楽しい方にトライする人生! 夢の再確認ができた1ヶ月~いなかインターンシップ体験記~

2022/06/01

 いなかパイプでは、2020年5月からプログラム内容を一部変更し、新型コロナウィルス感染防止対策を行いながらも、いなか暮らしの体験ができるいなかインターンシップを行っています。

 いなかインターンシップは2部構成になっています。前半1週間はいなかドアというプログラムで、地域の人との密な関わりは避けながらも、やりたいことをやりながら生きる力を身につけます。

 後半3週間はそれぞれの希望に応じて地域の現場へインターンへ行きます。(いなかドアのみの参加も可能)

 

 今回体験記を書いてくれたのは、2022年4月10日〜5月9日にいなかインターンシップに参加した豊住牧人さん(通称トヨさん)。地域の人とすぐに仲良くなり、インターンシップ中にさっそく農作業のお手伝いをしていました。

 

いなかインターンシップ

 

Q)どうしてインターンに応募したのですか?

 自分で起業して宿泊業をやりたくて、地域おこし協力隊の募集を探してたのですが、なかなか1つの場所に決めて移住することが僕には難しくて悩んでいました。そのときにいなかパイプの存在を知り、「面白そうだな」と思い応募しました。割と直感で動くことがあって、なんとなく四万十川という響きに魅力を感じたということかもしれません(笑)

 昔から湖と川が好きで、学生時代から合宿や旅行でよく山梨の湖に行っていました。「なんで好きなのか?」と言われると自分でもよくわからなくて、答えに困るので聞かないでもらえると助かります(笑)「好きなものは好き!」そんな感じです。

 

いなかインターンシップ

 

 ここに来るまでの流れと簡単に自己紹介をさせていただきます。

 名前は豊住 牧人(とよずみ まきと)です。割と珍しい名前なので同姓同名の方には会ったことがないです。知ってる方がいたら教えてください。もし会えたらその時は焚き火を囲みながらお茶しましょう!

 

生まれ〜ここにくるまでの流れ

▼東京の下町で生まれもんじゃ好き
▼小学校:サッカーを始め左サイドバックとして活躍?
▼中学校:下駄箱に初のラブレター!と思いきや友達が書いたドッキリ!
▼高校:男子校、毎日遅刻、先取りフレックスタイム
▼大学:隠れファンクラブの存在を知る→「それは何してるの?」→「今日あった牧人くんの面白い話をみんなでする」→ただいじられてるだけだと知る

 

▼築地の海苔屋に営業として就職 職人さん怖くて膝がガクブル 
▼退社 スペイン旅行 旅って楽しい
▼リゾートバイトでお金を貯めつつ日本を旅(山梨富士吉田、愛知豊根村、長崎雲仙、兵庫有馬温泉、沖縄西表島、長野志賀高原、愛知豊田市)

 

▼日本からアメリカへ人生で初めての日付変更線超え、ホテルのチェックイン日を間違えて予約
▼メキシコ意外と広いよ27時間バスの旅、席予約したのにそのうち12時間なぜか立って過ごす
▼グアテマラに着いたその日に2週間ホームステイ&スペイン語学校入学、数字の言い方覚える
▼ボリビアの山 高山病 登山断念 悔しさを力に変えてもう一度登る
▼ベネスエラの旅 米ドルはシャンプーボトルの中に隠して入国
▼フランスからスペイン歩いてみた
▼帰国

 

▼幸せってなんだろう?お金なくても幸せなんじゃないか?と考える
▼恩返しの東京オリンピックボランティアに応募
▼コロナ オリンピックボランティア辞退 後悔
▼後悔はいつかの夢の原動力
▼ゲストハウスを創りたい 農園付きとか楽しそう
▼まずは農業勉強 農業学校入学 
▼いなかパイプの存在を知り応募

 

 簡単にこんな流れで応募させてもらいました。

 

 

 苦手な自己分析をすると、僕は東京の下町で生まれ育ちその土地への愛着があって、都会が嫌いだから田舎のインターンシップに来たわけではないのかなと思います。

「自分のやりたいことができそう!」

「綺麗な川があって気持ちよさそう!」

「働いている人や参加した人たちも楽しそう!」

 直感でそう感じ、でも自分は実際どう感じるんだろう『?』と思いました。『?』の部分を自分で体験して感じてみたいと思いました。

 今の僕のベースになっているのが『楽しい方にトライする人生』だと思ってます。コロナで自由に動けなかった時期があり、悩んだ時もあったけれど、『楽しい方にトライする』の言葉通りに今回応募させていただきました。

 

Q)前半1週間の「いなかドア」をどのように過ごし、何を感じましたか?

