いなか暮らしをお祭りで体験してみる
- 執筆者 久米可奈子
- 所 属阿南市地域おこし協力隊
2019/08/05
都会にお住いの方、田舎暮らしを体験してみたいなと思ったらお祭りに行ってみるのもおすすめです。
徳島県阿南市に住んでみたら、なんとお祭りの多いこと。夏の風物詩天神祭や住んでいる地域の氏神さまのお祭りなど大小ありますが、本当にたっくさんお祭りが行われています。
都会にいたときは、お祭りというと神社は混んでるし、屋台はどんなのが並んでいるのかわからないくらい混んでるし、帰りの電車には乗れないくらい混んでるし、トイレも混んでるし、盆踊りも踊れるわけじゃないしで、どちらかと避けていた方です。
そんな私が地域おこし協力隊としてやって来た町で、実行委員として夏祭りに関わることになり、田舎の小さな町のお祭りがどのようにつくられているか知れました。
轟神社の境内に祀られた天神さんのお祭りに合わせて、地元の人が奉納として花火大会を開催したのが始まりだったという「あらたの夏祭り」は、地域のみんなでやっているところがとてもおもしろいです。
夜店は、地元でお店をやってる方や地域団体の方、お父さんお母さんの集まりで屋台を出していたり、余興では地元の子どもたちが歌や踊りを披露したり地元の阿波踊り連が踊ったり、神社の境内にステージを設けて地元のバンドマンたちが歌ったりと、どれも自分たちが関わってお祭り会場も作り、自分たちもお客さんとなってお祭りも楽しんでいます。
春が過ぎて田植えとたけのこの収穫がすっかり終わった頃に、まずお祭りに向けて計画を練り始めます。それから町の人で公民館に集まってどんなことを準備するか話し合い、手分けして担当を決めたりします。夜店に使う設備や、余興のために設営するステージの手配をしたり、力仕事があるときに手伝ってもらえる人を集めたり、お祭りの運営費のために寄付金の集金にまわったり、なんだか学生時代の文化祭のようなことを大人が仕事の合間にやっています。
この時期はお祭りという共通の話題で普段はあんまり話をしない人とも関われる機会でもあり、「こわい人と思っていたけど、全然そんなことなかった!」なんてまさに学園祭のようなエピソードもあり・・・夏祭りをきっかけに地域おこし協力隊というものを知ってもらえたりもして、本当に町中のみんなが関わっているんだなぁと感じました。みんなでお祭り当日を楽しむために、みんなでお祭りに向けて準備しているのはこのお祭りのすてきなところです。
他にもすてきだなーと思ったのは、お祭りの時期に合わせて帰省している人も多いところ。お子さんを連れてだったり、同級生と予定を合わせたりとこの時には新野町民に戻って故郷の変わらない姿を懐かしんだり、新しく変わったところを発見したりしているようです。帰省のタイミングってお盆やお正月だとばかり思っていたけど、こういうときに帰ってみるのもいいなぁ。
田舎のお祭りは都会に比べて空いていて行きやすいだけじゃなくて、町のみんなが暮らしの一部として楽しんでいるところがみられるから面白いです。
私がUターンするきっかけの1つに地域の人と関わったからというのがあります。
精進料理を習うようになって自然に近い暮らしがしたいと思い、美味しい野菜を追い求めるように移住を考え始めましたが、10年以上も徳島を離れすっかり都会暮らしに慣れていた私は故郷に帰るなんて考えていなかったし、私の生まれ育った町は田舎の例にもれなく過疎化しいつか合併してなくなっていくんだろうと思っていました。
ところが、久々に帰省したらここでの暮らしを楽しんでいる人がたくさんいたんです。この地域の文化や習慣を楽しんでいる人がいる町ってたとえ過疎化して人口が少なくなっていたとしてもすてきだなぁと感じて、徳島で暮らしてみたいと思うようになりました。
それから、新野町の夏祭りは花火が豪華です。地元の花火師さんが作った打ち上げ花火を間近でみられるのはここだけ。小さなお祭りだけど、本格花火で迫力があります。ぜひぜひ民泊を利用して遊びに来てくださいね。今年はあらたの夏祭りは終わっちゃったけど、これから秋の終わりまであちこちでお祭りやってます。