運営の反省と改善
- 執筆者 中橋啓太
- 所 属フリー
2023/01/11
大歩危リバーフェスティバル2022
(ワールドマスターズゲームズ関西オープン競技プレ大会)開催
昨年から四国吉野川で行われるラフティングイベント、大歩危リバーフェスティバルの運営に携わっています。今年は11月12日〜13日に開催されました。お忙しいところ参加された皆さまには感謝申し上げます。
今年で13回目の開催となった本イベント、多くの方が関わり、続いてきた大会に縁あって参加できることに感謝いたします。
前回はGPS位置情報、グーグルマップのマイマップ機能、LINE公式アカウントの使用に関して書きました。今回は計測周りをメインに書いていますので、よろしければご覧ください。
●前回の記事はこちら→イベントでの成功と失敗
計測体制と順位発表後のミス
レースラフティングは多くの場合、タイムを競い順位が決まります。
今回はスタート班、ゴール班にそれぞれメインとなるストップウォッチと予備ストップウォッチで計測を行いました。
スタート班、ゴール班、ペナルティを観察するジャッジ班には紙のタイムシート、ジャッジシートを所持してもらい競技中に記入、その後シートを撮影、画像を集計班に送信、集計班が表計算ソフトに入力しタイムを算出しました。
降雨により紙のシートに記入できない、カヤックに乗りながらのシート記入ができない場合はFacebookメッセンジャー、LINEによるテキストでの取り、その他グーグルスプレッドシートで共有する場面もありました。不明な点があればトランシーバー、電話で連絡を取りながら進めていきました。
距離が離れているゴールテントとスタートライン。
集計班は各所から連絡を受け取る人と表計算ソフトへの入力作業をする人の2人体制で行いました。
各スタッフがグーグルフォームに入力、スプレッドシートにデータを集計しタイムを算出する方法もありましたが、経験値が無いこと、集計システムを作成し取扱いの周知を考えたときに、現状ではミスが起こりにくいであろう今回の手法を採用しました。しかし、結果は総合順位発表後にミスが分かり、最終順位を修正しました。
参加者のみなさまには大変ご迷惑をおかけいたしました。お詫び申し上げます。
単一の種目、なおかつタイム順で順位が決まればミスは起こりにくいのですが、数種目の合計ポイント、タイムによってレースの組み合わせ変更、ペナルティタイムの加算発生等がラフティングにおけるタイム集計の厄介な所です。ひとつのミスが全ての集計結果に影響を及ぼしてしまうことがあります。
不具合等で急きょ関数を修正しなければならないことがあるため表計算ソフトが扱えるスタッフは欠かせません。今回も総合順位発表後、迅速に修正していただき非常に助かりました。
迅速に修正してくれたおかげで表彰式を行うことができました。
説明無しでも集計できるように
煩雑な集計作業を避けるため合計ポイント、組み合わせ、ペナルティの加算等が自動的に算出されるように表計算ソフトの関数を組み合わせたとしても、使用マニュアルが煩雑になり本末転倒です。
その他にも懸念点がありまして、それは問題が起こってもすべてが自動で行われてしまうため原因解明に時間がかかる可能性があることです。
アイディアとしては、合計ポイント、組み合わせだけを算出するアプリを作成、意図的に計算の自動化を分割します。そうすることで問題が起きた原因を見つけやすくなるのではと考えています。
簡単な表計算シートとアプリの組み合わせは、汎用性があり大会によって競技種目が変更になっても対応できます。
この手法のもうひとつ良い点は作業が単純になり、初めての方でも集計作業に触れやすくなる点です。
アプリの仕様は、全くラフティングを知らない方でも説明無しで扱えるというのが理想です。全体の数値入力工程は増えますが、ひとつひとつの作業はシンプルになり複雑な表計算シートを使いこなせなくても大丈夫ではないかと考えています。
リザルトの正確さとスピードは参加者の皆様のストレス軽減と大会への信頼へつながるのでアップデート必至です。
プロテスト用の映像に関して
競技内容次第では、ボート同士の接触が発生するレースラフティング。その際に進路妨害行為等によるペナルティがタイムに加算されることがあります。
ペナルティの有無で戦局は大きく変わるため、妨害行為等を観察するジャッジ班をコース内に配置します。妨害行為等の判断は難しく、基準を決めていても際どい場面がありレース結果へのプロテスト(抗議)が発生することがあります。今回も発生しました。
混戦が予想される場所にジャッジスタッフを配置。
プロテストへの対応としては、動画を撮影し映像も踏まえながら判断、プロテストを行った選手にも映像を共有し説明を行うと全体で納得感が高いものになるのではないかと思います。
しかし、この動画が厄介でして、問題となった場面がしっかり撮れていることが求められ、スタートからゴールまで選手の動きが見える場所から撮影し、どこからも死角にならないよう画角を変更しながらカメラマンは動き回らないといけません。書きながらなかなか大変だなと感じています。
今回は2か所にビデオカメラを設置し撮影しておりましたが、混戦が予想される場所に三脚を使ってカメラを合わせているので常に選手を追えず、決定的な映像が撮影できているという可能性が低くなりました。
専門のジャッジカメラマンを導入すると人数を割くことになり、人件費との兼ね合いになってきます。そこで無人カメラを数十台設置し死角を軽減できないかと考えています。ネット環境があればライブカメラにもなるので試してみたいです。
あとダメ押しの俯瞰撮影用ドローンがあればいいですね。素早い動画の共有方法の問題も出てくると思いますがそれは追々。ICTやlotと相性がいい分野と思いますのでその線で進めていきます。
中継地点としてのリザルトテント
リザルトの掲示やプロテストの対応をするリザルトテントの場所に関しては、やはりゴール付近が合理的かと思います。
前回の記事で書いたようにLINE公式アカウントでその辺の選手導線はコントロールできる想定でしたが全くできませんでした。本来であれば行かなくても良いスタートラインに向かわしてしまい負担をかけてしまいました。
現状リザルトテントを設置し、参加者の皆様とコミュニケーションが取れる位置にスタッフを配置するのがスムーズな進行につながり、情報の集積場所としてあった方が会場においてのアイコンにもなり情報の中継地点として何かと活用できるのではと考えています。
動画集
大会PV動画 Day1,Day2
大会PV動画 Day1
大会PV動画 Day2
カギとなるのは簡単運営
いろいろとありましたが2日間無事に終えることができました。事前準備から大会当日その後の片づけ等そのほか見えないところで多くの方が尽力し無事に終えることができるのだといつも感じます。感謝申し上げます。アンケートもいただき次回へつなげる所存でございますので今後ともよろしくお願いいたします。
人がいないと運営はできません。今後多くの方に協力いただくには簡単なシステムで運営ができることが必要です。スキル、経験問わず参加できるよう簡単なシステム構築が大歩危リバーフェスティバル運営のカギと考えています。
前回と今回は現場での話が中心となりましたが、広報、集客、地域、持続性等多くの領域を含めながら次回へつなげられればと思います。
試してみたいこともいろいろと出てきたので、皆様ご興味あれば競技だけでなく運営にもぜひご参加ください。
ご清覧ありがとうございました。
●大歩危リバーフェスティバルFacebook https://www.facebook.com/oboke.rf