沖縄の地域行事はすごい

2016/04/07

 

 はいたーい!(沖縄のあいさつ「はいさい!」は男性の使う挨拶だったようです…最近知りました笑)お久しぶりの投稿になりました。今日の記事は茨城出身の私が感じた「沖縄の伝統行事はすごい」についてお伝えしますね。

 

なにがすごいか・・・

 

豊年祭

シーシーと呼ばれる獅子が登場する豊年祭。迫力満点です。

 

 

その①練習量がすごい

 

 “豊年祭”という五穀豊穣に感謝し、地域の人々の健康を祈願する行事について。もちろん私は今年が初参加。豊年祭の日程が決まると、演目と演者を決定する会議が行われ、その次の日から練習がスタート。その練習は1ヶ月間、土日を除いて毎晩行われます。私の地元茨城のお祭りは、2~3ヶ月前から日曜など週1でした。なぜ1ヶ月前から急にやるかというと、その前にもいくつも行事があるからです。正に短期集中型。すごい。

 私は仕事を19時に終え、20時からは地域の公民館で練習。練習が終わるのは毎回ほぼ22時。そんな毎日で心が折れそうになりましたが笑、練習中に食べ物や飲み物の差し入れがあったり、夜遅いのに80代のおばあが練習していたり、おばあ達から厳しい指導が入ったり。地域の人にとってとても大切な行事ということが良くわかりました。そうした練習にへこたれずに参加し続けていると、いつの間にか皆さんから顔も覚えてもらい、名前で呼ばれるようになっていました。こうして地域の人と人との関係がつくれられていくのですね。

 

三線・たいこの生演奏付

豊年祭の様子。三線・たいこの生演奏付です。

 

集落を練り歩き

こんな風に踊りながら集落を練り歩きます。

 

 

その②長さがすごい

 

 いつ始まっていつ終わるのかが分からないくらい、長いです。朝から夜まで。そして年間で一番大きな行事の豊年祭は2日がかりでした。

 豊年祭前日は青年たちが各家を巡り、歌ってカチャーシーを踊る行事が夜遅くまであり(終わって家に着いたのは日付を越えていました)、翌日の豊年祭当日は、集落の拝所やがじゅまるの前で踊り、道じゅねーという練り歩きがあり、ようやく公民館で始まりました。演目は20曲近く。70名程しかいない集落でこんなに大きな行事ができるのは、本当にすごいです。結局私は豊年祭で3曲踊りました。演目の間には移住して3ヶ月で3曲も踊った!と司会の方に紹介して頂いたり、夫婦そろって挨拶させて頂いたり。私にとっても愛着のある行事になりました。

 長さでいうと、忘年会も長いです。朝集合し、ゴミ拾いや地域清掃をし、一旦解散。昼後に再集合し、グランドゴルフ大会(80代のおばあがホールインワンを決める)が行われ、その後片付けをしながら夜の会の準備。そして夕方から宴会が始まります。食事や区長さんが用意して下さった一年をふりかえる行事のスライド、ビンゴ大会、最後にはカラオケ大会が始まります。この日も家に着いたのは日付を越えてからでした。行事が長いです。

 

道じゅねー

旧暦のお盆にの道じゅねー。わんさか大浦パークの前でエイサーが行われました。

 

 

その③数がすごく多い

 

 集落によって様々ですが、私の住む集落はほぼ毎月何かしらの行事・地域の集まりがあります。久志地域の行事で、私の独断で思いついたものをざっと書き出してみます。

 

4月:清明祭(方言で言うとしーみー)…ご先祖様のお墓に親戚が集まって、お線香やお花、重箱料理をお供えして供養をするお祭。沖縄の人はお墓の前でピクニックをすると聞いたことがありますか?それです。あるお墓にはこの日のために水道とガスがひかれているとか。すごい。

 

5月(旧暦の4月):悪虫払い(方言で言うとあぶじばれー)…その名の通り悪い虫を追い払う行事。害虫を葉っぱで作った船に乗せて海に流す。

 

6月:ハーリー大会…ハーリーと呼ばれる沖縄の伝統的な船を10名程で漕ぎ、競争する大会。豊原や辺野古という集落では集落単位で大会が開かれています。

 

7月:綱引き…沖縄のお米は7月に収穫できます。その収穫された稲をつかって綱を編み、大きな綱で綱引き大会を行います。嘉陽という集落では、集落を西と東に分けて対抗戦を行います。

 

綱引きの様子

綱引きの様子。綱の太さにご注目ください。砂浜で行います。

 

8月(旧暦のお盆):豊年祭…五穀豊穣を神に感謝するお祭り。前述の通り、すごいです。

 

9月:ウシデーク…健康や豊作を祈願して女性が踊るお祭り。

 

ウシデーク

ウシデーク。がじゅまるの木の前で踊ります。

 

11月:二見情話大会…久志地域内の二見という集落を唄った民謡があります。その民謡を出場者が歌うという行事が二見情話大会です。今年は20組近い出場者がいて、歌・三線・衣装・ペア度で審査員がポイントを付けて、大賞を決めます。ちなみに今年は私達夫婦も出場してみました。地域の人、地域外の人、小学生から90代のおばあまで、みんな歌える、愛されている民謡です。

 

二見情話大会

私が出場中の二見情話大会です。

 

12月:忘年会…上述しましたが、朝から夜まで1日かけて忘年会をします。忘望年会と表記していました。悪いことは忘れて、希望にあふれた年にしましょう、ということらしいです。こういうところが沖縄らしいです。

 

1月:ドウドイ…久志という集落にはドウドイという、子宝祈願のお祭りがあります。男性が太い木の上に跨って乗り、それを担いで集落の公民館まで練り歩くという、なんとも特徴のあるお祭りです。写真がなくてごめんなさい。

 

2月:旧正月…沖縄の行事は全て(といっても過言ではないほど)旧暦で日程が決まります。カレンダーは旧暦が入っているものがほとんど。「旧正月だから…」と予定が入れられないほど、沖縄にとってのお正月です。親戚が集まったりお墓参りをしたり。1年の平穏を祈願する川拝み(かわうがみ)もこの時期に行われます。沖縄と言っても2月は寒いです。寒い中、外の川沿いでおばあたちが拝みをします。伝統的な行事を大切にしている姿が見られました。

 

3月:フラワーフェスティバル…沖縄の3月はたくさん花が咲く季節です。地域を挙げてフラワーフェスティバルを行っています。至る所で花を植えて、個人のお家ではオープンガーデンという自慢のお庭を開放する行事も行っています。

 

フラワーフェスティバルオープニング

フラワーフェスティバルオープニングの様子です。

 

 沖縄にはこのように行事が多くあり、特に久志地域には集落ごとの伝統芸能が大切に継承されています。その伝統行事の意味を知ると、沖縄の人々が自然と共に暮らしてきた背景がよく分かります。沖縄に移住してもこんな風に集落の行事に関わることのない方も多くいるそうです。田舎だからこその良さ、大変さもありますが、こうして地域の今の世代とも過去の世代ともこれからの世代ともつながることのできる伝統行事、私は大切にしていきたいと思います。

 

 

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