 やりたいことをしました。例えば川で釣りをしたり、お昼寝したり、カヤックをしたり、農作業したり、河原で火おこしをしたり、雨の日は寮でゆっくりして部屋の掃除をするなど本当に自分のその時したいと思う事をやりました。

 

いなかドア

 

 近所の方達からは「お金がなくても生きていけるんじゃないのかな」と思うくらい食べ物を頂いて、コーディネーターのスタッフの方とは野草を取って料理しました。

 食べ物はお店で買うことが当たり前で、それが染み付いていたのですが、良い意味で驚きました。しかも食材が新鮮で美味しい!

 

 『いなかドア』では毎朝集まってホワイトボードにやりたい事を書き込み、メンバーと共有するのですが、これが最初は困りました。

 やりたいことがいっぱいあるはずなのに、「こんなこと書いて良いのかな?」と思ったりして、慣れるまでは結構考えてしまいました(笑)

 

 そんな時も緊張をほぐすように、スタッフの方達は優しく接してくださり、だんだんと自分の気持ちを素直に感じることができるようになりました。

 真っ白なキャンパスに色をつけていくようなそんな感じでした。朝起きてから考えるのが、やらなきゃいけない事からやりたい事を考えるに変わっていきましたね。

 

いなかドア

 

 四万十川に遊びに行った時に感じたことは、「誰もいない!」「ゴミもない!」それが僕にとって衝撃でした。きれいな川で過ごしていると、だんだん自分が自然と馴染んでくるような感じがしました。

 移動の車での何気ない会話や風景が心に焼き付いて、それが好きな風景や場所になってくる。

 

 初日何も知らなかった僕が、この1週間で四万十に自分の好きな風景や場所ができました。それは四万十の優しい自然や人に触れて新しいものを受け入れる心のゆとりができたからだと思います。

 同じ参加者の方のやりたい事も共有することで、自分とは違った視点を見ることができたのも楽しい時間でした。毎朝自分の気持ち確かめ、遊びながら自然や周りの人に学んだ1週間でした!

 

 あと『いなかドア』とは関係ないのですが、びっくりしたのが知り合いが寮に住んでいたことです(笑)

 初日ドキドキしながら四万十町にきてスタッフの方に寮として使われている小学校に連れて行ってもらった時に、農業学校で一緒だった方に会ってびっくりしました(笑)偶然の再会でこんなこともあるんだと驚きました(笑)

 

Q)後半の現場研修はどこで何をしましたか?また、なぜその体験をしたいと思いましたか?

 有機農業の「しまんと流域野菜」さんで農作業と、ゲストハウスの「かっぱバックパッカーズ」さんでの業務、最後に「カヌー館」さんでカヤックのツアーガイドのサポートをしました。

 有機農業とゲストハウスは自分がしたいことだったので、勉強のために体験させていただきました。あとカヤックのガイドは単純にカヤックが楽しそうだなと思ってお願いしました(笑)

 
 有機農業の流域野菜さんでは、苗の植え付けや、猪対策の電気柵の設置や、雑草対策、生姜の袋詰めなどなど3人の現場スタッフの方と一緒にやらせていただきました。

 スタッフの方には「ゆっくりでいいですよー」とか「どこから来たんですかー?」などなど、緊張をほぐしてくれるかのように優しい声をかけて頂き、とても安心して作業ができました。

 

 聞いたら3人のスタッフの方は地域おこし協力隊で別の地域から四万十町に来られたとのこと。自分たちが好きなお店の話しや、なんで四万十町に来たかなどを教えて頂きました。時に3人のボケとツッコミの掛け合いが面白く笑いながら時間が過ぎていきました(笑)

 休憩の時にふと空を見上げると青い空があり、川の流れる音や鳥の鳴き声が聞こえて、山からは涼しい風が吹き抜けてきて、とても心地よい気分になりましたね。

 

 スタッフの方に教えてもらったお店にお昼を食べに行って、

「勧めてもらった○○さんのカツ丼美味しかったです!」

「ですよねー!僕たちもよく食べるんですよ!」

とか、

「このお店で買い物すると安いですよ」

とかお得な情報をたくさん教えてもらえました(笑)

 四万十の自然を感じながらの作業は気持ち良かったですね。協力して作業をこなし、終わったあとは毎日充実感がありました!

