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いなかインターンシップ

居心地の良い場を整え、コミュニケーションを大切に

えびす屋女将 本田麻也さん

御宿ゑびす屋
女将 本田麻也さん

 仕事を探す時、仕事内容や待遇、条件で決めるというやり方があります。一方、「なにを」やるかではなく「だれと」働くか、という決め方もあるように思います。
 少人数の職場では、いろんなことをやる必要があります。その分、自分で考えて動いて、その結果がダイレクトに感じられる面白さがあります。

 「御宿ゑびす屋」のインターンシップでは、女将と一緒に、お客様にとって居心地の良い場を整えることを学べます。人が好き、温泉が好き、料理が好き、いろんなことをやってみたい、気が利くと言われるようになりたい、少人数の職場でのびのびと働きたい。そんな人にオススメです。

大分県別府市

 

天然硫黄泉の香り漂う明礬エリアの温泉宿「御宿ゑびす屋」

 まずは「御宿ゑびす屋」の紹介から。別府駅から車で20分の山手に明礬温泉「御宿ゑびす屋」があります。
 温泉好きで知らない人はいないであろう「大分県別府市」。その中でも明礬温泉は特有の天然硫黄泉があるので、街には独特な硫黄の香りが漂っています。

温泉旅館ゑびす屋

 宿には、日帰り入浴ができる「湯屋えびす」を併設しており、宿泊のお客様は広々した温泉施設をゆっくり利用することができます。
 「御宿ゑびす屋」は老舗旅館ですが、今年1月にリニューアルオープンしたばかりの、いわゆる旅館っぽくない開放感のある佇まいです。

ゑびす屋

 明治7年に創業(今年で145年目!)。ひいおじいちゃんの夢に七福神の一人「恵比寿天」が現れ、「人が集う場所をつくるように」というお告げがあり、それが「御宿ゑびす屋」の由来となりました。客室には七福神の名前がつけられています。

温泉旅館ゑびす屋

 

子ども服のパタンナーから女将に転身

 まずは女将がどんな人か紹介したいと思います。女将の本田麻也さんは、いわゆる老舗旅館の女将っぽくない女将。動きやすい服装にエプロン、元気いっぱいで一緒にいると温かい気持ちなる、まさに「温泉のような人」。
 可愛いものが大好きで、東京の子ども服の会社で、14年間パタンナーとして働いていました。旅館を継ぐ気持ちはなかったけれど、旅館を経営していたお父さんが亡くなったため帰省することに。

 

「2〜3年して宿が軌道にのったら人に任せて東京に戻るつもりでした」

しかし宿業に関わり始めるとどんどん面白くなっていきました。

「子どもの頃から厨房でお皿をふいたり、キャベツを盛りつけたりしていました。今思えば親の背中をしっかり見ていたんでしょうね。特別に教えられたわけではないですが、女将業も自然とどうすべきかわかりました。」

と笑顔で話す女将はチャーミングです。

 結局、東京へは戻らずに、女将として宿を守っていくことを決意しました。

ゑびす屋 女将 本田麻也さん

 

地震による被災も乗り越えリニューアル

 2011年、突然温泉の蒸気が止まるというピンチに見舞われました。

「温泉を楽しみにしているお客様もたくさんいらっしゃいます。たくさんの方々に支えられながら、ひとつずつできることを考え行動しました」

 そしてあらたにボーリングをして蒸気が復活し、「これでやっていける」と思っていた矢先の2016年4月、熊本大分地震により建物が被災、再びピンチに陥ります。しかしそれにもめげることなく、2年8ヶ月をかけて修復工事を行い、2019年1月にリニューアルオープンしました。
 これらのことからもバイタリティーがあり、前向きな人であることが伺えます。

温泉旅館ゑびす屋

 

お客様とのコミュニケーションを大切に

 女将に仕事内容について教えていただきました。

「基本は接客です。宿に来た方に気持ち良く過ごしていただけることが一番です。接客全般の他に基本的な宿の業務があります。客室を整えたり、宿全体が居心地の良い空間になるように目を配ります。一部業者の方にも委託しますが、最終チェックはスタッフの仕事です。食事の準備や食堂での配膳も大切な業務です。また、慣れてきたら宿泊プランなどの企画もお願いしたいですね」

コミュニケーションスペース宝船

 話を伺ったのは、1階にある広々とした「コミュニケーションスペース宝船」。食堂を兼ねており、夕食や朝食はこちらで提供しています。大きなガラス窓からウッドデッキに出ることができ、中庭には新しくできた地獄釜があります。

 「地獄蒸し」って知っていますか?温泉の蒸気を利用して作る料理で、様々な食材をせいろに並べて釜の中に入れると、あっという間に蒸し料理ができます。将来的にはランチの提供も考えているそうです。

地獄蒸し料理

 

1日の仕事の流れや仕事をする上で気をつけることについてお聞きしました。

「業務の基本的な流れは16時からのチェックインでお客様をお迎えする準備から始まります。大切なことは一人一人に合わせた対応をすること。最初は難しく感じるかもしれませんが、お客様のことをよく見ていれば段々わかるようになるので大丈夫です。夕食の準備、玄関でのお出迎え、配膳、電話の対応などがあります。お客様とのコミュニケーションも大切です。」

 現在は女将がほぼ一人で上記のことをしており、今後は新しく来てくれる方と分担しながら居心地のよい空間づくりとサービスを提供していきたいと考えているそうです。やることが多くて大変そう、と思われるかもしれません。宿の仕事からは得られることが多い、と教えてくれました。

「はじめは誰でも未経験。仕事でわからないことはどんどん聞いてほしい。接客業をやっていると気配りができる人になれます。それは今後、結婚しても別の仕事をしたとしても役に立つことだと思っています」

忙しい時は地元の大学生がアルバイトで入ることもあります。これまでもたくさんの学生アルバイトにいろいろな経験をしてもらい、育ててきました。卒業した後も定期的に連絡をとりあっている人もいるそうです。

新しくできた地獄釜

 

大分の魅力をもっと知ってもらいたい

 何度もピンチを乗り越え、受け継いだ旅館を守り続けている女将。そこにはふるさと大分が好き、というシンプルな思いがありました。話の中で「まだまだ知られていない大分の魅力を全国へ発信していきたい」という言葉もあり、土地に根付いて生きる人ならではの強さを感じました。

 女将と一緒に働いてみたい方、温泉旅館の経営や接客を学びたい方は、まずは暮らしと仕事を1ヶ月間試せるインターンシップに参加してみてください!

 

募集要項はこちら

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