猫が見つけた空き家をリノベ① やりすぎDIYのはじまり
新潟県は上越市牧区の里山「高尾」から、こんないなか暮らしもあるよ~と、小学生の頃に引っ越してきたのでほぼ地元感覚だけど、一応移住者の私がゆる~く発信しております。
この原稿が掲載される頃に、この高尾の積雪がどうなっているのか、気になるところ。ソワソワしながら書いています。積もった?ねえ積もった??(過去の私から未来の私へ)
今年はどこに行っても、誰に聞いても「大雪になる」「見たことないくらいの大雪になる」と言われまくっているので、気が気ではありませんが、雪の話はこれくらいにして・・・
今回は、現在暮らしているこの自宅兼「シェアする空間 山のホムサ」として、週に3日オープンしているシェアスペース(12月~春まで一時休業中)でもある古民家の改装経緯について、振り返りつつ、ご紹介したいと思います。
片づけ・解体等で約2年、つくる工程(自力・一部業者含む)と旧自宅からの引っ越し整え&シェアスペースを立ち上げるまでの装飾など作り込みであわせて約2年。
合計4年程かかっているので、頑張って凝縮しますが、あきらかにかなり長くなりそうなので、、、、
今回だけではなく、何回かに分けて「リノベ裏話シリーズ」としてお届けします。たぶん4回くらい?の予定です。増える可能性大ですが!
古民家を譲り受けた経緯
改装の前に我が家がどうやって、この空き家を譲り受けたかを時々聞かれるので、簡単にご説明しますと、いくつかの偶然・必然が重なった結果です。
●過去に何人か購入希望の方がいたらしいが、なぜか断念していた。
●持ち主の方が、いい加減空き家の処分(解体)を考えていた。
●解体費用もかかるし、山に土地も残っているからどうしようか?
●でも仕方ないから壊すか・・・。
と言う家主サイドのタイミングと
●昔から、古民家の改装をずっとしたいと思っていた両親だったが、子供(私たち)がまだ小さく、そこまで手をかけられる余裕が無かった。
●結果、新築として建てる事になり、古民家改装にずっと心残りがあった。
●その自宅のローンがまだ少し残っているが、もうじき終わりそう。
●高尾地域にはちょっとした宿泊できる場所が無い。そういう場所があればいいのになあと、思う事が多々あった。
●同時に、人が訪れるきっかけになるイベントなどをする会場にも使える場所を作りたかった。
●近所(徒歩1分)にずっとある空き家が気になる・・・え?今年壊しちゃうの??ちょっと待った!!!!
と言う私たち側のタイミングが重なった結果、空き家だった時に管理しておられた、地元の方の協力もあって家主様との話がグングン進み、良心的過ぎる価格でお譲りいただけたのでした。
意外と空き家が少ない高尾
そもそも、この高尾地域には空き家があまりありません。住人が全く変動していない訳ではなく、空き家になると、割とすぐに解体してしまうからです。
直接それぞれの方に聞いたわけではないので、詳しい事情は分かりませんが、小耳に挟むのはいつも
「地域の他の人たちに迷惑をかけられない」
「家を残しても(自分がいなくなったら)家族に迷惑がかかるから」
と言った理由が大きいのではないのでしょうか。
まだまだ使えるお家や、年季の入った古民家などが無くなっていくのは、なんだかもったいないし、寂しい限りですが、それをいちいち引き取る腕も無ければもちろん経済力も皆無です。
今回、たまたま近所の空き家が壊される事を知り、たまたま私たちのタイミングもあい、家主様は、解体の手間や費用をかける事なく手放すことができ、私たちもとっても便利な近所にあらたな
「あそびば」を手に入れる事が出来た訳です。
「あそびば」って、たった今ひらめいたのだけれど(笑)当時は確かに、未知のものを手に入れてしまって、
「ここをこれからどうやって変えていこう?」
と不安もありましたが、毎日ワクワクそわそわしていたのを覚えています。
実は人間より先に猫が目をつけていた空き家
何年も前に、ある日私の家の猫が何日間かいなくなった事がありました。
その猫は、赤ちゃんの時に貰った猫で、野良上がりの他の猫のように何日か家を空けるなんて事はほぼない、我が家で最後の「箱入り息子」。
声は生まれつき低くてハスキーなガラガラ声、なんだか「野良猫界のボス猫?」みたいな鋭いまなざしですが、生まれ持ってのナチュラルボーン箱入り息子(ゴリ推す)。
そんな彼が野外でたくましく狩りをする姿が想像できず、心配で心配で探し回ったあげく
「そういえばあの空き家まだ見てない!」
と、我が家の目と鼻の先くらいの近さにある近所の空き家に行ったらば、なんてことはない、軒下で呑気に日向ぼっこしていたのです。
