今年も竹竹(たけだけ)しくまいります!!!!
- 執筆者 小林恵子
- 所 属えん(縁)もたけ(竹)なわ
2017/02/22
2017年 酉年、羽ばたける1年にするのだ!!! と決意もあらたです。
はじめてお読みくださる方もおられるかと思い、簡単な自己紹介をさせていただけましたら幸いです。私は、岡山市で、~えん(縁)もたけ(竹)なわ~と称し、「竹藪を活かして、認知症の人の『居場所』と『出番』と『役割』づくり」に取り組んでおります。
それまでお百姓であった祖母たちが守ってきた山でしたが、足腰や頭が弱り、自分たちで守れなくなってきました。認知症の深まった6年前から、竹藪が荒れてきていることを何度も何度も言うようになりました。
当時85歳となり、できないことが増え、わからないことが増えてきた当時の祖母たちの口ぐせは、「年をとったらええことはねえ」「早うお迎えがこんかなあ」などでした。ならば、竹藪を活かして、祖母たちの生きがいづくりができないかと、活動に取り組みはじめました。
竹を通して、手しごとができましたおかげで、今では「100歳までがんばる!!!」と張り切る毎日です。竹のおかげ。竹を通しての豊かなご縁のおかげ。竹に感謝です。本当に、ありがたいことです!!!
岡山県には、いわゆる放置竹林がたくさんあります。林野庁のホームぺージ、「竹のはなし」によれば・・
竹は、日本各地に広く分布し、昔から身近な素材として生活に利用されてきました。しかし、近年、人々の生活が洋風化したこと。プラスチック等代替材が登場したこと、安価な輸入品が増加したことなどにより、竹材、たけのこの国内生産量は減少傾向にあります。そのため、国内には管理不足の竹林が多く見られるようになりました。
とあります。
地元でも管理不足の竹林が多くみられています。当初は、家の竹藪を使ったりしていましたが、最近では、「うちの竹をぜひ使ってほしい。竹を使うと竹藪がきれいになるから、沢山使ってほしい!!」と言ってくださる方も増えてきました。
毎年増えつづける竹に困っていらっしゃるお家の多さを肌で感じます。年々、使わせていただける竹藪が増え、ありがたいことに、材料には困らなくなってきました。
「竹」の特徴として、伐採時期は、一般的に成長の休止時期である晩秋から初冬が適期です。今が、まさに竹の伐採によい時期です。マムシも、蛇も今はまずおりません。(冬にもマムシにかまれた話は聞きますので、油断はできません)
竹に親しむにつれ、竹にはさまざまの活用方法があり、先人たちの自然と共生するための知恵の宝庫であると感じられます。ただ、竹の活用は、竹を伐りだし、切り、割き・・・手しごとに手間や時間、労力もかかります。便利ではないかもしれませんが、自分で作ったものには、深い愛着がわきます。燃やしても土に還るという循環型の自然素材であります。
6年前から、竹細工を習い始め、簡単なかごを一つ作るにもたいへんな労力でした。竹を切り、割り、さまざまな工程をへて竹ひごを作り、編んでいく。編み方も、頭の中がこんがらがり、何回も何回もやりなおしました。最終は先生に手伝ってもらい、なんとか完成させることができました。
多大な時間をかけ、一つの籠を完成できたときは、なんとも言われない達成感でした。形はいまいちでも、世界にたったひとつだけのオンリーワンのかごでした。
今から思うと恥ずかしいながら、それまで、物は100円均一なので安く買い、使い捨てておりました。竹細工を習い始めてからは、手もとにやってきてくれる物を作ってくださった方の労力のことも考えるようになりました。また、どんなものに関しても、大事につかわなくては、「もったいない」という思いも強くもてるようになりました。
六目編みという編み方のかごを習いました。立ち上がり以外は、どこをとっても六角形と三角形が連続しています。誰がこのような編み方を考えたのか・・。6年前の初期の作品なので、不揃いではありますが・・・
