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いなかインターンシップ

しまんと流域農業を学び、広げ、つなぐ

いなかパイプ 児嶋 佑香

いなかパイプ
児嶋 佑香

 「いつかはいなかで暮らしたい」 「農業をしてみたいけれど、それが本当に自分のやりたいことなのかわからない」 そんなふうに思っていても、なかなか踏み出せない方は多いと思います。

 そんな方はまず高知・四万十に来て、それが自分に合っているのか試してみませんか?

 

お茶風景

 

「いなか」ならではの暮らしを体験

 いなかパイプの活動拠点がある高知県四万十町・十和地区は、信号もコンビニもない、典型的な”いなか”と呼ばれる地域です。もちろんショッピングモールなんてないし、スーパーマーケットは19時に閉まってしまいます。

 しかし、そんな地域だからこそ、自然の中で思いっきり遊べたり、昔ながらの地域行事が残っていたりと魅力がたくさんあります。

 例えば「日本最後の清流」と呼ばれる四万十川では、泳いだり、釣りをしたり、石投げをしたりと様々な遊びを楽しめます。

 

石投げ

 

 お祭りでは、みんなで牛鬼やお神輿を担いで地域を練り歩いたり、踊ったり、食事をしたりします。

 

お祭り

 

 お祭りで振舞われる料理はその年の当番の人々が力を合わせて作ります。

 

お祭りごはん

 

 「決して便利ではないけれど、自然が豊かで食材が豊富で、人々の繋がりが強い」 そんな地域です。

 この地域で1ヶ月間、「いなか」ならではの暮らしを体験しながら、有機農業に関わるインターンシップ研修生を募集しています。

 

四万十川中流域ならではの農業

 この地域は山間部に位置し、傾斜地の多い場所です。そのため、平地のように1つの作物を大規模に育てることは難しく、春はお茶、秋は栗、というように、季節ごとにさまざまな農作物を作る「複合経営農家」が多いのが特徴です。

 最近では、昔からこの地域で作られてきたさつまいもの1種である「人参芋」の生産にも力を入れています。

 しかし、高齢化が進み、農業の担い手が減り、耕作放棄地が目に見えて増加してきました。そこで、「このままではいかん」と地域の人々が立ち上がり、「しまんと流域農業organicプロジェクト」が始動しました。

 

しまんと流域農業organicプロジェクトとは

 このプロジェクトでは、安心・安全な農作物の生産を担う人財を育て、この地域の素材を使った商品開発を行い、販路を拡大することで、地域課題を解決することを目指します。

 安心・安全の基準は、外部機関に合わせるのではなく、自分たちで決めていきます。例えば、農作物の栽培の際、農薬・化学肥料は使いません。加工品にも添加物を使いません。

 そのほかにも、講座などを開くことによって昔ながらの暮らしや技術などを後世に継承し、適度にテクノロジーなども導入することで、100年後も続く地域づくりに取り組みます。

 

しまんと流域野菜

 

野菜だけではなく・お茶・栗など様々な作物の栽培ができる

 このプロジェクトを推進する「しまんと流域農業organicプロジェクト協議会」では、この地域で有機農業を学び、ナバナ、カボチャ、ショウガ、人参芋などの野菜に加えて、栗、お茶など様々な作物の生産に携わるインターンシップ研修生を募集します。

 研修生ができる体験は、参加する時期によって異なりますが、そういった季節感も味わうことができるのがこのインターンシップの魅力です。

 主な研修先となるのは、株式会社しまんと流域野菜。「未来をつくる、有機野菜でつなぐ」をビジョンに、環境に負荷をかけない安心・安全な野菜の栽培をしている会社です。

 栽培した野菜は、道の駅や百貨店などの店舗の他、通販サイトでも販売しています。

 SHIMANTO ZIGRI ストア

 MITSUKOSHI ISETAN

 

栗風景

 

この研修に参加して

 この研修に参加し、いなかパイプスタッフとなった私・児嶋佑香は、デスクワーク中心だった前職では味わえなかった楽しさを感じることができました。

 播種機で種をまいたり、管理機で不織布に土をかけたり、草刈り機を使ったりと、初めてのことをたくさん体験できて、とても楽しかったです。

 機械をまっすぐ進むようにコントロールするのが難しかったのですが、スタッフが何度も丁寧に教えてくれました。おもしろい話もたくさんしてくれて、毎日笑ってばかりでした。

 

しまんと流域農業インターンシップ

 

 野菜の上に不織布を張ったり、ニンニクの種の選別をしたり、野菜の袋詰めをしたりもしました。

 野菜の袋詰めの際には、

「土に植わっている状態で袋詰めをするのが良い」

ということを教わり、「へえ」と驚きました。例外もあるそうですが、例えばショウガは、そのようにした方が品質が良くなるそうです。

 また、野菜の宅配をしている農家さんでは、

「お客さんが払う送料が高くなってしまうので、袋詰めの際は野菜をなるべく平らに入れる」

と聞き、そこまで考えて袋詰めをしているのか!と感心しました。

 研修が休みの日には、車で観光をしたり、近所の人と鮎を捕りに行ったりして、とても楽しかったです。(車はシェアカーがあります)。

 地域の清掃活動に参加した際には、

「今度ショウガのバイト来てよ」

と声をかけられ、地域の人と関わることで、仕事の幅が広がるおもしろさを感じました。

 この1か月間で、四万十町の暮らしや仕事を体験し、ここで生きるイメージができました。そして、ここでの生活を始める決心をしました。

 

焚き火

 

しまんと流域農業を学ぶところから広がってつながった

 私の場合、なんとなく農業をやりたい!と思っていたけれど、実際やってみると私のやりたいことは農業じゃなかった!と気づくことができました。

 このインターンシップに参加したことで、農業を学び体験しただけではなく、地域で暮らす人々との出会いに広がって、自分自身の働き方や生き方を見つめる機会につながりました。

 ですから、少しでも農業に興味のある方や都会で仕事をやめようかどうか迷い苦しんでいらっしゃる方に、ぜひこの体験をしてほしいと思っています。

 高知・四万十へぜひお越しください。お待ちしています!

 

※しまんと流域農業organicプロジェクトでは、現在、1泊2日の体験ツアーや1年間の農業研修生も募集しています。興味がある方はぜひ募集記事をご覧ください。

 

 ●しまんと流域農業organic体験ツアー(1泊2日) 

 ●1年間研修生:四万十川のほとりで有機農業を学び、広げ、つなぐ、いなかリリーフ

 

募集要項はこちら

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