障がいのある方もない方も力を合わせて
株式会社ビザライ
谷口葵さん
沖縄県宮古島市は面積が204平方km、人口約55,000人の市。飛行機の直行便で東京から約3時間、沖縄本島から45分ほどのところにあります。
宮古島というと、海というイメージが強い方が多いかと思いますが、実は耕地面積の割合が高く、農業が盛んです。特にマンゴーの生産量は日本一となっています。
この地でマンゴー、レモン、パパイヤなどの栽培をしているのが宮原果樹園です。現在ここで、障がいのある方と関わりながら、栽培のお手伝いをしてくれるインターンを募集しています。
宮原果樹園は障がいのある方の就労支援などを行う株式会社ビザライの関連会社です。「ビザライ」という名前はBe the lightから来ていて、助けを求める人の希望や光となれるようにという意味です。
ここでは、家族のような長期的な視点から、障がいのある方を手助けし、いずれは自立し自分で生活を営めるように支援しています。
株式会社ビザライが障がい者支援の一環として、行っているのが就労支援。障がいのある方に雑貨をつくる仕事、お菓子をつくる仕事など様々な仕事を用意しています。宮原果樹園は、その就労先の一つとなっています。
現在宮原果樹園では、果樹園の責任者の谷口さんとアルバイトの方が働いていて、そのほかに日替わりで障がいのある方が働きにきます。
ビザライでは、就労支援している障がいのある方のことを利用者さんではなく、パートさんと呼び、障がいのない方と対等な関係をつくっています。
パートさんとのコミュニケーションにやりがいを感じる
宮原果樹園の責任者の谷口さんにお話を伺いました。
「元々母とおばが宮古島にいて、おばの子どもに障がいがあったので、心配で宮古島に来ようと思っていたところ、宮原果樹園の求人を見つけて、1年半前にここに来ました。
宮原果樹園の1年の流れとしては、春から夏前くらいまでに植え付けをして、毎日水やりをして肥料を入れます。その後マンゴーの収穫をしながら剪定をして、次の年に向けて枝をつくっていきます。冬は除草作業をしたり、1年の計画を立てたりしています。」
宮原果樹園では、マンゴー以外のものをほとんど無農薬栽培で育てています。
無農薬のレモンはなかなかないので、皮ごと使えることが評判で、市内の居酒屋さんやバーからも連絡があり、販路も広がってきているそうです。
「実ができたとき、収穫できたとき、パートさんとのやりとりにやりがいを感じますね。
パートさんで最初は話しかけても無視をする人も、通るたびに話しかけていると、向こうから『おはよう』と言ってくれたり、『こんなのやってみたいよー』と意思表示をしてくれたりします。そうすると、こっちも楽しくなってきます。
やらせるだけって結構しんどいじゃないですか。向こうもしんどいと思うので、向こうから言ってくれると嬉しいですね。
パートさんに『これ植えないの?』と聞かれてやってみるのも楽しいです。本人のやる気にもつながるので。
パートさんが来るたびに『花が咲いてるねえ』とか生育を一緒にチェックしています。
最近は宮原果樹園に来るのが楽しいと言ってくれるパートさんが増えています。
パートさんがどこに働きに行くかは当日に発表されるので、前日にいた人が次の日に来るとは限らないです。でも日が空いても、自分がやっていた作業を覚えていて、終わるまでやってくれると結構嬉しいです。
大変なことはたくさんあるし、今も枝がネットを突き破りそうなほど伸びているので、追い込まれています。でも楽しみながらやっています。」
みんなで学びながら栽培方法を考える
「新しく来る方には、ネットを張り替えたり、ビニールハウスを貼ったり、肥料をつくったりしてもらいたいです。
雨の日には、仕立て方とか土づくりとかをみんなで勉強します。こちらが一方的に教えるのではなく、自分で調べて身に着けてもらいたいです。
『こんなの使ったらどうですか?』という提案もどんどんしてほしいですね。おもしろい栽培方法があったら取り入れたいです。
ここには農業をずっとやっている人が誰もいないので、フリーです。ここで働く一番の魅力は、やってみたいことはなんでもできるところだと思います。
今年もマンゴーの片方のハウスには薬をまいて、片方のハウスにはEM菌という微生物を使ったものをまいて実験しています。楽しく実験しながら、失敗してもまた元に戻してやればいいやという感じでやっています。」
体力と根気は必要
「向いている人は体力と根気がある人ですね。暑いですし、しゃがんで結んでというような同じ作業が1カ月以上続くこともあるので。あとは自分の意思があったらいいですね。やっぱり自分でどんどん提案してくれるような人がいたら、盛り上がります。
今後は年中何かしら収穫できるようにすることが目標です。今は7、8、9月がマンゴーとレモン。10月頃に島ラッキョウを植えて、3月くらいに収穫という状況で、空いている期間もあります。その期間で収穫できるものを今アルバイトの子と二人で相談しています。
新しいものをつくるにも、土をつくって植え付けをするまでが大変になりそうです。耕すのも3、4回するし、肥料を入れることも必要です。全部手作業なので、新しく来る方にはそういうところを手伝ってもらいたいです。」
谷口さんのお話からは、栽培も人との関わりも楽しみながら、自然体で働いているのが伝わってきました。
ビザライでは、宮原果樹園の仕事のみならず、同社が経営する保育園でも保育サポーターを募集しています。
週3回果樹園で働き、週2回は保育園で働くというような働き方も可能です。子どもに関わる仕事をしたい!「いなか」で農業もしたい!と思っている方にはピッタリの働き方をつくることができます。
保育園での仕事はこちらの記事をご覧ください。
自転車で出社できる距離に社員寮もありますので、自動車免許を持ってない方にもオススメです。
畑ときれいな海が見える宿舎です。
部屋は2部屋
ロフトもあります。
※どの宿舎に入れるかはタイミングや家族の人数などによって変わります。
暑い日にハウスの中で1日中作業するというのは、大変なことだと思います。でも、障がいのある方もない方も力を合わせて働くことで、今まで出会えなかった自分と出会うことができるかもしれません。
人にも果樹にもじっくり向き合いたい方にオススメです。少しでも気になった方はお気軽にご連絡ください。そしてまずは29泊30日間のいなかインターンシップに参加して体験してみてください。お待ちしています!