この編み方で、ミカンを入れる籠も、洗濯物を入れるような大きな籠も、手さげ鞄も、ポシェットも、鶏を入れる籠にも使われています。
インドネシア バリ島
韓流の時代物のドラマや映画でも、六目編みの竹細工はでてきます。アジア各国でも竹文化は色濃くありました。けれども、近代化により都市化したアジア都市では竹は使われなくなってきているとのことです。作り手の高齢化により、伝承が難しくなってきているとも聞きました。
私の地域では、かつては、竹は日常に使われており、竹製品をつくる人が、村にいたとも聞いています。今では、私の世代で竹を加工する人は稀になってしまいました。
竹を使うひとが一人でも増えたらよいのに。少しでも竹を使う人が増えたら、森が喜ぶのではないか。とワークショップや竹製品などの竹に親しめる、おうちカフェにも取り組んでいます。
微々たる取り組みながら、1月のご報告です。
竹を燃料に
たき火をして、焼き芋をしました。皆のおなかも暖かくなりました。
竹炭を畑の肥料に
たき火のあとの竹炭を、畑にまきます。竹炭を畑にまくようになってから、お野菜の勢いがよくなったと感じています
竹炭を土壌に施用すると、糸状菌、バクテリアなどの有用微生物が棲みついて繁殖し、土壌中の有機物の分解を促して土の団粉化を進め物理性を改善し、保水性や透水性もよくする。また、竹炭はアルカリ性なので土壌の酸性を改良し、さらに豊富なミネラルを含むミネラル肥料でもあり、肥料と併用すると、施肥効果が増すなど、土を活性化する総合的な働きがある。(現代農業より) と言われています。
マドラー作り
使い捨てのマドラーを使っておられるお店の方から、竹でマドラーは作れないか、と尋ねられ、つくってみました。
竹炭クッキー
竹炭を使ったお菓子を作ってもらいました。竹炭には、ミネラルもあり、デトックス効果もあります。ワークショップのときなどに、みなでいただいています。
「西川ぬく森アナザーガーデン」出店
1月29日に、岡山市北区の西川緑道公園で開催された、「西川ぬく森アナザーガーデン」に、出店をさせていただきました。森の恵みを感じられるマーケットです。
竹に親しんでいただけますよう、手しごとの楽しさを楽しんでいただけますよう~
●マイ竹箸作りのワークショップ
●黒竹で作るはたきづくりのワークショップ
●竹ビーズのアクセサリー作りのワークショップ
●祖母と作る、黒竹のはたきや、竹箸、青竹踏みなど
をご用意いたしました。
出店に向け、張り切って祖母は、作っておりました!!!
ライフワークとして、竹細工を習いつづけています。かごや鞄など、日常に使えるものを一人で作れるようになることを目標としています。
昨年もさまざまの応援、励まし、アドバイスにとても感謝をしております。竹を通しての老若男女の豊かなご縁の中、笑顔で過ごせました。竹を通して、人とひと、人と自然、人と社会、人とお金など、祖母にさまざまのつながりができ、日々の生活は豊かになってきました。
認知症は年々深まってはおりますが、「年をとったらええとはねえ」ということはなくなりました。100歳までがんばるそうです。「出番」や「役割」のある場所が、祖母の張りあいある「居場所」となることを感じました。
全国で年々増え広がり続ける放置竹林です。竹を活用することは、未来に向けて森を守っていくことにつながります。次の世代につながっていくことと考えます。祖母たちの強い願いでもあります。若いころは自分たちで山を守ってきました祖母の存在そのものが、「出番」であると感じます。
先人たちが守ってきた森や、長い年月をかけて引き継がれてきた伝承を、これからも引きついでいけますよう、今年も取り組んでまいります。笑顔の輪が広がっていきますよう。森が喜びますよう。微々たるあゆみながらとりくんでまいります。
今年も、ご指導をどうぞよろしくお願いいたします。