はじめまして、山奥からこんにちは

2015/08/24

 

 みなさん、はじめまして。今月から、新しく記事を書く事になりました、徳島県上勝町の一般社団法人ソシオデザインの大西です。

 上勝町と言えば、ご存知の方も思いますが、高齢のおばあちゃんたちが葉っぱを取ってビジネスをしている町です。また、2020年までにゴミの廃棄をゼロに近づけようという取組みを行ったり、ヤマビコのスキルを競うヤッホー検定、徳島大学のサテライトキャンパスがあったりと、町おこしでは先進的な挑戦事例を出している町です。ほかにも、

 

「美しい村連合」54

 

日本のなかでも景観の美しい村が作っている「美しい村連合」54自治体の一つであり、

 

1000人アート

のべ1000人もの町民の手で山腹に作られたアート作品の数々。

 

上勝苔の群生

 

標高997mにある、屋久島に匹敵する苔の群生地である山犬嶽など、知る人ぞ知る観光スポットの町でもあります。

 

 この町で弊社が行っているのは、起業家育成による人口増加です。2011年から数えると、14社(個人事業含む)が立ち上がり、ほとんどが2012年以降の3年間の現象です。今年に入っても、1社誕生し、今夏にはブリュワリー等もできました。またもう1事業者誕生しそうです。たった1707人の町で、起業ラッシュが続いています。

 弊社でも多くの事業を立ち上げており、

 

ソシオデザイン事業

 

空き家再生から、フィジー留学に、カヤックに、宿泊業と、ありとあらゆる百姓な起業スタイルでなんでも取り組んでいます。

 また、力を入れているのが、インターンシップ事業で、上勝町での起業家を育成することを目的としたコースと、地域再生の手法を学び、地域の中でリーダーとして活躍してくれる人材育成コースの2コースを用意しています。ここ2年間は、アメリカ、カナダ、イギリスなどの留学先から帰ってきた学生たちが参加してくれ、大変おもしろいです。

 

  ライターを担当しますのは、代表のおおにしと,スタッフ安宅の2名で行います。 二人で、この不思議なことが次々と起きている上勝町の謎解きをして行けたらなと思います。緻密なデータを駆使する大学の先生のようにはいかないので、現場目線でお送り致します。

 今回手始めに、どうやって起業家を育てようとしているのかの考えをご紹介したいと思います。

 まず、最初に、2000人足らずの町に起業家を育てるというミッションを上勝町からいただいたと、どういう仕組みにし、どうすれば、起業した人ができるだけ長く事業を進めることができるのか、そこに着目してみました。

 まず、事業の方向性をすべて、観光型(町内利用者より町外の顧客を増やす)のものに絞ろうと思いました。例えば、グランドキャニオンはじめ、多くの自然観光地は風光明媚ですから人口が少なくともやっていける場所になっています。上勝町は徳島市内から車で約1時間以内。ちょっとしたドライブコースです。上勝町には、落差70mの灌頂の滝、苔の群生地である山犬嶽、日本一のスーパー林道の起点など、観光名所がそれなりにありながら、ほとんど若い人には知られていないエリアで、知ってもらえれば成長できる可能性の高いエリアだと考えました。つまり、観光産業には伸びしろがあるという見立てです。

 

 とはいえ、どこもかしこも観光産業に参入してくるのは目に見えているので、どれだけ独自性のあるものにできるのか、これが大きな分かれ目になってくるだろうと思いました。単なる観光客目当てのものではだめだろうというのはすぐに推測できました。そういう意味では、葉っぱ産業の彩、ごみをゼロにしようとするゼロウェイストなどの、街の柱となる哲学を活かすようなものがいいだろうという風に考えました。

 次に、移住する人の目線で考えました。上勝町に移住する、また起業するというのはなかなかハードルが高いものです。この移住ハードル、起業ハードルの高さという2つの難題を解決し、さらに、ここで住みたい、起業したいと思わせる3つめのハードル「モチベーション」を上げるものがなければ難しいだろうというのは予測がつきました。

 

 そこで初年度の設計として、①シェアハウスを作り、空き家再生とともに不動産事業ができるようにしよう、②初期投資のいらず、模擬起業ができるシェアカフェ(創業希望のある人が日替わりで運営)を作り、街になかったカフェで居場所を作ろうと、この2つを作りました。

 

<シェアハウス“メゾンドポリス”>当時の工事風景

 

 メゾンドポリス

 

<シェアカフェ いちじゅのかげ>

 

 いちじゅのかげ

 

いちじゅのかげ

 

いちじゅのかげ

 

 シェアハウスは、ちょうど空き交番だった場所を使い、自分たちでDIYし低予算で作りました。空き交番に着目したのも、当時すでに多かった古民家再生でシェアハウスというのも考えたのですが、いずれ埋没するだろうということで、交番なら注目を浴びやすいし、面白いのではと最初に手掛けてみました。3部屋あり、すべての部屋にピストルを保管できる場所があるなど、なかなかおもしろい作りでした。

 

 シェアカフェのほうは、とても初めての人は来られない山頂手前に作りました。この古民家は築250年(古い梁だけが当時のまま)という由緒あるおうちで、空き家になっていたのをリノベーションしました。看板も景観に配慮して小さくしたものですから、いろいろ迷う人が続出しました。。こういった仕掛けをもとに最初はスタートしていきました。

 

 次に、どういうふうにやっていったのか。いやそもそも、このシェアハウスもシェアカフェもうまくいったのか。次号に続きを載せる予定です。それでは宜しくお願いします``

 

 一般社団法人ソシオデザイン

 

 

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