マンボウ
2012/10/26
- 執筆者 清岡晃司
- 所 属企画・ど久礼もん企業組合
3回目の投稿になります。
ど久礼もんの清岡です。よろしくお願いします。
いや~。ネタがない・・・。
ないのではなく、編集力がない。写真もない。
ないない、言っていても、しょうがないので
頑張って書かねば。
ということで、言い訳もそれぐらいにしておいて、
今回も前回に引き続き、漁師のときに喰った「うまいものベスト300」(増えてるやん!)を
ぐっと圧縮して、1つ紹介いたします。
【マンボウ】
うっマンボウ。チャッチャッチャチャッチャ♪
なんて、昔テレビで誰かがネタをしていました^^
▲画像1.優雅に泳ぐマンボウ
水族館では、けっこうおなじみのマンボウですが、
当時の私は水族館に行ったことがなく、
当然、生のマンボウは海の上で初めて見ました。
私の乗っていた船(盛漁丸)の漁師たちは、
親父を筆頭に無類のマンボウ好きだったので、
マンボウをみると、カツオを追いかけるのをやめてまで、
マンボウの捕獲に全力を注いでいました。
一言で「マンボウの捕獲」といっても、カツオを釣るより難しく、
そもそもマンボウを見つけることこそ奇跡的なことなのです。
※ちなみに、私が漁師をしていた3年間で2匹しか捕獲できませんでした。
マンボウは、生息水深を一定させず、
表層から水深800m程度までの間を往復していると言われています(ウィキ調べ)。
まれに海上に姿を表します。
といっても、下の写真のようにヒレだけが見える状態です。
▲画像2.サメのようにヒレだけを見せて泳ぐマンボウ
だだっ広い海の上で、マンボウをみつけると、
「マンボウじゃ~」と見つけた漁師さんが叫びます。
すると、船全体に緊張感が走ります。
すぐさま、舳先(船の前方)に走って「銛(もり)」を用意します。
船頭は、マンボウを見失わないように眼鏡をしっかりと持って睨みを利かします。
そして、船の速度をスローにしてゆっくりとマンボウに近づきます。
しかし・・・。
マンボウは臆病で警戒心が強く、すぐに海の中に潜ってしまいます。
ここからが、勝負です!!
船を止めて流します。船方が全員で眼鏡を持ち、ず~っと海の上を探します。
一度潜ったマンボウは、しばらく海上に姿を表しません。
下手すると、そのまま深海に潜って、どこか遠い所へ移動してしまう場合があり、
時間をかけて探しても二度と見つけることができません。
それでも、海の男は待ちます。(盛漁丸だけかも?)
マンボウに出会えることを夢見て!!
そんなこんな感じで、運良くマンボウを見つけて銛で突くことができれば
一安心・・・とはなりません。
マンボウは大きいので、船に上げるまで一苦労です。
私が初めて捕獲したマンボウは、たたみ6畳分ぐらいありました。
▲画像3.もっと大きかったかも・・・。
そこまで大きいものになると、
大人6人がかりでも、手作業で船にあげることができません。
そのとき、私が見たものは・・・。
なんと、船の上ではなく、海の上でマンボウを捌くのです。
2~3名の漁師さんが、マンボウを捌く漁師さんの体をしっかり持って、
それでも海に落っこちそうになりながら、海の上で捌いたのでした。
その光景は、まさに海人。
海の生命から恵みをいただくことを生業としている男たちの光景。
ということで、船で食べる分だけ捌いて、後は海に放流。
私たちは美味しくいただきました。
その時のマンボウは、きっと他の魚の命の恵みになったことでしょう。
ありがとう!!マンボウ!!
▲画像4.マンボウを美味しく食べるためには肝が必要!!
今回は、「うまいものベスト」というよりは、「マンボウの捕獲」というテーマになってしまいました。
最後まで読んでいただいた皆様。申し訳ございません。
ちなみに、マンボウの料理は、肝と味噌で味付けをした煮込みです。
マンボウの身は、すごく水っぽく、鍋いっぱい煮込んでも、
半分ぐらいに縮んでしまいます。さらに、独特の臭みがあり、美味いかどうかは人それぞれです。
とても鮮度に厳しい魚なので、一般の流通に出回ることは、
ほとんどなく、本当に美味しいマンボウが食べられたのも漁師をしていたからだと改めて思いました。
今回も記事を書きながら、読者の皆さまに美味しさを伝えきれず、
自分だけが記憶の中でヨダレを垂らしています。
いつか、頭の中のイメージを上手に表現できるよう
これからも「いなかマガジン」の記事を一生懸命、書いていこうと思います。
今後とも、よろしくお願いします^^
画像1:寿司と地魚料理 大徳家
http://www.awa.or.jp/home/kkk/manbo.htm
画像2:なんくるないさぁ~
http://blogs.yahoo.co.jp/kunta542003/3668474.html
画像3:恩納村ホエールウォッチング協会
http://kujira.ti-da.net/e3013113.html
画像4:三重県尾鷲県民センター
http://www.pref.mie.lg.jp/OKENMIN/HP/ichigyo/kyounosakana/detail.asp?ymd=20090423