市民がキラキラ笑顔になれる「新春きものパーティー」!
- 執筆者 福嶋美佳
- 所 属特定非営利活動法人地域おこし
2017/05/04
こんにちは。NPO法人地域おこしの福島美佳です。
私が住む、新潟県十日町市は「魚沼産コシヒカリ」や「大地の芸術祭」で有名な場所ですが、かつては京都・西陣と並ぶ織物の一大産地で、「きものの街」としても知られています。
残念ながら、着物需要の低迷でかつてほど華やかな産業ではなくなってしまいましたが、現在でも着物に触れる機会はたくさんあります。
例えば5月3日には、成人式に合わせて「きものまつり」が行われ、晴れ姿の新成人や市民のパレードなどで賑わいます。十日町の親善大使は「十日町きもの女王」で、十日町産の艶やかな着物をきて各地で十日町をPRしてくださっています。
市民の生活にも着物は根付いていて、入学式や卒業式、結婚式などに着物を着るのはもちろん、納涼会といった会の時でも着物姿を見ることは珍しくありません。
「きものまつり」は雪国に春を呼び込む、華やかなまつりです。
とはいえ、着物は高級で敷居が高いイメージ。そんな着物をもっと気軽に、若い人でも身近に感じて楽しんでほしい、という思いで、7年前から市民主体で開催されているイベントがあります。
その名も「新春きものパーティー」。私も今回、なんと司会という大役で関わらせていただくことになりました。
関わる人たち一人一人が楽しみ、輝いているこのイベントを、ぜひ紹介したいと思います!
ショーの衣装もみんな手作り!
今年の「新春きものパーティー」では、能楽師の舞の披露やバンド演奏などアトラクション満載ですが、中でも一番盛り上がるのが「きものリメイクファッションショー」。
お婆ちゃんやお母さんが昔着ていた着物、汚れてしまった着物など、タンスの中で眠っている着物をリメイクした衣装を、市民モデルが着てランウェイを歩きます。
ショーの衣装は、全て手作り! 週に一回集まって、みんなでワイワイ言いながら作っています。衣装制作メンバーの多くは、小さなお子さんがいるママ。今までミシンを使ったことない! という方も、教えてもらいながら一生懸命制作しているそうです。
出来上がった衣装を見ていると、洋服だとけばけばしくなってしまう派手な柄や色使いでも、リメイク衣装だとまったく違和感がないから着物って不思議です。
衣装制作リーダーの陽子さんに、着物をリメイクする難しさは? と尋ねたところ、「着物は幅が決まっているから、洋服みたいにメリハリをつけるのが難しい」と教えてくれました。
眠っていた着物を再度輝かせられるよう、いろんなアイディアを出しながら制作している皆さんは、本当に楽しそうでした。
素人モデルも堂々とパフォーマンス!
さて、いよいよ本番当日! 司会という大役を仰せつかった私も、当日はとっても素敵な着物を着させていただきました。
もちろん、この着物も十日町で作られたもの。今風のとっても可愛らしいデザインですよね。襟の部分に蜂が飛んでいて、遊び心があります。
しかしなんでしょう、この溢れる「女将感」…笑
もう1人の司会の柳さんは、今回で3回目なので大変頼もしかったです! スタッフメンバーからも、会場のお客様からも、「2人の司会上手だったよ!」と誉めていただけたので、本当に良かったです。
まぁ私のことはさておき…。「新春きものパーティー」はスタッフやモデルの皆さんの努力の甲斐があって、大成功! 約250人の方が市内外から来ていただき、大変盛り上がりました。
さすが着物のまちだけあって、6~7割近いお客様がお着物で来てくださいました!
きものリメイクファッションショーに出演したモデルの皆さんは、1歳のお子さんからご年配の夫婦までと幅広い年齢層。みんな素人のボランティアモデルとは思えないぐらい、堂々としたパフォーマンス!
衣装は、普段も着られそうなカジュアルな装いもあれば、特別な時に着たいフォーマルなドレスもあり、バリエーション豊か! 特にウェディングドレスが登場した時は、会場の皆さんがどよめきました!
写真からも伝わってくる通り、モデルの皆さんは、みなさんニコニコしてランウェイを歩いて、とってもキラキラ輝いていらっしゃいました!
出演者もお客さんもスタッフも、みーんな笑顔で、こんなに幸せな空間ってあるんだろうか! と感動しました。
このイベントの素晴らしいところは、タンスに眠っている着物をリメイクすることで新たな価値を与えて、スポットライトをあてたことはもちろん、なにより、準備・運営をすべてボランティアが行っているということ!
誰かに言われたからやっているのではなく、みんなが自ら楽しんでやっているからこそ、多くの人が集まり、関わった人みんなが楽しめているんじゃないかな、と思います。
市民がキラキラ笑顔で輝いている十日町は、やっぱりいい街だ!! 改めてそう感じた一日でした。
(photo by 高橋剛、春日徹、服部悠希)