参鍋養鶏場、切山集落の「奇跡」のはじまり
- 執筆者 古川智恵美
- 所 属一般社団法人いなかパイプ
2020/06/11
いなかパイプは、初めてのクラウドファンディングに取り組んでいます。それは愛媛県四国中央市にある切山集落や、そこにある参鍋養鶏場を次世代へ残すためのプロジェクトです。
【いなかをつなぐプロジェクト1】
平家伝説が残る四国の天空集落『切山』。奇跡の自然卵を次世代に継ぐ挑戦!
元々、参鍋養鶏場といなかパイプの関わりは、いなかパイプの取り組みを紹介するNHKの番組をたまたま見た参鍋さんから
「後継者を募集してほしいんだけど・・・」
とメールが届いたところからはじまりました。
下見に訪れお話させていただき、いなかパイプで求人募集することが決まり、遠隔スタッフのわたしも広島から取材へ行きました。2019年の夏のことでした。
まさに「天空」感がある切山集落
初めて訪れた四国中央市。山道をぐんぐん登っていった先に切山集落がありました。標高400mくらいということで夏でも爽やかな風がふいていました。参鍋さんに案内していただいて養鶏場を見学し、餌の作り方を教えてもらったり、ブロイラー養鶏から平飼い養鶏へ切り替えた思いなどを聞かせていただきました。
撮影するいなかパイプ代表・ササクラレオさん
切山集落もあちこち案内していただき、平家伝説の里として知られ1400年の歴史がある(!)ことを教えてもらいました。そして、日本中のいなか同様、若い人がほとんどいないこと、切山集落をなんとか残していきたいという思いをお聞きしました。
参鍋養鶏場の卵が入ってる爆ドーナツ。ふわふわの焼きドーナツでとても美味しいです。
帰ってから、この集落に外から入って養鶏をやりたい人はどんな人なんだろうと想像し、悩みながらなんとか原稿を書きあげ、いなかパイプのホームページで公開されました(求人記事はこちら)
しかし、なかなか応募は来ず、うーんわたしの記事がイマイチだったのかも・・・と思っていたところに、応募してこられたのが今回移住された阿部さんでした。
仲良しの鶏と阿部さんのツーショット
参鍋養鶏場での1ヶ月のインターンシップを経て、ご自身も「働きたい!」となり、参鍋さん側も「ぜひ働いてほしい。切山を盛り上げてほしい」となったのですが、息子さんも帰って来られたこともあり、さらに一人雇用するほどの余裕がなく・・・となっていたところに、「ないなら集めましょう!集めて鶏舎を増やしてパッケージを変えて全国へ発信していきましょう!」といういなかパイプ(ササクラレオ)流の「とにかくやろう!どうすればやれるかを考えよう!」ポリシーで、今回のクラウドファンディングをする流れとなりました。
代表の参鍋修一さんのメッセージがとっても心に沁みたのでよかったらぜひ見てください。
移住してがんばっていらっしゃる阿部さんからのメッセージはこちら
息子の昇平さんからのメッセージはこちら
今、日本のいなかの産業で起きていることは黒字だけど廃業、というパターンです。それは後継者がいないから。そうやって小さな会社や事業がどんどんなくなろうとしています。
一方、都会では自分の生き方に違和感を持ちながらも、どうチャレンジしていいのか、自分になにができるかわからず、踏み出せずにいる若者がいます。その両者をつないでいくこと、まさに「パイプ」に、いなかパイプはなろうとしています。
わたしの書いた記事はほんの小さなきっかけに過ぎませんが、それを見た埼玉の若者が50人ちょっとの集落へ移住して息子さんと力を合わせて養鶏場を継承し、切山集落を盛り上げたいとがんばっている。なんかすごいことだ!と勝手に思いながら、とっても嬉しく、心から応援しています!
よかったら記事のシェアやご支援、どうぞよろしくお願いいたします。
【いなかをつなぐプロジェクト1】
平家伝説が残る四国の天空集落『切山』。奇跡の自然卵を次世代に継ぐ挑戦!