「海外旅行保険」をかけておいて良かったと思った話

顔の写真
執筆者 安澤真希
所 属かつおゲストハウス

2020/12/21

 世間がコロナで騒がしくなる直前、2019年1月の中旬から3週間の休みを利用して、ハワイ島 → マウイ島 → ベトナム → タイの3カ国へ行ってまいりました。

 皆さんは海外旅行へ行く際は、保険をかけていますか? 私は海外へ行くときは必ず「疾病治療費用」をかけるのですが、有り難いことに一度も使ったことがありませんでした。

 今回は、初めて海外旅行保険にお世話になった出来事(といっても実際に保険を使ったのは私ではなく主人ですが…)があったので、そのときのことを話したいと思います。

 

 旅行の前半であったハワイ島、マウイ島、ベトナムは何らのトラブルも身体の不調もなく楽しんでいた私たちでしたが、ベトナムからタイへ向かう飛行機の中で、主人にある異変が起きたのです。

 頭を抱えもだえ苦しむ主人に、はじめは「新種のウイルスに脳が感染か!?」と訝った私ですが、どうやら違ったようです。彼を襲った不調は耳痛でした。

 気圧の差で生じるあの耳がゴーッとかキーン!ッてなるやつです。誰にでも起こりうる症状なのですが、主人の場合は左耳が想像を絶する激痛だったようで、チェンマイ国際空港に到着するまでの間、ひたすら耳を抑えて耐え忍んでいました。

 通常なら、耳抜きやあくびですぐに治り、最悪でも着陸してしばらくすれば自然と治っているものなのですが、主人の場合はいつまで経っても治らず、痛みも去ることながらずっと左耳がこもって聞こえる状態でした。

 

 そして1日経っても症状が改善される様子がなかったので、ゲストハウスのオーナに病院を紹介してもらうことになったのです。

 こういう時の「日本人宿」は本当に心強いです。海外旅行者へのアテンドが、食から病気まで精通しています。今回はチェンマイのスローハウスという日本人宿のあゆみちゃんにたくさん助けてもらいました。

 そして、病院を紹介してもらい、治療費がいくらになるか分からないまま、保険証書とパスポートを握りしめ、思い切って病院へいってみました。

 

チェンマイラム病院

紹介してもらった「チェンマイラム病院」

 

 病院へ着くと、何人かの案内役がいて、その内の一人の言われるがままに受付へと案内されます。

 院内は撮影禁止だったので写真がありませんが、一言で様子をいえば、日本の総合病院か、それ以上に清潔感がありかな〜り綺麗です。およそタイのあの雑多なイメージからは想像できないほどです。

 

サイン

外国人は受付でパスポートを渡して、診察を受けるための書面にサインをしなければなりません。

 

 受付でしばらく待ったのち、カタコトの日本語を話す人がやってきて

「通訳は必要ですか?」

と聞かれました。もちろん二つ返事でハイとお願いしました。

 そして流暢な日本語で話しかけてきたのが、タイ人のミントさんという可愛らしい女性の方。その場で日本語の問診票を渡されて、あとは日本と同じように、どんな症状があるのか、痛む箇所はどこなのか、それはいつからなのか等を聞かれます。

 一通りを終えたあとに、体温と血圧を計って、診察を待つ間に海外旅行保険の証書を渡して、自分たちが出国前にチョイスしていた保険の内容を確認してもらい、保険を適用させるための同意書を書きます。

 すべて英語での記載だったので、なれていないと住所や名前や番号の書き順に手間取ります。ですが、必要な手続きは、なんとこれだけでした!!

