自然災害、さみしい八月、地獄に仏
2014/08/27
高知は大変な夏です、今年。大雨に台風、まともに直撃してるなーという感じでした。大正町市場もお客さんの数は少なく、平年の60-70%くらい。皆様の予想どおり、漁がないのでお魚も少なく、浜ちゃん食堂も開店休業という感じです。去年の今頃、たくさんのお客さんが目当てにしていたメジカ(宗田カツオの子供)も、今年はまだ獲れてません。
先日の台風直撃では、朝になって出勤すると、もう家のあたりは葉っぱが飛び散ってビニールハウスはびりびりに破れ、川の水もゴウゴウと流れて、桜の木はあちこちで折れちゃってて。
折れた桜の木
よく家が無事だったなーと思います。市場も、葉っぱや落ちた時計、電球などが散乱。古い店になると瓦まで落ちちゃってました。フェイスブックでも、山のほうでは十和も大変な被害だったらしいし、それはそれでもう、次に向かって考えて歩き出すしかないって前向きな投稿をよんでうちもがんばらないとなーと思いました。
そんな状況でもお盆になると、嵐を抜けて帰省客もようやく、久礼にたどり着いたようで。いつもより、商店街を歩いてる人も気持ち、増えたような気がしましたし、あちこちで、「いや、あんた戻っとった?」と、久しぶりの再会を懐かしむ声もちらほら聞こえていました。
このあたりのお盆では、送り火迎え火を焚くとき、漁師町ならではの風習があります。ほんとうに浜のあたりでしか、この風習はないのですけど、小さな松明を道端にたてて、それを子供たちが走って飛び越えます。「法界」とよばれるこの風習、無病息災の願掛けになっているそうですが、同じ中土佐町でも山側の人は、そんなことしません。この「浜の方」「郷(山)の方」では、いろいろとお葬式や初盆の仕方についても違いがあります。なのでよく、おばちゃん同士の会話でも「うちは浜やからねぇ、あんたらは郷やき、こんなふうにせんろう?」なんて聞かれます。
台風に不漁、少ないお客さん・・・ 残念なこともあるけれど、今年、この漁師町らしい浜のお盆の風習を、ちょっとみんなでやってみよう、と商工会の婦人部が中心になって、町内の中心的な商店街で一斉に、この法界をしました。
法界
時間になったら松明に火を灯し、全部で500本ほどの松明を、あちらこちらの商店街の端から端までたてました。お寺のお坊様も、九州から取り寄せた平和の火をもって参加され、厳粛で、しかも何か懐かしい、現世の人と町内のご先祖さまが全員集合したような、不思議な雰囲気の漂う盛大なイベントになりました。そもそも、イベントというつもりは全くなかったのですが、ね。
法界
と、去年よりちょっとさみしい八月ではありますが、嬉しいこともありました。
今年度、大正町市場では、地元の買い物客を呼び戻そう!を目標に、「月に一度は百円市~百縁小鉢~」を平日に行っているんですが、
百縁小鉢チラシ
もちろん今月も、いつものように第四金曜にやるよう、準備をしていたら!なんと、普段、漁がなくて全然出てこれなかった漁師のおかみさんたちが、このイベント前日にちらほら顔を出してくださって!!「明日はちょっとでも売らないとねー」と言ってくださいました♪なんかすんごく嬉しいです♪♪♪ちょっとでも何か出店して、市場に花を添えなくちゃっていう、おばちゃんたち一人一人の気持ちと協力がこんなときなので余計、身に染みてありがたいと思いました。
百縁小鉢は、市場内のお店全店で百円の商品を販売するイベントなんです。対象商品には百縁小鉢のロゴシールが貼られていて、このシールを5枚集めると福引が引けるんです。
福引の景品は、久礼の地場産品。鰹のタタキだったり、七面鳥、地酒に久礼天やイチゴ農家組合でできたケーキ屋風工房の焼き菓子、高知屋のところてん、地元の商品開発事業の先駆け、ど久礼もんの漁師のラー油や辛焼き味噌などなど、いろーんなものが当たる福引。地元だけに普段、自分用にはあまり買わず、贈り物としてしか買ってない、そんな商品が自分にあたる嬉しい福引です。
で、このイベントを大正町市場の中だけでやっていたら・・・なんと、市場前のお宮さん通り商店街からも「うちもやりたーい」という嬉しいご協力をいただけることになり!今では、大正町市場とお宮さん通りの9店でも、百円商品をお買い求めいただけるようになりました♪
ちょっとでも普段のお買い物に色を添えられればと、お客さんもお店の人にも喜んでもらえるものになれば、と続けてよかったなぁと思います。特に今月は、普段、漁師のおかみさんも出てなかったし、メジカもまだだし、お天気も心配だけど・・・ね。
というわけで、地域のみなさんと一緒に、まだまだがんばっていけそうな、大正町市場から、今月も川村がお届けしました。