 

いなかインターンシップ

 

 ゲストハウスのかっぱバックパッカーズさんでは掃除、チェックイン業務、お客様対応など運営業務全般をやらせていただきました。

 オーナーはいなかパイプOBでご自身も移住し、地域を盛り上げるために空き家を活用したゲストハウスの運営を始めた方です。なのでゲストハウス運営についてのアドバイスをたくさんしていただけました。

 ゴールデンウィーク中でお客さんは日本全国色んな場所から来られて、車や電車、自転車で四万十まで来られていました。

 

いなかインターンシップ

 

 聞くと四万十の自然が好きで毎年くる方や、宿近くの居酒屋のオーナーと仲良くなって毎年その居酒屋にくるお客さんもいました。「そんな色んな目的で来られたお客さんと出会える仕事は楽しいなー」と感じることができました。

 オーナーもお客さんと一緒に楽しんでいるのが印象的でした。リピート客が多いと言っていましたが、それはオーナーさんの人柄に魅せられて戻ってくるお客さんも多いのではないかなと思いました。

 宿の前を通る電車に向かって手を振るのが恒例になって、毎回お客さんと一緒に全力で手を振ってましたね(笑)

 

いなかインターンシップ
 

 カヌー館さんでは準備、お客さんへの説明、ツアーに同行、後片付けを午前と午後の2回のツアーでやりました。ツアーに参加する前にカヤックの練習はしていたんですが、実際にツアーに参加した初日に転覆しました(笑)

 館長に

「今日はどうだったー?」

「転覆しました笑」

「笑いいね!転覆していくと上手くなるから!」

と笑顔で迎えてもらいました(笑)

 できないともっとやりたくなるタイプで、次の日はなんとか転覆しないですみました(笑)

 

 ガイドのお仕事をするんだったらまだまだ練習が必要です(笑)お客さんを危険にさせないために目を配り、安心させる話し方で信頼されるガイドさんは頼もしかったですね。

 ただ大変な仕事ですが、「こんな綺麗な川でカヤックをやってそれが仕事だったら良いなー」と思いました(笑)でもやるならまずは練習ですね。

 

カヌー

 

Q)インターンシップ全体を通して、学んだこと・気づいたこと・得たことを教えてください。

 このインターンシップでの人との出会いがとても楽しかったです。

 それは地元の人たちやスタッフの方、寮で生活されている方、今回同じインターンシップに参加した方含めて、それぞれの考えがあって、自分とは違った経験をされている人たちのお話しを聞くのがとても楽しかったですね。

 よく行くお店では顔を覚えてもらって、

「今日はどんな作業したんですかー?」

「今日はかぼちゃの苗の植え付けをしました」

「大変でしたねー」

なんて会話も嬉しかったですね。ここで暮らしていけそうだななんて自信にもなりました。

 

 農作業をされてる地元のおじいちゃんおばあちゃんと話しをした時に、

「なんでみなさん元気なんですか?」

と聞いたら

「歩くこととおしゃべりすることだねー」

と素敵な笑顔で答えてくれて、前向きな姿に感動したり、

「自分で作った野菜を食べるのが大好きで生き甲斐だねー」

と好きなことをするのが元気の秘訣だと教えてもらいました。

 

 ついつい高齢な方がお仕事されてると大変だなと思ってしまっていましたが、自分の固定概念を優しく壊してもらえた瞬間でした。

 ここの方達は、農業だったりお店だったり販売だったり漁だったり、色んな仕事を生業にされていて、生きる力がすごくあるなと思いました。

「贅沢しないで生活するなら数万で暮らせるよ。」

「家賃も数千円のところもあるし」

とスタッフの方に教えてもらった時はびっくりしました。

 将来社会はお金が必要なくなる!という話をニュースで読んだことがあったのですが、そう考えると田舎ってもしかした最先端で新しいのかもと感じたインターンシップでした。

 

Q)これから参加する人や参加を迷っている人へメッセージをお願いします。

 『楽しい方にトライする人生』僕の友達がニュージーランドに行って出会った人から教えてもらった言葉で、僕の人生を振り返るとこれを求めて歩んできたのではないかなと思ってます。

 悩みながら行動して、立ち止まることもいっぱいありますが、今後も『楽しい方にトライする人生』をベースに歩んでいきたいと思っています。

 もし興味を持って頂いた方がいればぜひ四万十に来てここの雰囲気を実際に自分で感じてもらえたらなと思います。休みがなかなか無いという方もいると思うのでまずは旅行で来るのもお勧めです!

 

いなかインターンシップ

 

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