 あとは診察して、薬をもらって終わりとのこと。基本的に言われるがまま、案内されるがままで不安だったのですが、後でもらった領収証にはきちんと「CREDIT」と載っていたのでホッとしました。

 

領収書

病院で渡された領収証。トータルで1,685バーツ。日本円でだいたい6,000円くらいですね。保険の摘要で¥0で治療できました。

 

 さて、診察が始まると、主人と耳鼻科の先生とミントさんでやり取りします。

 気になるところがあれば親切に教えてくれる上、どんなことでも事細かに通訳してくれるので、ほぼ日本で診察を受けているに等しいです。

 主人の病名は「副鼻腔炎(鼻の粘膜や副鼻腔に炎症が起きている状態)」とのこと。あれ?耳ではなく鼻?と思いましたが、説明を聞いて納得。超簡単にまとめると、元々患っていたであろう副鼻腔炎が、飛行機の乗りすぎで限界になったらしいです。

 長くなるので割愛しますが、症状と対策を一から説明してくれて、非常にわかりやすかったです。むしろ日本の多忙な総合病院よりも丁寧な印象です。

 診察が終わったら、あとは薬を待つだけ。そして薬を受け取るときも、薬一つひとつがどういう効能かを全て説明してくれて、さらに日本語でいつ飲めば良いか、何錠飲めば良いかを書いてくれます。

 

タイの薬

処方された5種類1週間分の薬。タイ語から日本語に翻訳してくれます。

 

 とはいうもの、当の主人は、タイの薬はどうなのかなと半信半疑の気持ちが払拭できないまま。日本と海外の薬とでは技術的にも大きな隔たりがあるのではないか?と疑っていたようなのですが、ただの取り越し苦労で、薬を飲んだ翌朝には、今までの耳の痛みや閉塞感が嘘のように治ってしまったのです。

 タイの薬ヤバすぎ?!! と、その後のチェンマイ旅を大いに満喫していました。ただ、あくまで主人の場合たまたま治っただけかもしれないので、海外の薬を過信するのはやめたほうがいいですね。

 

 実は今回のようなケースは、海外旅行が長引くと往々にしてあるらしく、チェンマイのような比較的大きな都市では外国人の外来対応になれている病院も多々あるようです。

 お世話になったチェンマイラム病院も然りで、日本人はしょっちゅう来るよ〜とミントさんもおっしゃっていました。入院する人もたまにいるみたいです。ただ、田舎の方ではこうもスイスイいかないと思うので、注意してください。

 

旅行保険

 

 ちなみにですが、私たち家族がかけていた保険内容がこちらの2点のみ。①傷害治療費用 ②疾病治療費用。

 2つの保険(3週間)で1人6,390円。家族3人で2万円近くになるので、旅のプランと相談して、何が必要なのかをちゃんと確認しましょう。

 よく「ファミリーパック」「お得なセットプラン」等のまとまった商品をすすめられるのですが、クレジットカード付帯の保険もあるし、不要な保険内容も入っているので、私は必ずバラかけにします。また、今回は東京海上日動火災保険株式会社でかけましたが、保険会社によって金額も保証内容に差があるので見積もりをとるのが良さそうです。

 

 今回、初めて海外の病院へいってみて、海外旅行保険に入っていて良かった!と、つくづく思いました。

 今回は6000円の支払いでしたが、これが事故に遭ったり、重い病気にかかったり、救急車で搬送されたり、飛行機で日本の病院へ運ばれたりでもしていたら。しかもその土地が医療費が馬鹿高いアメリカだったら・・・ と想像するだけで顔面蒼白です。治療費が跳ね上がり、保険に入っていないと到底支払えない金額になります。無保険なのに海外で事故して治療費が払えず家を売って支払った・・・なんて旅人がいると旅先で聞いたこともあります。

 

 何かあったときのために、特に長期渡航の人は(医療費が高い国は)必ず海外旅行保険に入っていたほうが良いです。後に何十何百万という請求に泣くより、数千円で安心を買ったほうが絶対にお得です!

 

FacebookTwitterLine
顔の写真
安澤真希さんのプロフィール・記事一覧はこちら
    • かつおゲストハウスのヘルパー募集中!詳細はこちら

    • 前田真希