五右衛門風呂とおそばが自慢の農家民宿「かくら」!
- 執筆者 福嶋美佳
- 所 属
2017/11/27
NPO地域おこしの福島です。今日は、私たちNPO地域おこしが活動する池谷集落にある、農家民宿「民宿かくら」さんをご紹介したいと思います!
「かくら」のご主人、近藤哲也さんはなんと御年84歳!!
とっても手先が器用で、今でもチャレンジ精神が溢れ出ているパワフルなじーちゃんです!
イベントの参加者の皆さんと。前列右から2番目がかくらさん。ちなみに、後列左から2番目が筆者
かくらさんが自ら手がけた、宿の設備は数知れず…。
例えば、上の写真の背景に写っている薪ストーブまわりのレンガも、かくらさん自らやったそうです。
横の縄文土器のレプリカも、かくらさんの手作り!(十日町は国宝の縄文土器がある場所なんです!)
数ある中でも、かくらさんの代表作といってもいいのは、五右衛門風呂でしょう!
浴槽となる釜が3つ並んでいて、薪をたいて温めます。身体が芯からぽっかぽかになる、とっても気持ちのいいお風呂です♪
他にも、ピザ釜やブランコ、庭のテラスなどもかくらさんのお手製! 自作の域を超えています…!!
ブランコは、子どもはもちろん大人にも大人気!
棚田も見えて、眺めも最高!
なんでも作っちゃうかくらさん。一体何者なの?? と思う方もいらっしゃるでしょう…。
実は、元々は設備屋さんなので、重機の扱いなどはお手の物なんです。
ではなぜ、元設備屋さんが農家民宿を始めたのか…? その理由からもかくらさんのチャレンジ精神をうかがい知ることができます。
かくらさんは、元々池谷集落にお住まいの方ではなく、池谷から車で10分ほど行った先の地域に自宅があります。今でも自宅と宿を行ったり来たりの生活をされています。
設備屋さんの前は行商をしていたそうで、池谷集落にもよく商売に来ていたそうです。当時から池谷の村人たちはオープンでフレンドリーだったらしく、かくらさんも池谷のことに詳しくなりました。
すると、ある村人から家を買ってくれないか、という相談を持ちかけられました。山の奥の集落にある家をわざわざ買うことに、かくらさんも非常に悩んだそうですが、最後は家主に押し切られて買うことになったそうです。
さて、家を買ったはいいものの、住むわけにもいかないし、かといって遊ばせておく訳にもいかないし…と思っていたところ、農家民宿というものがあるらしい、と聞き、やってみることにしたそうです。
家を宿に改装し、開店間際というところに中越地震が起きてしまい、大変な苦労もされたそうです。
それでも諦めずに始めた不屈の精神、そして10年以上前の当時はまだまだ農家民宿が珍しかった時期だと思うので、かくらさんの先見の明はすごいなぁと感じます。
宿には昔の道具がいっぱい。こういう雰囲気づくりも上手です
そして、農家民宿かくらの一番の自慢は、なんといってもおいしいお料理!!
かくらさんが池谷集落の村人から教わった手打ちそば。そして、奥様のおいしい田舎ごっつぉ(ごちそう)を求めて、都会からもお客さんがやってきます。
先日、友人とかくらさんでそばランチを楽しみましたが、とにかくボリュームがすごい!! そばに天ぷら、そしておかずもたくさん…!
ちなみに、十日町のおそばは「ふのりそば」といって、つなぎに「ふのり(布海苔)」という海藻を使っています。
「ふのり」は着物をしたてる時に使うもので、着物の産地である十日町ならではのおそばです。ふのりそばは、ツルっとコシがあって、いくらでも食べられちゃいます!
ちなみに、十日町では「へぎそば」というのも有名ですが、「へぎ」というのは器の名前で、「へぎ」に盛られるおそばのことを「へぎそば」と呼びます。
十日町では、数多くのそばの名店がありますので、十日町にお越しになった際にはぜひ食べてみてください!
そばと天ぷらだけで、お腹いっぱいになるところですが、副菜もおいしくて箸が進みます。
中でもオススメしたいのが、「ズイキの酢和え」です。
ズイキとは、ヤツガシラという里芋に似た野菜の茎の部分です。私は十日町に来て、初めて知りました!
酢であえるのが定番の調理法で、さっぱりとしていて、いくらでもいけちゃいます!
宿の雰囲気とおもてなしがすばらしい「民宿かくら」さん。ぜひ一度訪れてみてください!
なお、そばは完全予約制なので、お越しの際は予約をお忘れなく♪