10年後の日本の魚を担うまち。
こんにちはー!Eyes竹下です。
お盆も過ぎるとあっという間に秋らしくなってきましたね~。
去年まで仕事仕事であんまり松山から出なかった私は
今年、四国中の海に山に川にと「視察」と称して(笑)
いや、視察もしたけど!津々浦々楽しみました♪
みなさんはどんな夏でしたかー?
さて今日は愛媛が誇る南予・宇和島の漁業について語ります!
都市部の方からは
「宇和島?・・・ってどの辺の島?」ってよく言われますが、
あいさつ文句、宇和島は島ではありません!
人口8万人を超える立派な市です!
とはいえ、人口は毎年1000人ずつ(市内の高校生約1学年分)が
減少しているまちです。
▲養殖いかだがたくさん浮かぶ宇和海。
今も日本のシェア率で首位争いをするほどの
真珠や鯛の養殖業で有名な街です。
鯛に限らず、養殖業の生産額で言うと今も日本一!
年間600億近い生産額の3割近くを宇和島の養殖業者さんが
担っています。
これだけでは「へ~。」くらいの感覚かもしれませんが
みなさんは日本の漁業全体においての総生産量ってご存知ですか?
つまり日本がどのくらい、魚や海産物を国内で産出できているかですね。
これが約20年前の平成4年の頃は約1000万トンあったのが
今ではその半分以下、約500万トンくらいしか生み出せていない現状です。
そうです。
日本は魚を食べる国のはずなのに、
食卓に並んでいる魚が昔に比べ半分以下になっている!!
じゃあこれから先10年後はどうなるのか…??
これだけ「安心・安全」「国内産」が叫ばれている中、
魚の未来は誰も危機感を持っていな―――い!!
「安心・安全」といえば、
これもよく養殖業者さんとお話することですが、
どうして豚や牛はみんな養豚されたものを食べ、野生なんて食べようとも
しないのに、(あ、こないだ四万十ではイノシシ食べてましたね。笑)
魚は「養殖」より「天然」を選ぶのか?
考えてみれば・・・っていう感じしませんか??
色々調べたりヒアリングしてみた結果、
「昔の養殖業のイメージがそのまま根付いているからだ!」という
ことにたどり着きました。
おそらく、海水が生活排水などの問題がなくまだキレイで
自由にイキイキ育った天然魚と、
網で囲い、無理やり餌を食べさせて太らせた養殖魚のイメージ
が強いのでは…?と。
今の養殖魚はそんなもんではないんですよ~!!
魚たちがいる環境はおしこめられた網の中ではなく
1匹ずつにきちんと区画が与えられ傷つけ合うこともなく、
エサも「我が子よりもいいもん食べさしとる!」とおかみさんが言う
くらい栄養バランスが取れているペレットタイプのエサ。
▲養殖業現場の様子。温度・水質のデータ管理などもPCを使い細かく行う。
どんな水質で、どんな魚介類やプランクトンを
食べているかわからない天然よりもずっと安全!!!
宇和島の保育所や施設ではすでに養殖魚がたくさん使われています。
そんな養殖魚のイメージを変えていく動きを、
これからどんどんしていかねば!と地元では動き始めています。
また最近ニュースでも話題になっていますが、
(都市部では取り上げられてないかも!?)
今年の赤潮被害は例年にないほどで、
養殖業の方々も、困り果てています。。
▲実際の宇和海を襲う赤潮の様子。鯛は全く出荷できない状態になる。
「養殖業なんてバクチやで。
赤潮が来てしまえば、ビニール貼ることも守ってやることもできん。
ただ、育ててきた魚がダメになっていくのを見るだけや。」
とは、宇和島市遊子地区の養殖業者さんの言葉。
自然には太刀打ちできないのは農業も同じですが、
その点以外で、ビジネスとして形作っていかないと
後継者問題も解決しません。
ここまでのお話では深刻な地域の課題を綴ってきましたが、
とはいえ、宇和島の鯛が本当においしいのは確かで、
その味は全国に広めたいし、日本の食を担っているとも言えます!
ぜひ宇和島の鯛、一度食べに来てください♪
そしてその味、価値を一緒に広めましょう~!!
▲南予の鯛めしは刺身で食べる!イタリアン風のリゾット鯛めしも…♪
【こんな活動もしています!】
■地域イノベーター養成アカデミー受入れ http://academy.etic.or.jp/fw/363
すでに募集は終了していますが、都市部の若者と宇和島のみなさんとのコラボが楽しみ!
■遊子漁協女性部 http://www.yusu.jp/set_bbs2.html
養殖業者さんのおかみさんたちで担う女性部。キッチンカーを出動させ、
各地で鯛や特産品を売り、地域に仕事を生み出している素敵なチームです!