歩きへんろで四国巡りを楽しむ!!
- 執筆者 和田玲子
- 所 属シェアハウス土佐指南家
2022/02/08
女性専用の民泊&へんろ宿 「シェアハウス土佐指南家」おかみのレイです。
四国88か所の歩きへんろをできる時に続けて2年近くになりました。
高知の第30番札所善楽寺から開始して、先日香川の第88番札所大窪寺を巡拝しました。これで巡拝が59/88か所へ。
10km歩いて、膝が痛くなりタクシーやバスに乗って帰宅という先行き不安での開始でしたが、続けてきたおかげで今では1日に24km歩くことができるようになりました。
徳島の第1番札所からの開始だったら、第88番で結願(巡拝を達成すること)となりますが、私達の場合は第29番までの行程があり、へんろは続きます。
標高数百メートルのへんろ道を歩くと、秋の紅葉、春の桜など四季の変化を肌で感じます。
冬は防寒が大事ですが、長距離を歩くと汗をかいて暑くなり、上着の着脱で体温調整することが必要となります。春と秋がベストシーズンだと言われる所以を、実感しています。
絶景 香川県屋島からの眺め
大きなたぬき 屋島寺にて
長距離コースがあり、歩きへんろの道中で見つけたステキなゲストハウスや温泉宿に宿泊して楽しむこともありました。
ゆっくり疲れをとり、高知の家からの早朝出発より、翌日出発がスムーズとなります。
香川県善通寺市で見つけたゲストハウス「風のくぐる」は、風と光がくぐりぬけるがコンセプト。かわいい窓がたくさんあり、お部屋も遊び心があふれた構造で、へんろ宿でもあります。
うどん県らしい部屋の名前も楽しく、私達は「かけ小」の部屋でくつろぎました。オーナーさんと話すことができ、へんろ宿の情報も教えてもらい、貴重な時間となり有意義に過ごせました。
おすすめの宿、ゲストハウス「風のくぐる」 詳細はコチラから。
宿の灯り
楽しい宿の部屋
歩いて到着後、寺の建築や景色を見て、読経すると心が落ち着きます。心が洗われるようで、鳥のさえずりや風の音なども聞こえてさらに癒やされていきます。
苦労した分、到着できた時の感動は何倍にもなります。難所と言われる所だけに限らず、予想以上に高低差がある山道を進み、山越えとなることもあるので、油断大敵だと肝に銘じるようにしています。
第88番札所、大窪寺までの道中では、女体山に上がる岩場に苦戦して、4時間の予定のところ、6時間での到着となりました。
さらなるハプニングも。山道途中での昼食中に物音がして、ふと見ると10m以内の近くでイノシシと遭遇しました。黒い毛色だったので最初は、まさか熊?と生きた心地がしませんでした。イノシシが突進してこないかと冷や汗もので不安はマックスでした!!
主人が低音で大声を出すと、驚いて逃げてくれて助かりました。ほっとしたら、全身の力が抜けました。
女体山頂までの岩場道
山頂到着後の一息
女体山頂からの眺め
その日はまたイノシシに遭遇しないかと山道を降りるまでとても心配で、動物除けの鈴を鳴らしました。野生動物の恐怖を体験して、山道での護身の大事さを思い知らされました。
民家の傍まで、群れで降りてきている猿もよく見かけました。人ごとではない現実が身近にありました。
私の場合、主人と2人での歩きへんろで、随分と助けられています。
コースなどの計画、動物遭遇時の対応、疲れた時の励ましなど1人でなくてよかったとつくづく思います。標識が見づらい所もあり、地図などでの確認も大事ですが、そういったことが苦手な私にとって相方は大事な存在です。
すれ違うおへんろさんとの挨拶
「ご安全に」
が、今まで以上に実感がこもるようになりました。
「よくぞここまで、そしてこれからも、どうぞご無事で」
と心底願うようになりました。
八栗寺にて
地元の方とすれ違う時にも、できるだけ元気に挨拶するようになりました。
これも、おへんろを通して感じた自分の変化の一つです。自然と
「おはようございます」
「こんにちは」
といった言葉が出てくるようになっています。
そして励ましの言葉や挨拶の返答があると、不思議と元気になって足取りも軽くなります。
志度駅前のうどん店での一杯
そんなやりとりが嬉しくて、同時に気持ちまでが穏やかで温かくなってきます。
急な下り坂、階段などで膝、ふくらはぎ、足底の痛みなどは15km過ぎた頃より、出てきて体力が消耗されていきます。そんな時、目印の石標などに遭遇しては随分と助けられます。
「へんろみち」に沿って付けられた励ましの言葉や優しい絵なども同様です。いつかは、励ます側になれるように頑張ろう!へんろの体験話をお客様とできるようになると信じて、楽しみにしています。
レトロな駅舎
初志貫徹で四国88か所を結願できることを目指して、進めていきます。
おへんろ宿としても、まだ修行中。ほっとでき、くつろぐ場となるようにがんばります。
高知の旅、四国へんろなどお客様との出会いは、まさしく一期一会、不思議なご縁や感謝の思いをいつも感じています。
おへんろ体験を今後も報告していきますので、引き続きよろしくお願いいたします。