タニケンの華麗なる人生

2014/08/01

 

 梅雨明けが発表され、暑い日が続きますね。でも「夏が来た!」って感じで、夏好きにとってはテンション上がります!

 8月に入ると、上勝町では例年通り大学生インターンがたくさんやってきてくれます。今年もすでに50名を超える学生さんの参加が決まっており、もうほとんど受け入れ枠が残っていない状況になってきました。本当にありがたいお話です。インターン担当としては臨戦態勢に入るとともに、たくさんの新しい出会いを楽しみにしています。

 

 さて、そんな嵐の前の静けさの中、今回のブログは会社で僕のお隣さんであるコチラの方について書きます。

 

   徳島・上勝 となりのタニケン

 

 タニケンこと谷健太さんです。タニケンさんは今、株式会社いろどりで上勝町の視察担当の仕事をしています。まだ5月に入社したばかりですが、柔らかな物腰と懇切丁寧なお客さんへの対応のおかげか、視察者数は順調に伸び続けています。

 タニケンさんは、徳島市の出身ですが、おじいさんが上勝町に住まわれており、今は一緒に住んでいます。中学生の頃に「自分は数字に強い」と自覚し、県内のそろばん大会で第1位、自らの叔母さんが経営するお店の確定申告作業を代行するなど輝かしい業績を残し、鳴り物入りで県内の商業高校⇒同志社大学商学部へと進学しました。そして大学卒業後は徳島県内の某金融機関に就職。タニケンさんの人生は理想的なルートを辿っているように思われました。

 

「銀行に就職を決めた理由は2つありました。一つは地元(=徳島)で仕事をしたかったこと。そしてもう一つは自分の数字への強さを一番活かせると思ったから。以前から『会社のお医者さん』になりたいという夢がありました。でも仕事をしていく中で、銀行で得られる知識・経験だけでは自分のやりたいことができないのではないかと思い、4年で銀行を辞める決意をしました。」

 

 銀行を退職後、タニケンさんが進んだ道は静岡県にある経営コンサルティング会社への就職でした。いずれは地元に戻って、自身の数字(お金)に関する知識・経験を活かしていきたいと考えていたため、そのために必要なノウハウを身につけるための戦略的な就職でした。

 今までと全く違うコンサルティング会社の仕事に打ち込んでいたある日、タニケンさんはこんな情報を目にします。

 

「映画『人生、いろどり』公開記念!~今あなたを輝かせるものは何ですか?~トークイベント」

 

 おじいさんの家がある上勝町の葉っぱビジネスやいろどりのことを、もちろんタニケンさんは以前から知っていました。同時に地元・徳島との関わり方を模索している時期でもありました。このイベントの情報を見た時、タニケンさんは思いました。

 

「上勝とつながるチャンスだ!」

 

このトークイベント以降、

 

「『会社のお医者さん』になりたいって考えていたけど、一軒の農家さんも個人事業主だし、上勝町のような小さな町も一つの経営体だということに気付きました。そう考えたら上勝町って自分がやりたいことをやるためにはいいフィールドだなって思ったんです。」

 

そして、タニケンさんはついに「いろどりインターンシップ」に参加する決意をします。

 

徳島・上勝 インターン時の写真

 

 インターン期間は前人未到の4か月半。この記録は2014年7月現在、破られていません。期間中は町内の農家さん、主な企業にはほとんど漏れなく行って、町のことを学んでいくとともにつながりをつくっていきました。また、おじいさんと同居しながらインターンをしていたため、おじいさんにとってはかわいい孫が帰って来て、キウイの仕事も手伝ってくれるのでこんなに嬉しいことがありません。そう、キウイ。谷家ではキウイフルーツを生産されています。そんなキウイのお話はまたあとで。

 

「インターンは楽ではありませんでした。これまでホワイトカラー一本できてたのに、朝の3時から鶏出し(ブロイラーの出荷作業)したり、その翌朝からシイタケの収穫をしたり、体つきも以前と変わって5キロくらい体重が増えました。でも今までおじいさんが住む集落以外には人との関わりがあまりなかった上勝町で、一気にネットワークを広げることができました。」

 

 2013年3月に長期のインターンを終えたタニケンさんは4月から上勝町地域おこし協力隊に就任します。始め半年間は活動方針をいろいろと模索する中で、タニケンさんは実家のキウイに目をつけました。

 

「町内で自分が何ができるか、インターン期間中から一生懸命考えていました。一次産業主体のこの町で、農家さんの労力に見合った価格で農産物を売っていきたい、そのためには自分自身に知識があって、販売のイメージが湧くモノがいいと思いました。そこで目をつけたのが、おじいさんが作っていたキウイフルーツだったんです。」

 

インターン活動と並行して実家のキウイ生産の仕事を手伝っていたタニケンさん、そのがんばりが活かされる時がきたんですね~!

 

「キウイは『追熟』という工程によって実を柔らかくし、甘みを増して、初めておいしく食べられます。しかし、売れるかどうか分からない状態でスーパーなどに出荷するのでは、一番おいしい状態で食べてもらえないという欠点がありました。そこで考えたのがキウイをギフトセットにして販売するアイディアです。」

 

キウイのギフトセット?それってなんか変わってますね~?

 

「キウイをギフトセットにしてネット販売することによって、注文を受けてから追熟の工程に入ることができます。さらにギフトの発送日をあらかじめ決めておけばキウイが最もおいしい状態でお客さんの元にお届けすることができるんです。」

 

な、なるほど~!キウイの知識とコンサルで学んだ知識が活かされたすばらしい販売戦略ですね~!

 

「そして比較的安価なイメージがあるキウイに付加価値をつけるため、キウイに含まれる葉酸という成分に着目しました。葉酸はお腹の中の赤ちゃんの発育に寄与する成分だということを知り、妊婦さん向けのおめでたギフト『安産きうい』として販売しようと決めました。」

 

安産きうい 徳島 上勝

 

タニケンさんが考案した『安産きうい』についてはコチラ!⇒ http://www.anzan-kiwi.jp/

 

 こうして、数字に強いタニケンさんの緻密な計算と熱い思いによって完成した『安産きうい』は2014年3月に販売を開始。2カ月後には販売予定箱数を全て売り切り、現在は12月の収穫まで品切れ状態という予想以上の売れ行きを見せています。

 

「キウイをギフトセットにするというのは今まで誰もやってなかったからメディアにもたくさん取り上げて頂きました。実家以外からもキウイを従来より高値で買い取っているため、農家さんにも喜んでもらえています。」

 

きういと共に 徳島・上勝

 

 協力隊就任一年で、『安産きうい』という素晴らしいヒット商品を生みだしたタニケンさん。5月からは株式会社いろどりの社員―上勝町の視察業務担当となり、筆者の同僚です。う~ん、なんと華麗なる転身!

 12月から販売再開予定の『安産きうい』、ぜひ回りの方でおめでたいお話があったら送ってあげてくださいね。そして㈱いろどりが行う上勝町の視察もよろしくお願いします!上勝町が誇るナイスガイタニケンがしっかり対応させて頂きます!

 

これからもタニケンさんの華麗なる上勝ライフから目が離せません!

 

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