『あーあ、秘密の場所が見つかっちゃったなぁ・・・・』
と言う顔して。
猫が見つかった事で、一安心してからも、今までももちろんこんなに近くにあったのに、意識していなかった空き家を時々気にするようになりました。
ちょっと道から下がった場所に、ひっそりと奥ゆかしく、何年も何年もひとりで過ごしているように見えた空き家。まさか、それから何年もたってこの空き家に暮らす事になるとは。驚きです。
2018年春 まずは片づけから
貯金もほぼない我が家、タイミングが良かったのかどうなのか、結局はよく分からない、、、いやローンもまだあるんだから、実はタイミングが合わなかったのでは?と考える暇なく、
「今を逃すともう次はないよ!」
とよく分からない何かに押され・・・
ついに築150年越え(推定)の古民家を我がものにしてしまった。してしまったからには、何とかしないと。
この時はその後約2年「片づけ・解体」に掛かるとは、想像していなかったが(ちょっとはしていたかな??)2018年、雪もそろそろ消え始めた4月に入った頃、長年つけたままだった各場所の冬囲いを撤去する事から始め、屋内の片づけに着手しました。
ご覧の通り、この土間を見て購入希望者の方々が「辞退」したのでは?と思うような、やんちゃな事態になっておりましたが、むしろ「土間」と言うものが新鮮だった私は「土間がある家っていいな~」と言う思いと、上を見た時に写真がぼやけて分かりずらいのですが、こんな感じに↓
かすかに、天井の片隅に見える茅葺屋根の内側が見えて(この時は上に藁部屋があったので非常に分かりずらいのですが)やっぱり
「茅葺屋根の家だ~」
と感動したのを覚えています。
我が家は、どちらかと言うとコテージっぽい、洋風なイメージの家だったので、「日本の古民家」はとにかく新鮮だったのです。
この土間の片づけは、かなりケモノに荒らされた形跡もあり、手こずりましたが、中でも頭を悩ませていた大物がこちらの大型機械。
左側にドンと鎮座しておられる、こちらのお方です。
「これは、、、、自力で解体できるものなの?、、、業者に、、、」
としょっぱなから心折れかかりましたが、そんな時ご近所から救世主が!!
あっという間に解体されました!
しょっぱなからお世話になったご近所様は、冬の間も古民家の屋根の雪下ろしを一緒にして下さったり、屋根から降ろした雪を小型ブルトーザー(正式名称分からない。動く時カタカタ音がするので我が家では「カタカタ」と呼んでいる)で家の横の沢に落としてくれたり。
それだけでなく、一年を通して新鮮なお野菜をたくさん下さったりと、、、なにかとお世話になりっぱなしです。
今年も畑に残しておいた大根を
「好きな時に抜いて持って行っていいよ」
と、お声がけ頂き、ありがたく貰ってきました。田舎暮らししながら畑を全くしていない我が家のまさに救世主。ありがたく頂いております。
ありがたすぎるご協力の後は、また家族でコツコツ片づけ作業していきます。
座敷や居間なども、写真で見ると凄く散らかっているように見えますが、家主さんがある程度不用品などすでに処分されていたり、残したものはまとめていてくれたので、見た目ほど片づけ分別が大変という訳でもありませんでした。
なかには、箱に入ったままの未使用のお皿や鍋など食器系や、なんだか古めかしくてレトロなもの、まだまだ磨けば使えそうなものもあり、ただただ「全部捨ててしまえ~」っていうのは簡単だけど、ちょっとした「宝探し」気分で、この分別作業はなかなか楽しくもありましたし、今も飾っているもの、使っているものもありますよ~♪
実はこの古民家の他に、敷地内に2階建ての小さな納屋もあり、そちらにも農作業の道具や機械、この家のお父さんが左官職人さんだったので左官道具などもたくさん残されていました。
我が家もDIYなどはしていたので、道具はある程度持っていたのですが、見た事もない面白いもの、大工さんが持っているような専門的なものまであり、改装中に存分に使わせていただきました(現在進行形:笑)
ちなみにこの年2018年から上越市のゴミの分別の仕方が変わり、燃えるゴミにプラスチックなども含まれるようになりました。もし分別が以前のままだったら、この仕訳の作業もまた大変だったと思うのですが(費用的にも)軽トラに積んで何回かクリーンセンターを往復し何とか片づけ作業もひと段落。
この後に2018年の大仕事「藁まみれ・煤まみれの屋根裏部屋大掃除」が始まるのですが、だいぶ長くなってしまったので(ここまで見てくれている人、いる??(笑))それはまた次回に。
春までに、リノベ振り返りシリーズが完成までこぎつけるといいなあ。