失敗しない移住とは?沖縄やんばる移住体験ツアー
2016/07/19
- 執筆者 坪松美紗
- 所 属久志地域交流推進協議会
はいたーい!今回も沖縄からお送りします。このいなかパイプの記事を書いている方で移住について記事を書いている方もいますよね。とても参考になります。せっかく移住するのに、失敗したくない…私もそう思っていたひとりです。東京で暮らしてた頃、何度も「沖縄 移住」とネットで検索していました。すると、出てくる出てくる失敗談…。おそろしくなりました。移住する前の不安を煽ってしまうだけでした。
不安になるような経験をなるべくしたくない。ネットの情報だけじゃ分からない。本当は自分の目で見て確かめたい!だけど知り合いがいる訳じゃないから行きづらい…
そんな移住前の悩みを解決すべく!私達久志地域交流推進協議会は「移住体験ツアー」を実施しました!その記録を書きます。移住したい!と思っている方、移住者を受け入れたい!と思っている方、参考になったら、役に立てたらうれしいです。
P1
移住体験ツアー、募集対象は?
ツアーを実施するにあたり、私達の役割は「地域」と「移住希望者」のマッチング。ということで地域の代表である久志地域の区長さんにアンケートをとりました。移住者を求めている地域、求めていない地域、小さな地域でも様々です。移住者を求める地域の方々と話をすると地域の課題を「子どもがいない」「人がいなくて地域行事ができない」「活気がない」などなど。ということで、「地域に積極的に関わりたい!と思っている若者!」を対象にすることにしました。
実際の参加者は?
募集してみて集まったのは、幼い子どもがいる親子、夫婦、子どもがもう大きくなっている方、仕事を早期退職して第二の人生を考えている方など、なんと多種多様。考えていたツアーで大丈夫かどうか再検討したり、求めていそうな情報を収集したり。また暮らしを知ってもらい、地域で暮らす方に実際の暮らしの声を聞いてもらいたいと思い、民泊もプログラムに入れていました。民泊の受入家庭の方と誰がどのお家に民泊するかもよくよーく考えました。実施前はバタバタでした。
移住体験ツアーの内容・実施の様子
まず、空港でお出迎え。事前に旅のしおりを送って「この旗を持って待ってます!」と目印を案内していたので、スムーズに会えました。7名の参加だったので、ジャンボタクシーを利用して、空港から名護市へ移動。移動中はオリエンテーション。自己紹介や参加動機を伺いました。少し車に酔ってしまったお子さんがいましたが、道の駅許田でタンカンを買って食べたらすぐ元気に。ほっとしました。車移動なので、地理を案内しながら移動します。名護の地理感を伝えることができました。
名護についたらまず道の駅許田です。名物ガイドさんにもお会いしてざっと沖縄県北部についてご案内。沖縄県全体の話から、北部の話をしたところで、いよいよ名護市の町の中に入っていきます。
名護市は西側と東側に渡る北部の中では唯一の市です。私たちの住む東海岸と、反対側の西海岸とでは雰囲気が違います。西海岸側は栄えています。ホテルや沖縄県外でもよく見られるチェーン店もあったり、大きな漁港・市役所・警察署などもあります。産直野菜のあるマーケットにも行きました。
一通り名護市内を巡ったところで、いよいよ私たちの住む東海岸の久志地域へ移動します。山を越えるので遠いように感じますが、車で約15分。「意外と近いですね!」という声が聞こえました。最初の移住で本当に都市部から遠い田舎への移住もありですが、久志地域のように市内にもほどよく近いことも、今回のツアーで伝えたかったところです。
わんさか大浦パークへ到着後は、名護市の職員の方から概要紹介。ツアー参加者のお子さん達はさっそく砂浜で遊びます。
説明の後は、民泊受入家庭の方がお迎えに。受入家庭の方とご対面し、それぞれのお家へ移動します。お家では暮らしのこと、食べ物のこと、家族のことなどなどたくさんお話しされたようです。各家庭で料理体験をしたり、お子さんがいた家庭では差―たーアンダギーづくりをしたり。お酒を買いに地域の共同売店まで散歩をして、近所の方と話をしたり。なかなか普段の旅行では味わえない時間を過ごしていました。
翌日は、久志地域散策。久志地域には13の区があり、南から久志・豊原・辺野古・二見・大川・大浦・瀬嵩・汀間・三原・安部・嘉陽・底仁屋・天仁屋です。今回のツアーは移住体験なので学校や保育園、仕事の紹介ももちろんしましたが、地域の文化的な場所から自然が素敵なところ、そこの地域の人たちとのふれあいをこのツアーのプログラムに入れました。観光とはちょっと違う「地域のありのまま」を知れるツアーです。
沖縄県内至る所から拝みに来られる人がいる久志観音堂。金融・IT特区では仕事の募集があることを紹介しました。豊原の海岸は地元の人しか知らないので貸切。辺野古の社交街、基地のゲート前を通り、二見へ。公民館で一休み。大川の我那覇畜産、大浦のマングローブ、瀬嵩では保育園。海岸がすぐ近くのこの保育園は、お散歩で海岸に行けます。汀間には緑風学園という公立の小中一貫校があるので見学もしました。
三原では山奥にある喫茶店でお昼を食べ、ちょっと近くのハブ取り名人のところでハブ見学。ハブ酒を買っていく参加者の方もいました。安部にあるリゾートホテルでは様々な職種の仕事を紹介頂き、嘉陽では美ら島自然学校という廃校利用をした環境委教育施設に行きました。底仁屋では私の記事ではお馴染みの島袋正敏さんの蔓草庵へ。夕方になってきた天仁屋では、絶景の丘へ。一同感激。「ここに来られてよかった」そんな言葉がぽろっと出てくる一面も。
全ての写真は紹介しきれないけど、一部ご紹介。
夜は嘉陽の公民館で大交流会!区長さんから民泊受入メンバー、市の職員の方も、地域の方々も、30名近くが集まりました。嘉陽の区長さんから地域行事の紹介も。その多さにびっくり。沖縄ならではの飲み会になり、最後は全員挨拶も。心温まる素敵な会になりました。
最終日にはふりかえりをして解散となりました。ふりかえりでは「地域の実情も知った上で移住を考えることが大切」「民泊で受入家庭の方と移住について相談したり頼れたりする関係を築けてよかった」「もっとこの地域を知りたくなった」という良い声から「住宅情報・仕事情報を紹介してくれる専門の人がいるとよかった」「ニーズ別にツアー内容を検討してもよかった」「他のお家にも民泊してみたかった」などの声も聞けました。
なんと実際にこの移住体験ツアーに参加された方が3月末からこの地域に移住されています。このツアーはきっかけでしかないですが、きっかけさえあれば、地域の方とのつながりでこうした関係づくりもできるということを実感しました。過疎高齢化が課題の地域だからこそ、これからもこの取り組みに力を入れていきたいと思います。沖縄移住を検討されている方!是非ご一報くださいね。