飽きっぽい私が野菜作りを続ける理由
- 執筆者山脇佳子
- 所 属一般社団法人いなかパイプ
2012/07/10
突然ですが、私流行ものに弱いんですよ~。
「○○って知ってる~?」って2人以上に言われたら、
もう気になって気になって仕方ない!!
ちなみに今私のブームは、「麹(こうじ)」。
「しょうゆ麹」「塩麹」「甘酒」など、冷蔵庫は麹だらけ。
ま、そんな私が「野菜作り」に興味をもちはじめたのも、
単純に「流行」っていたから。
まだ大阪に住んでいた2008年~2009年頃、
「畑ブーム」「農業ブーム」がちらほら聞こえるようになり、
友人の実家の稲刈りを皆で手伝いにいったり、
週末にだけ借りた畑で農作業をしたり、
「畑部」なるものができたりと、
そんなことをやり始めた人達が、私の周りにもポツポツと増えていったんです。
また、農地を管理してファミリーやカップルに
週末だけ農作業ができるような農園ビジネスがでてきたり、
ビルの屋上が畑化する企業がでてきたりと、
社会的ニーズも高まっているように感じていました。
そんな矢先、
なにやら農作業をしながら地域の若者と交流ができるという、
イベントを企てた友人がいて、
いい機会だったので参加してみることにしたのです。
大阪から片道7時間半かけてついたところが、高知県四万十町。
そう、今私が住んでいる町です。
まさかその時に、移住するなんてことは、
これっぽっちも思ってませんでしたけどね。
イベントとは言っても、フタをあけてみたら参加者は私を含めたったの4人!
後は地元の農家さんを交えて、さっそく農作業開始!
小麦を植えるということしか知らされてなかったのですが、
25mプール3個分ぐらいの広さの畑を、
たった一日で耕し、肥料を巻いて、畝(うね)をつくって小麦を蒔くという、
初心者にやらせるにはありえないスケジュールが強行され、
ただひたすら農作業を必死にする1日だったのをおぼえてます(笑)。
▲これ全部1日で耕した小麦畑
▲小麦を蒔き終わった後の畑
次の日は、地元農家さんの畑の手伝いをしたり、収穫をしたりという、1泊2日でした。
▲かぼちゃを持ってるのが私。当時30歳
農作業の大変さはもちろん感じましたしが、
普段やらないことをやったという刺激と、四万十という自然美が
たまらなく気持ちよかったのを覚えています。
でもそれをきっかけに、移住もそうですが、野菜を作るということが
今につながってきています。
ま、流行好きの私ですから、どんどん新しいことに興味をもつので
1つの事があまり長続きしません・・・。
いわゆる「飽きっぽい」性分なんです。
ただ野菜作りだけは、こちらに移住してからも、ずっと続けています。
それが自分でも不思議なんですけど、
「楽しい」ということには間違いありません。
基本楽しいことしか続きませんからね。
「流行」だけにとどまらなかった理由を、自分なりに考えてみました。
理由1:結果が直ぐでない
飽きっぽい私は、直ぐに成果がでないとつまらないんです。
野菜は種を植えて、芽がでて、食べられるようになるまで、
早いといわれるものでも1ヶ月はかかります。
長いものだと半年以上。
でも、「変化」が見えるようになってくると、楽しいんです。
最初に芽が出た時や、花が咲いたとき、
小さい実がついた時、
そういう小さい変化が、結果をより楽しみにさせていくんです。
▲芋の葉がでてきて
理由2:頭で考えたとおりにならない
種を植えて、芽がでて、葉や実がなる。
ま、普通に上のとおりに野菜はできるんですが、
こうやって、頭で想像していることが、時にまったく違うことになります。
ある時のこと、普通にポットに種を植え、
1週間待っても芽がでないんです!!
「え??!!なんで?!!」って気持ちになります。
自分の想定を裏切られて、けっこうショック!!
ま、私の場合、ビギナーズラックで、最初に植えたキュウリやら
トマトやらがとっても沢山できて、しかも美味しかったということから、
「よし、今度はもっとたくさんつくってやろ~」って野望が生まれ、
そんな矢先、芽が出ない、なんてことが起きたんです。
原因はいろいろあります。
水がたりなかった、土が悪かった、もともと種が悪かったなどなど。
野菜作りは、裏切られることが日常茶飯事。
自分の思い通りにはならないことを、相当なショックをもって知るんです。
収穫前のトウモロコシを獣に食べられるなんてことも。。。
くぅぅぅぅーーーーーくやしーーーーー!!!
負けず嫌いだっていう要素も
続いている理由かもしれません。
理由3:自分の変化を楽しむ
もともとWEB制作の仕事を主にやっていて、
今もほぼ日中はパソコンの前で作業をしています。
そのギャップを求めて、体を動かしたい!!という気持ちが常にあります。
また、目を使いすぎる傾向にあります。
パソコンからの情報は、ほとんど「目」から始まります。
そのスタイルが定着しすぎて、たぶん気づいていないうちに
大切な感覚を忘れてしまっているような気がしています。
目に「頼りすぎてる」といいますか。
畑に出て、深呼吸をする、草をむしる、風を感じる、鳥の鳴き声をきく、
たったこれだけを毎日つづけることなんですが、
不意に、自分の変化を感じることがあるんです。
それは大阪で働いていた時と同じ時間パソコンに向っていても、
あきらかに違う「自分」が今はここにいます。
小さな変化に気づくようになり、
それを大きく楽しむことができるようになりました。
そんな「自分」の変化を、不意に感じると嬉しいのです。
「野菜作りは人作りだ」と、ある人は言っていました。
そのほんとうの意味を実感するにはまだまだですけど、
楽しく続けることの中で、わかってくるような気が今はしています。
と、おもいつく限りかいてみました。
たぶん、これからもミーハーはかわりません(笑)。
でもその中でも、継続していくものが1つでもあればいいかな、と思います。
飽きっぽい自分を嘆いたこともありますが、
思いの他、悪いことではないかなと思うようになりました。
それも野菜作りをはじめてからかもしれませんね!
今日も玄関先のキュウリは絶好調です!