世界とつながってるやん!

2013/03/30

 室戸ジオパークの柴田です。高知県室戸市は、ふわっとした穏やかな春を迎えています。

春というと、やはり桜ですよね。私はソメイヨシノより山間の雜木の中にひっそりと咲く山桜のほうが好みだったりします。

皆さんもお気に入りの桜があるのではないでしょうか?

 

室戸の里山に咲く山桜

室戸の里山に咲く山桜

 

 さて、この春というのは、人並みですが出会いと別れの季節でして、室戸ジオパークでも何人かの職員が次のステップに向けて退職されました。

そして今、新しい国際交流員を募集中:http://www.muroto-geo.jp/www/upload/pdf/koubo.pdf でもあるわけです。

今回は、それを少し意識して、「世界とつながってるやん!」の話題を紹介したいと思います。

 

室戸ジオパーク世界とつながる

 

「90分の1」

 ジオパークというのは、地質や地形をベースにして、地域全体を博物館と見立てて、大地と人の関わりを楽しめるように整備した場所です。世界中に世界ジオパークは90地域あって、それぞれにテーマがあります。室戸市は、この90地域のうちの1つで、大地が盛り上がり続けていることをテーマにしています。室戸はそういう貴重な地質があるのですが、これだけではジオパークになれないのです。

 

世界中に広がるジオパーク(2013年4月現在)

世界中に広がるジオパーク(2013年4月現在)

 

「ジオパークは住民力」

 ジオパークになるには、世界的に見て学術的に貴重な地質があることはもちろんですが、地域の人がジオパークを楽しんで活かしていることが重要です。例えば、ジオパークを巡るための案内人、お土産物、学校教育、観光などへジオパークを徹底的に活用する地域住民の活動が評価対象です。いわば、「住民力」が試されるわけす。

 

ガイドさんがつくった隆起ポーズ

ガイドさんがつくった隆起ポーズ

3ヶ年計画を立てる関係者

3ヶ年計画を立てる関係者

 

「世界の人と協力!?」

 世界ジオパークになると、自分のジオパークのことだけを考えていてはだめで、他のジオパークと一緒に仕事をすることがルールになっています。ジオパークは、貴重な地質があって、住民力があっても安泰ではありません。「お墨付き」をもらっておしまいというのは許されません。具体的に何をするかというと、一緒に本を書いたり、共通の観光パンフを作ったり、住民同士の交流を行ったりと様々で、地域の課題や共通の目的をもって連携しています。また、世界中で行われる会議に参加して、室戸の主張をどんどん発言するチャンスがもらえます。室戸にいながら、ジオパークをきっかけに世界とつながれちゃうんです!でも、まだ室戸は海外のジオパークとの関わりが上手にできていなくて、これからの課題です。最近では、韓国や中国そしてヨーロッパのジオパークと話し合いが始まったばかりです。

 

2011年9月にノルウェーで開催されたヨーロッパジオパーク会議で世界ジオパークの仲間入りをしました。

2011年9月にノルウェーで開催されたヨーロッパジオパーク会議で世界ジオパークの仲間入りをしました。

2012年から、中国や韓国のジオパークと姉妹提携に向けた話し合いがはじまっています。

2012年から、中国や韓国のジオパークと姉妹提携に向けた話し合いがはじまっています。

 

「小さい街ほどやれることもある」

 ネットワークでやる仕事は、日本国内でも徐々に進んでいます。日本には25の日本ジオパークがあって、室戸もその一つ。一緒に、ジオパーク地域の課題を共有して未来について話し合いや活動が始まっています。昨年は、ジオパークに関する本を日本ジオパークでつくりました。また、日本中のジオパーク関係者があつまった会議(日本ジオパーク全国大会:http://conference.muroto-geo.jp)を室戸で開催しました。今年はジオパークを準備している愛媛県西予市の方と一緒に子ども向けのサマースクール:http://ss.muroto-geo.jp を開催予定です。小さな街だけど、色々な地域の人と協力しながら、観光やまちづくりについて考えられるのが私たちの仕事の魅力です。

 

地震で隆起した段丘の上で地形を活かした農業を体験する参加者(第3回日本ジオパーク全国大会(室戸大会)で行われたジオツアー)

地震で隆起した段丘の上で地形を活かした農業を体験する参加者(第3回日本ジオパーク全国大会(室戸大会)で行われたジオツアー)

 

「ユネスコと室戸」

 室戸ジオパークは、私自身も驚くほど、ユネスコや世界ジオパークネットワークから評価されています。先日、ユネスコのある方からのメールで「ジオパークをユネスコの正式プログラムにするためのプレゼンをする予定です。ジオパークを活かした教育といえば室戸なので、写真を提供してくれませんか?」と連絡があったのです。正直、このメールを見たとき、ガッツポーズしちゃいました。ユネスコや国内外の人々とのやりとりは、これだけにとどまらず、国際会議でちらっと「室戸や日本のジオパークからみて、世界ジオパークについてどんな考え方がある?」と聞かれることもあります。高知県の田舎の小さな街なのに、ちゃんと世界とのチャンネルをもっているんです。

 

室戸ジオパークの小学生向け野外学習の様子

室戸ジオパークの小学生向け野外学習の様子

 

「国際交流員を強化するぜ!」

 このように、日本や世界とつながりながら、地域の人と一緒に取り組んで行くというのがジオパークです。観光客の人にも沢山きていただいて、楽しんでもらうのも重要です。楽しいことなら、少々の苦しみも乗り越えられるってもんです。一方で、やることは、観光も教育も防災も・・・と、とにかく山盛りです。そしてさらに、国際交流もガンガン進めていきたいのです。そこで、英語が得意で田舎暮らしをやってみたくて、海外とのコミュニケーションに興味のある方を室戸ジオパークでは強化する予定です!(募集中:http://www.muroto-geo.jp/www/upload/pdf/koubo.pdf)もし、関心のある方は、ぜひ一緒に仕事しませんか?

 

何か楽しい写真

 

 

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