子猫を保護して知った、いなか暮らしのペット事情

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執筆者 高濱望
所 属GUESTHOUSEオキオカ

2021/07/15

 高知県四万十市の たかはまのぞみ です。

 

 ところでみなさんは犬派ですか? 猫派ですか?

 私はどちらも同じくらい好きなんですが、残念なことに猫アレルギー・・・。猫と同じ部屋にいるとくしゃみと鼻水が止まらないという悲しい体質です。

 そんな私の住む一軒家で、事件は起こりました。

 

 ある朝、いつも使っていない部屋に物をとりに行くと、天袋の戸の向こうから何やらガサゴソと音がするじゃありませんか。
 明らかに、なにか獣がいる気配。ネズミかな、と思いましたが、それにしては大きい感じです。

 思い切って戸を開けると、そこにはなんと近所の飼い猫が! しかもこちらを威嚇してきます。

 恐る恐る覗き込んだら、猫の下に、うごめく小さな影・・・・・・1、2、3、4、5匹の子猫でした。 

 

 とりあえず天袋で育てられると困るのでなんとかしないといけません。

 猫を飼っている友人に電話で相談したら、毛布を敷いたダンボール箱に子猫を移してあげるしかないとのこと。

 猫アレルギーなのでマスクと手袋をして、母猫に威嚇されながら子猫4匹を保護しました。

 

子猫たち

 

 さて、本来なら母猫の飼い主に連絡するところですが、実はご高齢の方の中には生まれたばかりの子猫を川へ流して捨ててしまう人がいます。

 今は許されることではありませんが、昔はそれが当たり前で、哀しいことに未だにその価値観が残っているようです。

 飼い主に見つからない場所で母猫が無事に猫たちを育てきったとしても、野良猫が増えてしまうだけです。かといって猫アレルギーの私が飼うこともできず・・・。

 

 またまた猫を飼っている友人に相談したら、里親が見つかるまで子猫4匹を育ててくれるというやさしい方につなげてくれました・・・!(連絡してみたら知人だったという田舎の狭さよ・笑)

 私は知らなかったんですが、生まれたばかりの子猫ってミルクを自分で飲むことができないので、3、4時間おきに哺乳瓶でミルクをあげないといけないし、排泄も自分でできないので、ティッシュで定期的に撫でてあげて排泄を促してあげないといけないそうです。

 人間の赤ちゃん並みに手がかかる!! しかも慣れていないとミルクを飲ませるのも一苦労。命を預かるって大変です。

 それだけ手間と時間のかかることをボランティアでやってくれていて本当に頭が下がります。私にできることはせめてミルク代をカンパすることくらい。

 

ミルクを飲む子猫

 

 2時間くらい一緒に過ごしただけですが、引き渡すのが惜しくなるほど可愛かったです。

 ちなみに母猫は子猫1匹だけ連れて屋根裏へ逃げ込んでしまったので、その子だけでも母猫が元気に育ててくれることを祈るばかり。

 

 さあ、そして里親も早く探さねばなりません!

 何匹もの子猫をお世話し、里親探しをしてきた友人いわく、里親探しは子猫のうちが勝負、とのこと。

 現実的な話、小さくて可愛いうちの方が貰い手も見つかりやすいのだとか。なるほど。

 早めに動くべし、ととりあえずSNSで拡散をはじめました。というのも、この子猫をお世話してくれている友人宅にはさらに翌日、2匹の子猫がやってくることがすでに決まっていたのです。つまり、合計6匹の子猫の里親探し・・・。

 果たして見つかるだろうか、と最初は不安でしたが、1週間と経たずに5匹それぞれ貰い手が見つかり、この原稿を書いている現時点で残りの1匹もお問い合わせが入っている状態です。

 ほっと一安心。猫好きのネットワークを使って一生懸命探してくれた友人たちにも本当に感謝です。

 

子猫

 

 たまたまうちの屋根裏で起こった出来事をきっかけに、これもご縁だと思って奔走しましたが、今まで知らなかったことを知る良い機会にもなりました。

 今の時期は特に、子猫の里親探しがとても多いそうです。そんな中で少しでも命がつながるように、と活動している人たちがいること、心強いです。

 とりあえず、飼い猫は不妊去勢手術をしましょう! 野良猫を一時的に保護して手術してリリースする活動もあるそう。

 

子猫

 

 猫アレルギーの私が、こんなにも猫と触れ合う機会を持てたことも実は嬉しかったです!

 なるべく触らないように避けていたのですが、換気のいい場所で触った後にすぐ手を洗えば大事にはならないことも発見しました。でももう屋根裏で産むのはやめてね。

 猫が屋根裏から出て行ったら穴を見つけて塞ぐというミッションが残っています。

 

 ちなみに、移住支援のスタッフとして活動する中で実感していることですが、最近、移住してペットを飼いたいという要望はすごく増えています。

 都会の賃貸物件でペットを飼うことは難しいので、せっかく田舎に住むなら犬や猫を飼いたい、という気持ちはよくわかります。時々、ヤギやニワトリ、馬というご希望もありますが。

 ご高齢の大家さんの場合、ペットは外で飼うもの、という感覚が強いので、家の中で猫や犬を飼ってもいいよ、という空き家が少ないのも実情です。交渉次第な部分もありますけども。大家さんとは良い関係性を築いていきたいですね。

 

 今回の猫騒動で、私もなんだかペットを飼いたくなってきました!

 でも、屋根裏にネコ、軒下にスズメが住んでいて、庭や畑にはハクビシンやタヌキやサルが夜な夜なやって来るので十分な気もしています。

 

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