏感です。

 

 まだ私が漁師さんたちと知り合ったばかりの頃、穏やかな空を見ながら「もうすぐ風出て来るなぁ。」と言った漁師さんと、その十数分後、本当に海が荒れてきたのを見た時は、映画のワンシーンを見ているようでした。そんなふうに常に空模様に神経を配りながら波が高くなる前に作業を終わらせて丘に戻ること=自分の命を守ることなので、海の上での漁師さんは常に緊張感をまとっているんです。

  それともう一つ。船にはたくさんの機械が積んであり、それを使って作業するのですが、その機械の音と船のエンジン音がかなりうるさいため、大きな声を出さないと相手に届きません。そして気を抜くと指がちぎれたりする大事故にも繋がります。

 

石巻市 漁村留学 漁師5

牡蠣を海から揚げてくるのに機械は必須(昔は人力で揚げていたそうですが。すごいなぁ)。

 

 

 天気と向き合い機械を操作し自分と乗組員の命を守る。そんな様々な緊張感の中で仕事をしているので、丁寧な言葉遣いよりも「大きな声で端的に」ということが優先された結果、「何やってんだ馬鹿!!」「そうじゃねぇよどいてろ!!」というような一見乱暴な言動に繋がっているんです。そんな船上での戦いが終わり合羽も長靴も脱いだとき、それは、ずっとまとっていた緊張感も一緒に脱いで、やっと気が休まる瞬間なんです。

 

石巻市 漁村留学 漁師6

海上では常に空模様に神経を配る。

 

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そして陸に戻ってくるとこの表情。

 

 

 普段怖そうな漁師さんですが、こんな風に親近感がわくような一面を意外とたくさん持っています。長く漁師さんたちと関わっていると、そういう意外な一面と出会うたびにクスッとしたりほんわかした気持ちになったり、ますます浜や漁師さんたちのことが好きになって行くんですよね。そんなこんなでいつの間にやら私が浜と関わりはじめてからもうすぐ3年が経とうとしています。これからも漁師さんたちにはほっこりクスリとさせてもらう予定です^^

 

そんな愛すべき漁師さんたちのお手伝いをしながら一週間浜に滞在する

「イマ、ココ プロジェクト。」の詳細はコチラから

 

石巻市 漁村留学 漁師8

 

 

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