「できます!」宣言してみませんか?
2014/02/06
- 執筆者 亀崎祐也
- 所 属terve テルヴェ
些細なことで大きなチャンスを逃しました
最近、大きな出来事がありました。私はデザインや編集に関する仕事をしているのですが、昨年末に地元の大きな仕事の依頼を受け損ねる経験をしたのです。仕事の依頼主さんとは常日頃とても親しくさせていただいており、昨年は何度も顔をあわせていました。しかし、私ではなく他のデザイナーさんに仕事を依頼されたのでした。
私は他の方へ仕事を依頼された経緯を伺ってみたのですが、そこで返ってきた答えに衝撃を受けました。「そうだった!君はデザインができるのか。そのことを完全に忘れていたよ。君に仕事をお願いすべきだった。本当に申し訳ないことをしたね。」(※こんな失礼な質問をしても問題がないくらい親しい間柄です)
私がこの仕事を受けることが出来なかった理由は簡単で、常日頃から「何ができるのか」ということを周りの人たちに伝える作業を怠ってきた「アピール不足」が原因でした。この仕事はずっと携わりたかった地域観光に関する仕事だったので、受注することができずとてもショックでした。しかし、それ以上にショックだったのは、身近な人に「私に何ができるのか」ということがしっかりと伝わっていなかったという事実でした。
良いアイデアの「want」、「can」、「need」で考える
コンサルタントの世界では「良いアイデア」とは「want」、「can」、「need」のバランスがとれたものを指すそうです。この考えを今回の受注失敗の件に重ねあわせてみると、「want(○○したい欲求)」にばかり力を注いでしまい、「can(デザインができる)」を疎かにしてしまっていた結果として、せっかくの「need(仕事)」に応えることができなかったという考えにたどり着きます。
「できます!」宣言をしてみよう
この「良いアイデア」の思考は仕事以外でも役に立ちます。地方への移住希望者の方や、地域活動への参加を検討されている方にとっても、役立つ考え方の1つではないか思います。まずは自分に何ができるかを考え、整理する。そして、それをしっかりと宣言する。そうすれば自然と様々な「need(あなたを求める場所、人、仕事、様々なお手伝いごと)」と巡り会う機会が増えてくるはずです。チャンスの種は「want」ばかり言っていても中々生まれてきません。
私の周りにいる各地域で活躍する人たちの姿を思い出してみると、「料理が作れます!」、「勉強教えられます!」などなど、自然な形で人それぞれの「できます!」宣言をされている方が多い印象です。なかには、それが仕事となっている人もいます。
集合体としてできること
私は埼玉でterve(テルヴェ)という団体を立ち上げて、フィールドヨガ、ピザ作り体験、リバートレッキング、里山生活体験などのイベントを行っています。terveでは友人や地域の方々の「できます!」を組み合わせることからイベントを企画しています。各々の「できます!」の掛け合わせは思わぬ意外性を生みだすことがあり、とても刺激的です。
また、個人的な活動として、地域の空き店舗を活用したワンデイマーケットを主催しています。カレーが作れる人、手工芸品を販売出来る人、輸入雑貨を販売できる人、旅行相談ができる人などなど、各々の「できます!」を組み合わせれば、このようなマーケットイベントも開催することができます。
あなたの「できます!」を誰かが求めています
とはいえ「私には特技がないから“できます宣言”なんてできない」、「レベルが低いので自信がない」という方、大丈夫です。特技はいつからでも身につけられますし、レベルの高さはそこまで求められていないことが多いです。そもそも、本当に特技がないのでしょうか?「マッサージができます」、「ネイルを塗るのが得意です」、「草むしりの早さは負けません」、「イラストを書くのが得意です」などなど、特技はなんでもいいのです。個人的なおすすめは薪割りです。薪割りは体力を使うので、上手に出来る人は色々と重宝してもらえますよ!個人的な目標としては「釜戸でご飯を炊くことができます!」宣言ができるようになりたいです。
後日談ですが、私は小さな声で「できます!」宣言を開始し、新たなデザインのお仕事をいただくことができました。「できます!」宣言効果ありです!どこかにあなたを必要としている人、場所が必ずあります。ぜひ、みなさんも勇気をだして「できます!」宣言をしてみませんか?