農家の体力・・・ハンパない!
2017/06/23
- 執筆者 高下莉奈
- 所 属日野町地域おこし協力隊
みなさんの地域では、もう田植えは終わった頃でしょうか? わたしの住んでいる日野町もほとんどは終わっています。
4月下旬頃から田植えの準備。荒かきや代かきが始まり、田んぼに水が入ると、水面に反射して映る木々が綺麗で、「田舎っていいなあ」と感じたり、写真を撮りまくったりボーっとしたり。きれいな田園風景に癒されながらも、いままさに田植えの真っ最中です。
わたしがお世話になっている米農家さんは町内で約30町もの田んぼを持っています。(面積「町」の大きさはググって下さい。とりあえず規模がとんでもない・・・)
それをメンバー4人+わたし(毎日ではない)+アルバイトさん(毎日ではない)で、管理しています。主要メンバー4人の平均年齢約50歳? 4月から休みなしのフル稼働!!!
役割分担はというと、
荒かき・・・1人 (固くなった土を柔らかくするために耕す)
代かき・・・1人 (水を入れた状態で土塊を砕いたり、平らにする作業×2回)
田植え・・・1人
水管理・草刈り・・・1人
苗運び・・・1人/日(その日に入れる人) (田植えをする田んぼに苗を運ぶ)
育苗の水管理・・・1人 (育てた苗の温度・水管理)
です。全て同時進行で進んでいます。
荒かきしたところに水をいれて~、代かきして~、水管理して~、田植えをする。まさに追いかけっこ状態な田植えです。これを毎日毎日繰り返して作業をしています。
集落ごとにまとめてやっていくのですが、田んぼによってはなかなか水が溜まらなかったり(水が溜まらないと田植え準備の代かきや、田植えができない)するので、場合によっては、その田んぼはまだ後日ということになり、何回も同じ場所に行かないと田植えができないという状況もあります。
すこし水が少ないけど・・・田植え直前の田んぼ
トラクターや田植え機も自分たちで回送するので、その分手間も増える。作業が思う通りに進まないことも多々あります。それは自然相手だから仕方ありません。
わたしはトラクターに乗って、荒かきや代かきをしたりも、たまにしますが、メインは苗運びです。
トラクター運転中
「今日植える田んぼはこの7枚ね」
田んぼの面積から植える苗箱の数を計算します。
「はーい!ということは・・・苗が・・・280枚!?まじで?」
苗箱の重さはだいたい1枚2~3kg。水を含めばもっと重くなります。
日によって植える面積も変わってきます。いまのところ、最高記録は1日で1町6反5畝。北海道みたいに1つの田んぼ面積が大きいところには敵いませんが、小さい田んぼが点在する日野町ではなかなかの面積です。
軽トラに苗を積んで(MAX70枚)・・・いざ出発です。
育苗ハウスから近い集落の田んぼだと移動距離が少なくて楽なんですが、遠いと往復で50分くらいかかるところも。計算して出した枚数を畦に置いていきます。
そして田植え機にも苗を補充し、苗箱も回収しながら、次の田んぼにも苗を置いていきます。
順調に田植えが進んでるなーとのんびりしていると、
「あ!一列植えれてへん・・・」
機械で植え直しをすることもありますが、基本は手植えです。泥に足を取られながらも植えていきます。
そして苗運びも、なかなかハードな仕事です。
「次の苗を育苗ハウスにもとりにいかないと・・・あ!午後から植える田んぼの水も調整しないと。」
「肥料の補給も!」
「苗箱回収も!」
のんびりしている暇はありません。(いや実際、田植え中は少しのんびりしています。)
田植え機が順調な時はのんびり、苗積みができますが、苗が詰まったり、機械が深いところにはまると大変です。
田植えをしながら、畦に「破竹」を見つけたり、「キイチゴ」「イタドリ」などの山菜を採ったり、カエルと遊んでみたり、蛇と遭遇したりと、おもしろいことだらけです。たまに近所の方からアイスクリームや缶コーヒーを頂いて一服も。
連日の苗運びでわたしの体力もパワーアップ! 二の腕の筋肉が逞しいことに・・・
でも休みなく働いている農家さん4人は本当に凄いと思います。朝は5時から、自分の担当している集落の水管理から一日が始まって、田植えをして、終わったらまた水管理をして一日が終わる。これの繰り返し。
こんだけ苦労して作られているお米なのに毎年毎年、米の価格が下がっているのは本当に嘆かわしいことです。何事もですが、それに見合った適正な価格で販売されることによって所得が向上し、後継者も育つと思います。
年々米離れが進んでいますが、こんな身近に美味しいお米があるので、わたしは積極的にお米を食べようと思います!!