石垣のメリット

 (株)菅組様がコミュニケーション力アップを狙って新入社員研修で、石垣を修復しにいらしてくださいました。

 

社員研修

新入社員1人1人がきちんと揃えた靴

 

 新人のお一人から 、

「石垣はコンクリートと違って作ったその時から使えるところがメリット」

と言う感想を頂いて、なるほどと思いました。そこで私も石垣のメリット探しをしてみました。

 

石垣

新入社員が積み直した石垣

 

1.長く使え再使用しやすい

 石は何万年も前から存在し、現在まで残っています。つまり、コンクリートと違って耐久性に優れています。

 一方コンクリートの耐久性は長くても70年ほど。あっという間に産業廃棄物になってしまいます。

 

2. 環境への負荷がない

 コンクリートを作る際に使用されるセメントは、生成時に多量の二酸化炭素を放出します。そのため、環境への負荷がとてつもなく大きいのです。

 セメントの主原料、石灰の化学式は CaCO3です。「CO3」 がありますね。

 この石灰岩を高温で焼く(1300℃以上)と多量の CO2(二酸化炭素 )が排出されます(推定量石灰石 1kg から CO2 排出 0.44 ㎏) 。

 石灰石は、大量の二酸化炭素を含むため、地球上の石灰岩を全て熱分解したとすると、気温が300度上昇すると言われています。

 このような理由から、コンクリートの使用が環境に負荷をかけることは明らかです。しかし石は、何の加工もなく使用でき、環境への負荷が全くありません。

 

3. 生物の棲み処になる

 まだまだ石垣にはメリットがあります。

 例えば川の護岸を石垣にすることで、小動物やうなぎといった生物がそこに棲むことができます。

 

 環境への負荷の大きさや生物との共存を考えると、石積みの技術や強度を高め、コンクリートではなく、やはり石垣にする必要性があると思っています。

 イタリアでは、 石垣の強度基準を国が定めて 石垣の使用を勧めています。日本も石垣の価値を再確認及び共通理解 でき、国によって守られたら良いなと思います。

 新人さんの一言から、私も石垣のメリットを探す機会をいただきました。

 

 地球が「命豊かな世界」に少しでも戻ってほしい 、石垣のメリットを一人でも多くの方が知って欲しい、そういう気持ちで石垣修復の活動を今後も続けていきます。

 

 こちらの研修は、2022年7月にドリマの上で行いました。

 興味のある方は、ぜひ男木島へ石垣修繕をしにいらしてください。お待ちしています。

 

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