横倉山と山小屋
越知町にある「横倉山」という標高774mの山。その昔は、土佐で唯一の修験場の霊場として栄えていたそうです。安徳天皇の終焉の地でもあり、樹齢数百年のアカガシの原生林や、様々な植物が自生しています。そんな山の中に、それはそれは立派な山小屋があります。
それがこちらです。最寄の第3駐車場から歩いて10分ほど。あー、魔女の宅急便で見たことあるわ~ テンションあがる~!!
しかーーーし!
この山小屋、
電気なし!
ガスなし!!
灯りなし!!!
水もなければ!!!!
泊まるにあたっての連絡の必要もなし!!!!!
寝袋さえ持参すれば誰でも泊まれちゃうのです!!!!
そんなわけで今回は、スタッフと共にこちらに一泊したいと思います。
ただ到着したのがまっ昼間。なんにもない。この山小屋にいても、まったくもってやることがない。さすがに寝るわけもないので、横倉山の中を散策してみることにしましょう。遊歩道にはなってはいますが天然の山。観光案内所で地図をもらうことをおすすめします。
山小屋から歩いて20分ほど。山頂にもほど近い場所に『横倉宮』という、崩御された天皇を祭っているお宮があります。その横には、あの有名な牧野富太郎が初めて見つけて、名前を付けた「ヨコグラノキ」というビックリするくらいストレート木もあるので併せて見に行き、そのストレートさ身震いしました。そのすぐ下には『馬鹿だめし』という馬鹿発見機のような名前の4億年以上前の石灰岩でできた、高さ80mほどの崖になっています。
横倉宮からさらに歩いて20分ほど苔むした長い石段を上った先に『安徳天皇陵墓参考地』があります。
いわゆるお墓です。壇ノ浦で負けた平家一族がこっそりと四国に逃げ込んで、ここを終焉の地にしたそうです。安徳天皇は、ここで蹴鞠をしたり、乗馬の練習をしていたみたいですね。そしてここが高知県内唯一の宮内庁所管地になっています。へぇ〜
そこから少し下ったところには『平家の穴』という「ヨコクラノキ」に匹敵するストレートな名前の穴があったりします。
安徳天皇陵墓参考地からまたさらに20分以上歩くと、修験道の鎖禅定という鎖を伝って崖を降りる難易度高めの崖があります。
何が難易度高いかというと、鎖が茂みの中を通っているので、降るときに小枝が体に刺さる刺さる。痛いったらありゃせんわ!!
そして崖を降ったあと さらに今度は目の前の崖を登ると『住吉神社』があります。道のりに対して神社がちっこい気がしますが、神社から見える景色は、すごくキレイなはずです。(私が行ったときは雲で覆われていましたが…)
さぁここまで来るとそろそろ日も沈んでくる頃でしょう。真っ暗になる前にゆっくりと山小屋に戻りましょう。
昼間、魔女の宅急便だー!なんてテンションを高めていた自分は、もうそこにはいませんでした。
おうちに帰ろう・・・
しかし、山小屋に泊まると言ってしまった手前、ここで引き返したら、さすがに恥ずかしい。
意を決して中に入ってみると、当然灯りがないので真っ暗。持ってきたヘッドライトのスイッチを入れる・・・
思いのほかキレイだった。外が少し蒸し暑いのに対して中は、ひんやりと涼しいのが怖さを煽ります。人、もしくはそれ以外の先客もおらずとりあえず一安心。カップルなんかが山小屋でいちゃいちゃしていなくて本当によかった。
室内を調べまわると、やっぱり「〇〇参上」の落書きがあったり、隅の引き出しには、謎の小銭、六十数円が入っていたり。漁っているうちに徐々に慣れてきたので、持ってきた寝袋に入ってみました。
なんやかんや慣れてくると快適な気がしてきてしまいます。
とはいえ、初めての山小屋。なかなか簡単に寝つけないものです。
夜の12時くらいになると雨が降ってきて、外の雨音に耳を澄ましていると雨音に交じって、ザッ ザッ と足音が・・・その足音が扉の前まで来たので お客さんかなー?
なんて思っているうちに気が付いたら寝ていました。テヘ!
昨晩の雨で山が霧がかり、神秘さを増しているのを心地よい寝起きで、散歩して、今回は帰路に着きました。
どうでしょう、横倉山と山小屋。
自然を満喫したい!ハイキングがしたい方に是非おすすめです。もちろん日帰りでも行けます!お弁当を持っていってもステキですね。時期がよければ、ホタルも見れるそうです。
それから、横倉山には「ギンガダケ」が生えてるそうです。ギンガダケとは、日本では、八丈島などにしか生えていないとても貴重なキノコらしく、マニアな方がよく探しに来るそうです。見つけたら教えてください!
■横倉山 山小屋
【アクセス】 横倉山自然の森博物館から車で30分。道なりに山を登り、第3駐車場から歩いて10分