地域おこし協力隊は地域に眠る炭窯を再稼働させることができるか?其の三
2015/04/15
- 執筆者 石田朋久
- 所 属四万十町地域おこし協力隊
新年度、満開の桜の下あちこちで新たな出会いや別れがあったことと思います。
ここ四万十町十和でも異動していったり退職された職員の方とのお別れ、逆に異動して来られた方との出会いがあった他に新たに3名の地域おこし協力隊が着任しました。
ずっと一人でやってきた今までと比べると賑やかになったような気もしますが、ミッションの都合で出勤時と退勤時以外は現場に出てしまう隊員ばかりなので、やっぱり役場には自分一人ぼっちの石田です。と書いてる自分もあまり役場の席に座っていることは少ないのですけどね。
さて、2月から始めた炭窯の屋根を直す作業は、雨が降って延期になったりスケジュールが合わなかったりでなかなか進めることができず、とうとう3月中には完成させることができずに新年度になってしまいました。
前回までに応援に来ていただいた皆さんのおかげで大掛かりな作業は終わっていて、残す作業は2~3人で少しずつでも進めていくことができます。慣れた人なら一人でもできるのだと思います。
とにかくあともう少しなのに、ここしばらく天気が悪い日が続いており、やっぱりなかなか進んでおりません。
そうこうしているうちに近所のビニールハウスの一畝をお借りしてトマトを植えさせていただきました。去年は20本植えたら最盛期にとんでもない収穫量になり、おすそ分けしようにも近所ではみんなトマトは売るほど作っているし、毎日毎日大量のトマトを食べていました。まあ美味しく食べているので苦痛ではないし、飽きることもなく毎日がトマト天国という感じでした。
今年は少し控えめに15本にしました。これに加えて家の横でソース用のサンマルツァーノを放任栽培で育ててみる予定です。放任栽培はソバージュ栽培とも呼ばれ、路地植えのトマトを支柱で支えながら脇芽も取らずに伸び放題に育てる栽培方法です。
去年もこの育て方で大量の実が生ったのですが、途中で青枯れ病にやられて思ったよりも収穫はできませんでした。今年はそこのあたりに注意してやってみます。とにかく去年の夏は雨が降りすぎて、ハウスで育てていたトマトも思っていたよりも味が濃くなりませんでした。うちだけじゃなくて他の農家の皆さんも同じような事を言ってたので、天候が原因だったということにしましょう。
そしてもう一つ、去年に続いて四万十町の地域おこし協力隊で米を作ろうと思っています。
普段は別の地域で活動している協力隊が共働作業をすることは滅多に無いことなので、米作りを通して協力隊同士の繋がりや、指導していただいた地域住民の皆さんとの交流はなかなか良かったと参加した隊員からは好評だったので今年もやりますよ。あくまでもそれぞれの協力隊としてのミッションに支障が出ない程度に自由に参加していただく形です。
家族がいる隊員は奥さんや子供を連れてきて、作業している間に子供達が仲良く遊んでいたり、みんなで一緒にご飯を食べたりそんな交流もできるし、真夏の草刈りの後で川に飛び込んでもいいし、そのままエビ獲りに突入してもいいし、獲ったエビを肴に飲み会に突入してもいいし、飲んで帰れなくなったら泊まっていけばいいし、とにかく他人に迷惑かけない程度で自由にやってみたいと思います。
そして、炭窯の作業がなかなか進まず、いなかマガジンの締め切りを少し待ってもらっている中でカヌーのインストラクター養成講習が始まってしまいました。
この講習は日曜日に行われるので協力隊の活動としてではなくプライベートでの参加ですが、都会だと遊びの道具でしかないカヤックや装備は、ここ四万十では仕事の道具になる。ということです。
きっちり講習を受けて、知識と技術を学び、ヤル気と時間さえあればインストラクター見習いとして受け入れてくれる場所があり、もっとヤル気があればそこそこの収入を得ることも可能です。
講習でお世話になっている四万十市のカヌーガイドの皆さんが活躍しておられるエリアは、比較的流れが穏やかで川幅も広く景色も素晴らしく、自分が大阪に住んでいた頃に思い描いていた四万十川のイメージに一番近い所でもあります。
それに比べると自分が活動している四万十町内を流れる四万十川は岩も多いし急な瀬もあってここを下るのは少し難しそうです。それでも上級者から見ると変化に富んでいて面白いコースなのかもしれません。実際に十和でも年に数回カヤックで川を下っている人を見かけます。
水辺での遊びは人の命に係わることなので、最初は慎重すぎるぐらいに始めて事故の無いようにしましょう。
協力隊が増え、色々な事が動き始めた四万十町十和
来月はどんな報告ができるのでしょうか?