生姜のにおいの1日
- 執筆者 佐々倉愛
- 所 属こいのぼりHOUSE
2023/02/21
こんにちは!四万十からこいのぼりHOUSEの佐々倉愛です。
寒さが本格的になってきて毎朝震えながら部屋を移動しています。冬晴れの日には朝に濃い霧が川の水面を隠します。
今回は私が毎週月曜と火曜にお手伝いに行っている桐島畑のことを紹介します。
朝8時、子どもを保育所まで送ったらすぐに、車で5分の桐島畑にダッシュで向かいます。長い坂道を上がったところに桐島畑の加工場があります。坂道の途中では棚田や季節のお花や果樹が目に入ります。
おばあちゃんの手作り晩茶も干されています。
月曜は歩く姿が疲れてると言われることがあるので姿勢をしっかりして(笑)坂道をのしのし上がったら、表でもう野菜を洗ったり袋詰めを始めているみなさんに
「おはようございます!」
を言って、ゴロンゴロン洗われている生姜の横を通って加工場に入ります。
私の仕事は生姜の茎や泥を取ってシロップや黒しょうがにするために綺麗にすることです。
エプ ロンと三角巾と手袋をつけて生姜を剥きます!削ったり剥いだり切ったりしながら手作業で生姜の綺麗な部分だけを残していきます。この作業がとっても楽しい!
カッターで鉛筆を削るように、りんごで皮を剥くように、生姜と手を傷つけないように丁寧にテンポ良く剥いていきます。
生姜を剥いていると綺麗になっていくと同時に気持ちも整理されていくのがとても気持ち良いのです。土日、子どもとの喧騒で消費したエネルギーが満たされていきます。
代表の桐島正一さんとスタッフの皆さんが作る生姜はすごく元気で水分もたっぷり、辛味の刺激もたっぷり、削っているそばから香りが充満します。削っているだけで風邪が治りそうなくらい!
これが凝縮したシロップも黒しょうがも冬にはぜひ食べてほしい商品です。
桐島畑では10時と15時に休憩があります。おやつの時間!
農作業をする方が多いからか10時と12時と15時にチャイム、17時に帰りの音楽が鳴ります。キンコンカンコンが鳴るとおやつ休憩~!
畑でも加工場でも同じ作業を丸1日することも多いので休憩時間がすごく楽しみな時間です。生姜を剥ぐ手作業をしながらこそ、スタッフ同士で色々話が進むこともありますが、休憩時間に業務連絡や近況報告をしてお互いの様子を知り合います。
しょうさんの有機農家としての経験を学びに、農家志望者や移住希望者もよくいらっしゃるの で、スタッフ同士のこれまでの経緯を聞くだけでも知らない世界のことをたくさん知れます。人口 約2,500人の村から世界中のことを聞けるのはとても貴重な機会です。
年齢も様々なのでライフイベントもそれぞれあります。一緒に喜んだり、大変な時には仕事を調整したりお互いのことを応援し合えるスタッフ同士の雰囲気が大好きです。
加工場はシロップを作り、瓶詰めやレシピを輪ゴムで止めるところまでみんなで手作業して、月曜~金曜の中で生姜を剥くところから発送できる状態に商品が完成します。
この流れを部分ごとではなく、全員で一緒に全行程を作業するのでできること、また桐島畑ファンでいてくれる方の おかげでこの循環が成り立っています。
そしてまた月曜日。私は坂道を上がって生姜を削ります。今日は新生姜かな、親生姜かな。暑い日には裏山の方に寄って冷たい風を待ちながら、寒い日にはストーブをつけて陽の当たる場所に寄って。
「お母さん、今日も生姜のにおいする」
って言われながら。